子どもの自己中は悪いことではない?

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子どもの自己中は悪いことではない?

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2023年07月28日

子どもが自己中でわがままな態度をとり、頭を悩まされている方も多いかと思います。

こうした自己中心的な態度が一時的なものであれば良いのですが、このまま子どもが育ってしまい、自己中心的な人間になってしまうのではないかと不安に思う方も多いのではないでしょうか?

実はこうした子どもの自己中心的な態度には、幼児期特有の自己中心性が表れている可能性もあります。

そこで今回は、子供の自己中心的な態度や自己中心性について、親がとってはいけない行動も含めて解説していきます。

子どものわがままな態度に悩まされ、将来を不安に思う方はぜひ参考にしてみてください。

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そもそも自己中心的とは?
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自己中心的とは、自分が物事の中心であると思い込み、周囲の人や物事を自分自身の考えに当てはめて解釈することを表す言葉です。

基本的には幼児期にわがままな態度として現れることが多いですが、中には精神的に未発達のまま青年期や成人期を過ごしてしまい、自己中心的な性格が大人になっても残る場合があります。

幼児期のうちは周囲の目も寛大であるため、咎められることは少ないですが、大人になっても自己中心的な性格が残っていると、周囲の人から「他人に配慮しない人間だ」「他人の気持ちがわらかない」と受け取られてしまい、社会生活を送りにくくなってしまうこともあるでしょう。

また、常に自分を中心とした考え方をしているため、他人の意見を受け入れようとせず頑固な性格も持ち合わせています。

自己中心的な性格に、傲慢さなどが加わってしまうと、自覚なく他人を傷つけてしまう人となってしまう可能性もあります。

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実は幼児期特有の自己中心性が現れている可能性も
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しかし、幼児期にみられる自己中心的な態度は、自己中心性の表れであることもあります。

実は2〜7歳ぐらいの時期では、子どもはそもそも自分が常に中心にいるという考えを持っており、自分を客観視したり、自分とは違う考えや価値観があるということを理解できないと言われています。

自己中心性という考え方は児童学者であるピアジェ氏が提唱した概念であり、自分が楽しかったり悲しかったりすれば、相手も同じ感情を抱いているという捉え方をするのが自己中心性の特徴となっています。

そのため、あくまで他の人が違う考えを持っていることが幼児期では理解できないというだけであり、精神的な発達とともにこうした特徴は変化をしていくため、子どもの成長過程であると捉えることができ、決して悪いものではないということが言えるでしょう。

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いつ子どもの自己中心性の特徴はなくなっていくのか?
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子どもの自己中心性は、先ほどのピアジェ氏によると、7〜11歳のころに他者の考え方を理解できるようになるにつれて、次第になくなっていくといわれています。

ただし、こうした精神の発達に関しては個人差もあるため、なかなか自己中心性がなくならない子どもも一定数存在します。

特に近年ではその傾向が強く、自己中心性が消えるといわれる7〜11歳の時期を過ぎても、自分を中心とした考え方が残ってしまう人が増えているようです。

こうした自己中心的な考え方が残ってしまう原因として、インターネットの発達により、直接人と関わる機会が減ったことが考えられています。

本来であれば、友達と直接関わり合ったりすることで、互いの主張を聞きながら、自分と違う意見があることを知っていきますが、こうした機会が減ってきていることで、自己中心的な考え方が続いてしまうのでしょう。

そのため、親は子どもに対して、他人の立場に立って物事を考えられるような機会を設ける必要があります。

「もし〇〇君だったら、どう思うかな?」などの質問を日常的に子どもに問いかけることで、他人の視点を意識させてみることをおすすめします。

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子どもにとってはいけない親のNG行動
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それでは、自己中心性の時期にある子ども、もしくは自己中心的な態度を示す子どもに対して親がとってはいけない行動について解説していきます。

具体的には以下の行動が挙げられるでしょう。

1つずつ解説していきます。

強くしかる

1つ目の行動は、子どもを強く叱ってしまうことです。

自己中心的な態度を示す子どもに「なんでできないんだ」というように強く叱ってしまうと、それに対して強い反抗的な態度がきてしまいます。
叱り方に気をつけないと大喧嘩に発展してしまう可能性もあるので注意が必要です。

もし、大喧嘩になってしまうと、子ども自身のやる気もなくなってしまい、お互いに築いてきた信頼関係も崩れてしまいます。

子どもをしかる場合は、子供が受け入れやすい適切な言葉をかけていくようにすることが大切です。

例えば、「なんでできないんだ」という言葉では相手の反抗的な態度を引き出してしまいます。
そのため、子どものどこがいけないのかをちゃんと説明し、子どもの良かったところは素直に認めて言葉で伝えてあげるなど、叱る一辺倒にならないように工夫することが大事です。

放置する

2つ目の行動は、子どもを放置してしまうことです。

自己中心的な子どもは、自ら明るく振る舞う特性もありますが、周りをよく見ずに周囲に迷惑をかける時もあります。

そうした中で、子どもを放置してしまうと、子どもは自分が間違っていることに気づかずどんどん自分のペースで行動していってしまうため、親が自分の自己中心的な行動を気づかせるよう言葉をかけてあげることが重要です。

例えば、「周りの人の様子をよく見てみようか」などのように、自分以外の人に「目を向けるきっかけとなるような言葉をかけていくのが良いでしょう。
客観視するきっかけを作っていけば、自ずと他人の視点で考える癖がつき、自己中心的な態度も薄まっていくはずです。

抽象的な言葉を使って褒める

3つ目の行動は、抽象的な言葉を使って褒めることです。

子どもに対して適切に褒めていくことは大切ですが、「いい感じだ」というように曖昧な言葉で褒めても、何が良かったのかが伝わりません。
また、こうした抽象的な言葉で褒めることを続けてしまうと、子ども自身が自分の何がいいのかを理解せず行動してしまうため、結果的に自己中心的な行動を撮り続けてしまいます。

そのため、子どもに対して何が良かったのかを具体的に伝えるようにしましょう。
特に効果的なのが、子どもがどう言った部分で1番なのかという部分を説明してあげることです。
理由としては、自己中心的な考え方では地位や名誉などの部分に強いこだわりがあるため、競争意識が強く、素直に受け入れやすいからです。

例えば、「元気がいいところが1番いいね」というようにどの部分で優れているかを具体的に伝えていきましょう。
自分のどこがいいのかを冷静に捉えることができ、子どもの自信も上がります。

チャレンジさせすぎる

4つ目は、子どもに物事にチャレンジさせすぎるということです。

自己中心的な考え方の子どもは、物事を同時にこなすことが苦手だからです。
ただし、1つの目標に対して突き進む力は非常に大きいことも特徴なので、何もかもチャレンジさせるよりは、優先順位をつけて1つずつチャレンジさせてあげることが重要です。

子どもにアドバイスする際にも、今1番大事なことを意識させて、それが終わったら次の目標にチャレンジしてみるといったように、段階的に行動できるよう促した方が良いでしょう。

優先順位をつけて行動できるようになれば、物事に対して視野を広く持つ余裕もでき、結果的に自己中心的な行動も少なくなる可能性があります。

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子どもの自己中心的な態度は成長過程の1つ
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子どもの自己中心的な態度は必ずしも悪いものとは言えず、子どもの成長過程であるとも言えます。

しかし、人と関わる機会が少ないなど周囲の環境によっては、なかなか精神的に発達せず、自己中心的な考え方が消えていかない場合もあります。

そうならないためにも、普段から子どもに対して他人の視点で考えられるような言葉がけなど、客観的に物事を見れるきっかけを作ることが大切です。

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