中学受験で失敗しないための方法
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2018年10月18日
幼児教室ひまわりでは、私が灘中学、阪大医学部を卒業した経験をもとに、子供を医者にするための教育法を指導しています。
私がこの幼児教室ひまわりを運営する前に家庭教師をしていた頃、とても心を痛めた体験があります。
それは、親御さんにこのように言われた時です。
「娘が受験に失敗しました。私自身がショックで立ち直れません」
「息子が第三志望の学校まで全て落ちてしまいました。公立中学に行くのが辛いです。」
「滑り止めの学校のみ受かりました。子供も私も切り替えができません。公立中学にするかも検討しています。」
中学受験に「失敗」した親御さんからの辛い報告であり、深刻な相談です。
当時の私も、お子さんを担当した家庭教師として、責任を感じていました。
とても心が痛かったのです。
そのため私は、幼児教室ひまわりを立ち上げた時に、あの時の親御さんのような、「辛い気持ちにさせないように」することを、一つの目標として掲げたのです。
おかげさまで、ひまわりに通われる親御さんは、中学受験後に、このようなことを言われることは、ほとんどなくなりました。
それは私が、「中学受験に”失敗”しない方法」を、親御さんに徹底してお伝えしているからです。
そこで今回の記事では、その内容をお伝えしたいと思います。
私がひまわりでお伝えしている「中学受験に”失敗”しない方法」とは何か?
先に「答え」から言いますね。
それは、「中学受験の”失敗”を、”失敗”だと思わないようにする」ということです。
多くの親御さんが、中学受験での失敗を恐れます。
中学受験後に「子供が受験に失敗した」と嘆き、ショックを受け、立ち直れない親御さんもいます。
では、そもそも中学受験における「失敗」とは何でしょうか?
多くの親御さんが捉える失敗とは、
・志望校に受からなかった
・受験した学校が全滅した
ということだと思います。
これらを「失敗」だと捉えているために、その失敗を恐れて、不安にとりつかれた日々を送ります。実際に失敗した時には、ショックを受けて立ち直れなくなります。
そのため、これらを解決するための方法は、「中学受験の”失敗”を、”失敗”だと思わないようにする」ということになるのです。
これには、次の3つのポイントがあります。
1.失敗は悪くないと認識する
2.試練を想定する
3.受験の本当の学びを理解する
それではこの3つを、順を追って解説していきますね。
1.失敗は悪くないと認識する
もちろん私は、幼児教室の講師として、通われてる親御さんのお子さんが中学受験で「合格」するために、全力でサポートしています。
ですが、正直に言いますが、不合格になるお子さんもいらっしゃいます。
厳しい言い方かもしれませんが、これが現実です。
ただ、その「不合格」が、お子さんにとっても、親御さんにとっても、「不幸」なのかというと、私は全くそう思っていません。
もし、将来医者を目指しているのであれば、第一志望校以外の学校からでも医学部に合格することはできます。
公立中学から高校受験を経て、国立医学部に合格する子供もたくさんいます。
あるいは、医者の道を諦めても、立派な社会人になる子供もたくさんいます。
そのため、中学受験で志望校に受からなかったというのは、長い人生で見た時に、決して「不幸」ではないのです。
確かに辛い体験となるでしょう。
ショックを受けるのもわかります。
ですが、この時の体験は、後の人生に大きな影響を与えます。
「試練」を乗り越えた者は、後に大きな成果を得るからです。
「失敗」という言葉は、どうしても日本語では、ネガティブな意味合いがあります。
そのため私は、「失敗」を「試練」という言葉に置き換えています。
「試練」という言葉には、「その先のイメージ」もワンセットで付いてきますよね。
その先の明るい未来のために一時的な厳しさ、苦難を受けることが、「試練」なのです。
ポジティブな意味合いがあります。
試練を乗り越えると、必ず大きな成果を得ることができます。
確かに私の場合は、中学受験と大学受験においては、「志望校に受からなかった」という試練は味わっていません。
ですが、子供の頃から今まででもいろいろな試練を体験しています。
子供の頃で言えば、
・後から勉強しはじめ友達にテストの点で負けた時
・算数の成績が突然落ちてしまった時
・受験間近の不安から体調を崩した時
・ふてくされて勉強をしたことで母親に大きな声で叱られた時
などなど、他にもたくさんの試練を体験しています。
確かにこれらは、志望校に受からなかったことに比べると、小さな体験かもしれません。
ですが、試練であることに変わりません。
試練は一時的な苦難であり、その先の成果も必ずワンセットで付いてくるものです。
そのため、志望校に受からなかったことを一つの試練として捉え、この先、どのような人生を歩んでいくか?
