現役東大生220人アンケート調査「あなたがひらがなを読めるようになったのは何歳ですか?」男女別、学部別徹底比較。

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現役東大生220人アンケート調査「あなたがひらがなを読めるようになったのは何歳ですか?」男女別、学部別徹底比較。

「2歳半までにひらがなが読めるようになった現役東大生は32%。文系学部の現役東大生は理系学部よりもひらがなを読めるようになった年齢は早い傾向がある。」

ひまわり教育研究センターは、2022年2月、現役東大生220人に「子供のころの過ごし方」について複数のアンケート調査を行いました。
今回は「ひらがなは何歳くらいで読めるようになりましたか?」というアンケート調査の結果を報告いたします。(調査会社:ゼネラルリサーチ株式会社 調査時期 2022年2月17日〜2月19日)

1親子

今回の調査は、「東大に合格するような学力の高いお子さんは何歳頃にひらがなを読めるようになったのか?」についての実態調査をしました。お子さまの学びのサポートをされている保護者の方々にとって、興味深い結果となりましたことをご報告いたします。

<調査の背景>

「ひらがなはいつごろから教えたらよいのか?」幼児期のお子さんをもつ保護者の方にとっては関心の高いことのひとつであると思います。

一方で、「ひらがなを早く教えすぎないほうがいい」とひらがなを早く教えることの弊害を伝える記事や「ひらがなを早く読めるようになることと学力とは関係ない」「お子様がひらがなに興味を持ち出したときに教えるのがよい」という教育者の意見もあります。

そこで、「学力の高い子供は何歳くらいからひらがなを読めるようになったのか」を検証するために、「現役東大生は何歳ころにひらがなを読めるようになったのか」についてアンケート調査をしました。
この調査結果が、子育て中のお子様をもつ方にとって一つの目安になっていただければと思います。

<調査結果のポイント>

・現役東大生220人のうち、何歳から読めたかのかを回答したのは149人でした。
・回答した現役東大生149人のうち、ひらがなを読めるようになった年齢でもっとも多かったのが2歳半〜3歳で31人(約21%)、次いで3歳〜3歳半で30人(約20%)でした。
・ひらがな読めるようになった年齢を、男女別、学部別(文系学部、医学部を除く理系学部、医学部)でも集計し、比較しました。

<調査対象について>

現役東大生220人のうち、男子は106名、女子は101名、回答したくないは13名でした。

文系学部は81人、理系学部(医学部以外)は74人、医学部65人でした。

「ひらがなは何歳くらいで読めるようになりましたか」の質問に「わからない」と回答したのは71人でした。わからないと答えた71人をのぞいた149人について「ひらがなを読めるようになった年齢」の調査をしました。

「ひらがなを読めるようになった年齢」を回答した149人のうち、男子は73人、女子は68人、回答したくないは8人でした。149人の学部の内訳は、文系学部48人、理系学部(医学部を除く)50人、医学部51人でした。

<調査結果の詳細>

Q.「ひらがなは何歳くらいで読めるようになりましたか?」

現役東大生220人に「ひらがなは何歳くらいで読めるようになりましたか?」という質問をしたところ、わからないと回答したのは71人でした。わからないと回答した71人をのぞいた現役東大生149人のひらがなを読めるようになった年齢を半年ごとに集計しました。

ひらがなを読めるようになった年齢は2歳半〜3歳がもっとも多く31人(20.8%)でした。次いで、3歳〜3歳半が30人(20.1%)でした。

2歳までにひらがなが読めるようになった現役東大生は24人(16.1%)、2歳〜2歳半までに読めるようになった現役東大生は24人(16.1%)でした。32.2%が2歳半までにひらがなが読めるようになっていました。
現役東大生の半数(53.0%)が3歳までにひらがなが読めるようになっていました。

現役東大生の90%は4歳までにひらがなが読めるようになっていました。

2棒

男女別にひらがなを読めるようになった年齢を比較してみましょう。

3青赤棒

男子のひらがなが読めるようになった年齢で一番多いのは2歳半〜3歳で24.6%でした。女子のひらがなが読めるようになった年齢で一番多いのは2歳半〜3歳で23.5%でした。ひらがなが3歳までに読めるようになったのは、男子で54.8%、女子で49.9%でした。

学部別にひらがなが読めるようになった年齢を比較してみましょう。

4青赤グレー棒

文系学部でひらがなが読めるようになった年齢が一番多かったのは2歳〜2歳半で27%でした。医学部をのぞく理系学部で一番多かったのは3歳〜3歳半で24%でした。

医学部で一番多かったのは2歳までと3歳〜3歳半で、どちらも21.6%でした。

3歳までにひらがなが読めるようになった現役東大生は、文系学部は58.2%、医学部を除く理系学部は50%、医学部は50.9%でした。

<考察>

今回の調査にて、現役東大生の半数が3歳までにひらがなを読めるようになっていることが判明しました。幼児向けの通信教育講座において、3〜4歳向けのクラスで「ひらがなを学ぶ」講座が組まれていることから考慮すると、現役東大生のひらがなを読めるようになった年齢は全体でみると早めであることがわかります。しかし、4歳以降にひらがなが読めるようになった現役東大生も10%いることから、ひらがなを読めるようになった年齢には個人差があるといえます。

ひらがなが読めるようになった年齢を男女で比べたところ、言葉の習得は女子の方が早いと一般的にされていますが、意外にも男女差はそれほどなく、男子の方が若干早い傾向もみられました。

学部別で比較したところ、文系学部が、2歳〜2歳半の年齢が多いのが目立ちます。医学部では、2歳までに読めるようになった現役東大生が多かったのが目立ちます。ただし、医学部に関しては、3歳〜3歳半も同数ですので、医学部の生徒がひらがなを読めるようになった年齢が早いとはいえません。

文系学部の現役東大生は、ひらがなを読めるようになった年齢が理系学部よりも早い傾向があるとわかります。

また、2歳までにひらがなを読めるようになった現役東大生は16%、2歳半までにひらがなが読めるようになった現役東大生は、32%いました。この結果をみて、2歳前後の幼児にひらがなを教えこむのは、詰め込み教育になって弊害があるのではないか、あるいは無理に教えているのではないか、と思われるかもしれません。

しかし、東俣淳子氏は「読み書きの発達における研究動向と今後の課題」にて、「子供は1歳をすぎた頃から文字への興味、関心を持つようになる」と述べています。また、子供がひらがな(文字)を読めるようになるには「大人の意識と環境整備が大切である」とも記しています1)。

子供がひらがなに関心をもち、読めるようになるのは、周囲の大人がひらがなに関心をもつ環境を用意し、子供がひらがなを読むのが楽しくなるような大人の働きかけが必要だということです。

現役東大生がひらがなを読めるようになった年齢が早めであるのは、「ひらがなに興味、関心をもてるような環境」と「上手に教え導く周囲の大人」がいたことが大きな理由の一つであると思われます。「文字を読めるようになること」は子供にとって大きな喜びです。その喜びを早くから経験し、自らひらがなが読めるようになることで大きく学びの世界は広がることでしょう。つまり、早くに文字を読めるようになる喜びの経験とそれを与えた環境が現役東大生の学力を高めた要因の一つであると言えるのではないでしょうか。

<調査を終えて>

子育て中の保護者の方にとって、「ひらがな」をいつ読めるようになるかどうかは大きな関心事です。それは、「ひらがな」を読めることが小学校からはじまる勉強と直結するように感じてしまうからだと推察します。

実際のところ、「ひらがな」を早くに読めることは学力とはそれほど直結しないと思われます。しかし、子供がひらがなを早くに読めるようになるということは、身の回りにひらがなの文字が溢れ興味関心を持ちやすい環境であるということ、そしてひらがなの読み方を根気よく楽しく優しく教えてくれる大人や年長者がいるということを示しています。その環境や指導者の存在はその後の子供たちの学力を伸ばす上でとても重要であると思います。

長男が次男に絵本を読んであげながら、優しくひらがなを次男に教えていた姿が私の目に焼き付いています。かつて私が長男にしていたことを真似ていたのでしょう。次男はたくさん褒めてくれる長男に教えてもらうのが大好きで満面の笑みでとても嬉しそうにしていました。

本来、子供にとって文字を学ぶことはとても楽しいことであると思います。そんな豊かな時間を過ごすためにも、早くからひらがなに触れる環境を整えることをおすすめします。そうすれば、焦ることなくゆったりとひらがなを学ぶ楽しい時間を持つことができ、学びの楽しさを存分に味わえることができると思うからです。


 ひまわり教育研究センター    
     所長 上田尚子

参考文献)
1)東俣 淳子「読み書きの発達における研究動向と今後の課題」人間発達学研究 10 号21−33 2019年3月

<まとめ>

・現役東大生の53%が3歳までにひらがなが読めるようになっている。
・現役東大生の32%が2歳半までにひらがなが読めるようになっている。
・現役東大生の16%が2歳までにひらがなが読めるようになっている。
・ひらがなが読めるようになった年齢に男女差はなく、男子が若干早い傾向がある。
・ひらがなが読めるようになった年齢の学部差は文系学部が早い傾向がある。

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