試練を乗り越えた後に必ず得られる成果を目指して、頑張っていくのです。
ただ、実際にその状況になった時、このような考え方ができるかどうか?
そんな切り替えは、できないかもしれません。
そのためには、次にお伝えすることが、とても重要になってきます。
2.試練を想定する
実際に「試練」に見舞われた時、実際に辛い体験をした時、すぐにポジティブな切り替えができないかもしれません。
そのために、どうすれば良いか?
それは、あらかじめ「試練を想定しておく」のです。
先ほどからお伝えしているように、大きな成果を得る時には、必ず試練が訪れます。
実際に今、世の中で成功している人たちも、必ず過去に、何かしらの試練を乗り越えています。
ということは、一生懸命頑張っている人には、「試練」は必ず訪れるのです。
ということは、試練を想定しておけば良いのです。
これは実は、とても大事なことなのですが、多くの方ができていません。
たとえば「スケジュール」が良い例です。
中学受験で言えば、子供の学習スケジュールを立てます。
この時、やってしまいがちなのが、「試練を想定しない」ことです。
やるべきことを詰め込みすぎたスケジュールを組んでしまうのです。
すると、心の余裕もなくなり、焦りやプレッシャーも出てきて、最終的に、スケジュール通りに行かないですし、良い結果も得られません。
スケジュールに限らず、人生もそうですが、そんなに上手くいかないものです。
大きな成果を得るためには、一生懸命の努力はもちろん、その過程の中で、必ず上手くいかない時があります。
上手くいかない=試練なので、それを事前に想定しておきましょう。
スケジュールで言えば、「上手くいかなかった時のための修正時間60分」というような項目を入れておくのです。
お子さんの成績も、何も問題なく右肩上がりで上昇するとは思わない方がよいでしょう。
試練を想定しておきましょう。
・お子さんが突然、成績が落ちたらどうするか?
・お子さんのやる気がなくなった時はどう声かけすれば良いか?
・お子さんの体調が悪くなった時はどう対処すれば良いか?
あらかじめ想定しておきましょう。
そうすれば、実際にその状況になった時に、親として、感情的にならず、ブレずに、堂々と対応することができるのです。
そして私は、教室に通われる親御さんには、「志望校に合格できなかった時も想定しておきましょう」ということをお伝えしています。
これは正直、伝える私自身も辛いのです。
ですが、実際に起こり得ることなので、正直にお伝えしています。
私が過去に言われたような、
「娘が受験に失敗しました。私自身がショックで立ち直れません」
「息子が第三志望の学校まで全て落ちてしまいました。公立中学に行くのが辛いです。」
「滑り止めの学校のみ受かりました。子供も私も切り替えができません。公立中学にするかも検討しています。」
という親御さんのように、立ち直れないほどのショックを受けて、親子共々、精神に大きな傷を
負って欲しくないからです。
志望校に受からなかったことも、失敗(ネガティブ)ではなく、試練(ポジティブ)として、捉えてほしいのです。
ですが、ただ単に「試練を想定しましょう」と言うだけではありません。
親御さんには、改めて「中学受験」というものを再認識してもらっています。
それは、なぜかというと…
受験の本当の学びを理解して欲しいからです。
私は、教室に通う親御さんには「なぜ、受験をするのか?」という問いに答えられるように指導しています。
「受験の本当の学び」について、深く理解して欲しいのです。
この問いに答えられるようになると、「合格」以上に大切なことがわかり、「不合格」をも受け入れることができるようになるのです。
だからこそ、受験の本当の学びを理解することが大切なのです。
受験の本当の学びは、たくさんあります。
今回の記事では、そのうちの1つだけお伝えします。
それが、「英雄体験」を得ることです。
私はよく「成功体験」という言葉を使います。
幼児教育では、「子供が何かを成し遂げて、それによって周りからも褒めらる」という成功体験がとても大事ですよね。
そんな「成功体験」だけでなく、失敗(試練)体験」も含めて、受験を通して得られる「全てのかけがえのない体験」を、私は「英雄体験」と呼んでいます。
英雄とは、ヒーロー、ヒロイン。
英雄は、カッコ良くて、強くて、優しくて、憧れの存在ですが、実は一般の人たちと同じような
苦難を乗り越えてきた過去があるパターンが多いですよね。
何度も悔し涙を流したが、谷を越え、闇を抜け、復活して成果を成し遂げる。
また、自分だけではなく、同じような境遇の人に手を差し伸べて、一緒に成功を掴む。
それが英雄体験です。
私自身も受験を通して、英雄体験を積んできました。
私が出会った多くの優秀な人たちも、過去の受験の話になることもあります。
話を聞いていると、彼らも皆、受験の時に英雄体験をしていたのです。
そのため、英雄体験を得た者は将来、
・目標のために努力を惜しまず
・困難な状況をも乗り越え
・周りの人たちとも協力する
そんな社会人になることができるのです。
ですが、英雄体験を得るためには、一つだけ条件があります。
それは、受験に対して、100%の力を出し切ることです。
100%全力で取り組んだ者にしか、英雄体験を得られることはできません。
受験というのは、大きく次の4パターンに分かれます。
・100%力を出し切って合格
・100%力を出し切って不合格
・中途半端な力で合格
・中途半端な力で不合格
結果だけ見れば、「合格」か「不合格」の2パターンしかありません。
しかし、この先10年、20年、30年という長い人生で考えた場合、この4パターンが後の人生に大きく関係してきます。
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・100%力を出し切って合格
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これは私のパターンですね。
受験に100%全力で臨みました。
辛い時期も乗り越えました。
試験時間の最後まで諦めませんでした。
その結果、「合格」という結果を得られました。
今思えば、最高のパターンです。
私自身が、苦難を乗り越え、成果を手に入れるという英雄体験をしてきたのです。
だからこそ今は、同じような英雄体験をしてほしいので、幼児教育ひまわりの指導方針になっています。
では、不合格だったらどうなるか?
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・100%力を出し切って不合格
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こういった人たちを、社会人になってから沢山見てきました。
皆、優秀な社会人です。
彼らと受験の話をしてみると、必ずしも志望校に合格した人たちばかりではありませんでした。
合格はできなかったのですが、100%力を出し切ったのです。
彼らは受験時代に、100%の力を出し切ったのに、合格できませんでした。
ですが、その悔しい気持ちを元に、その後、努力を重ねてきました。
その結果、社会に出てからは、大きなプロジェクトを任せられたり、多くの部下を抱えるリーダーになったり、自ら会社を設立したり、「成果」を得ることができているのです。
受験の時には、「合格」という成果を得られませんでした。
しかしそれがきっかけで、谷を越え、闇を抜け、復活して、最終的には、遅れて「別の成果」を得ることができたのです。
要注意なのは、
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・中途半端な力で合格
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です。
表面的には「合格」という結果を得ることができました。
しかし、
・努力を惜しまないという癖付けができていなかったり、
・困難な状況を乗り越えた経験がなかったり、
・周りの人たちと協力できず、自分のことばかり考えたり。
そのような体験しかしていないと、社会に出た時に苦労するでしょう。
社会に出て、問題にぶち当たった時、どうやって解決するのでしょうか?
その時に気づいてからでは、今後、修正していくのはとても大変だと思います。
最後に、
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・中途半端な力で不合格
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の方は、詳しく説明する必要はないですね。
このように、英雄体験というのは、「受験の本当の学び」と言えるのです。
結果が合格でも不合格でも、それは、これからもずっと続いていく英雄体験の「一場面」です。
英雄体験を積んできた者にだけ、結果を受け入れることができ、結果を今後に活かすことができるです。
さて、今回の記事では、「中学受験に”失敗”しない方法」についてお伝えしました。
その内容は、「中学受験の”失敗”を、”失敗”だと思わないようにする」ということなのです。
ネガティブな「失敗」ではなく、ポジティブな「試練」と捉えましょう。
そのためには次の3つのポイントを押さえましょう。
1.失敗は悪くないと認識する
2.試練を想定する
3.受験の本当の学びを理解する
受験後、どのような結果であったとしても、お子さんの人生は、そこからまた始まります。
そんな時、親として隣でどのような「姿勢」でいられるか。
今から考えておきましょう。
今回の記事では、「失敗」というネガティブなお話をしましたが、私の教室では合格を目指したスキル、成績アップに直結するスキルを教えています。
やはり合格するに越したことはありません。
引き続き頑張っていきましょう。
こちらのページでは、「中学受験で失敗しないためにはどうすれば良いか?」「中学受験で失敗した時、どうしたら良いか?」というテーマについてお話しましたが、幼児教室ひまわりでは、お子さんを医者にするための教育法をメールマガジン(全国対応)を通じてお伝えしています。
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