子供が勉強しないとき叱っていい?怒る前に見分けたい原因と親の関わり方
最終更新日 2026年10月21日
記事執筆者:熊野貴文
幼児教室ひまわり塾長・医師。灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部に現役合格し、大学在学中は塾講師・学習アドバイザーとして約1,100人を指導。自ら難関受験を経験した子供側の視点と、保護者への教育相談、東大・医学部へ導いた親や各分野の専門家の知見をもとに、今のわが子に何を優先し、どう実践するかを具体的に発信している。
幼児教室ひまわりの熊野です。
私は中学受験を経験して灘中学・灘高校へ進み、その後、大阪大学医学部へ現役で進学しました。学生時代から塾講師や学習アドバイザーとして教育に携わり、2014年に幼児教室ひまわりを創業してからも、子どもの学力や家庭学習について、多くの保護者の方からご相談をいただいてきました。
子どもの勉強については、「何度言っても宿題を始めません。もっと厳しく言った方がよいのでしょうか」「ゲームばかりしているので、つい『いい加減に勉強しなさい』と怒ってしまいます」「勉強しなさいと言うのは逆効果だと聞きました。では、何も言わずに見守った方がよいのでしょうか」「自主性を大切にしたいのですが、こちらから言わなければ本当に何もしません」といったご相談をいただくことがあります。
以前、小学1年生の双子を育てている保護者の方からも、似たようなご相談を受けたことがありました。個人が特定されないよう、一部内容を変えてご紹介します。
そのご家庭では、お子さんがなかなか勉強を始めないとき、お母さまは「早くしなさい」「いつまで遊んでいるの」と比較的はっきり声をかけていました。一方、お父さまは、「子どもを信じるなら、あまり叱らずに待った方がよいのではないか」と考えていました。そして、「妻は子どもを叱りすぎなのではないかと思うことがあります。でも、何も言わなければ本当に勉強しません。勉強しない子どもは、叱ってもよいのでしょうか」と相談してくださいました。
これは、多くのご家庭が迷うところだと思います。子どもを信じるなら叱らない方がよいのか。それとも、学習習慣をつけるためには、ある程度厳しくした方がよいのか。
私は、この問題を「叱るべきか、叱らないべきか」の二択で考えない方がよいと思っています。なぜなら、同じように「勉強しない」ように見えても、問題が分からなくて止まっている、疲れている、遊びから切り替えられない、勉強する時間が決まっていない、家庭の約束を守っていないなど、その中身は子どもによって違うからです。
大切なのは、叱ってよいかどうかを先に決めるのではなく、「私は今、この子の何に対して叱ろうとしているのか」を見ることです。この記事では、勉強しない子どもをどこまで叱ってよいのか、叱っても解決しないことは何か、そして怒る前に何を確認すればよいのかを、私自身の教育経験や実際のご相談をもとにお伝えします。
勉強しない子供を「叱る・叱らない」の二択で考えない
子どもが勉強しないとき、親から見ると「やるべきことがあるのに、やっていない」と見えます。そのため、「早くしなさい」「いつまで遊んでいるの」と言いたくなるでしょう。もちろん、本当に遊びを優先し、やるべきことを後回しにしている場合もあります。
しかし、幼児教室ひまわりで「うちの子は勉強しません」と相談されたとき、私はその言葉だけを聞いて、「もっと厳しくしてください」とも、「叱らずに見守ってください」とも言いません。まず確認するのは、どこで止まっているのかです。
算数の文章題になった途端に鉛筆が止まるなら、やる気より理解の問題かもしれません。塾から帰った夜だけ極端に嫌がるなら、疲れや課題量が関係しているかもしれません。始めるまでに時間がかかっても、一度始めれば短時間で終わるのであれば、勉強そのものより行動の切り替えが難しい可能性があります。
一方、親子で「7時から宿題をする」と決めているのに、約束した時間を過ぎてもゲームを続けているのであれば、家庭のルールについて話す必要があります。
表面上はどれも「勉強しない」ですが、親が変えるべきものは同じではありません。だからこそ、最初に見るべきなのは「勉強していない」という結果ではなく、なぜ今、勉強していないのかです。
「勉強しないなら叱る」「叱るのはよくないから何も言わない」と二択で考えるのではなく、今起きている問題に合わせて親の関わり方を変える。これが、今回の記事で最もお伝えしたい考え方です。
叱ってよいことと、叱っても解決しないことを分ける
では、勉強について子どもを叱ってはいけないのでしょうか。私は、そうは考えていません。
子どもの自主性を大切にすることと、家庭のルールをすべて子ども任せにすることは違います。親子で事前に決めた約束があるのであれば、守れていないときに「約束と違っているよ」と伝えることは必要です。寝る時間やゲームとの付き合い方、宿題など、家庭の中には親が一定の境界線を示した方がよいこともあります。
一方で、叱っても解決しないことがあります。その代表が、子どもが理解できないことです。
子どもに勉強を教えていると、「さっき説明したのに、どうして分からないの」「昨日も同じ問題をやったでしょう」と言いたくなることがあります。私自身、子どもの教育について学ぶ中で、東大理Ⅲに首席で合格したお子さんを育てた上田先生から、「理解が悪いことを叱らない」という考え方を教えてもらいました。これは、とても大切な視点だと思っています。
子どもが問題を理解できないとき、叱ったところで理解が速くなるわけではありません。算数の式の意味が分かっていないのかもしれませんし、文章の意味を読み取れていないのかもしれません。前の単元につまずきがある場合や、親の説明がその子には合っていない場合もあります。
そうであれば、「どうして分からないの」と怒ることにエネルギーを使うより、「どこまでは分かっている?」「この言葉の意味は分かる?」と、止まっている場所を見つける方が合理的です。
ここが今回の記事で大切な線引きです。約束や行動について親が境界線を示すことと、理解の遅さや間違い、能力そのものを責めることは別です。この二つを分けるだけでも、「勉強しない子どもをどこまで叱ればよいのか」という迷いは整理しやすくなります。
「叱ったら勉強した」だけでは、叱り方が正しかったとは限らない
親が強く言うと、子どもがすぐに机へ向かうことがあります。すると、「やっぱり、この子は言わないとやらない」「少しくらい厳しくした方が、この子のためになる」と感じることもあるでしょう。
確かに、「怒られたくないから宿題をする」という動機でも、その場では子どもを動かすことができます。ただし、その場で勉強を始めたことと、長期的に自分から勉強できるようになることは同じではありません。
2024年に公表された、親の宿題への関わりと子どもの学業成績について28研究・約37万8千人をまとめたメタ分析でも、親が宿題に関与すれば一律に成績が上がるという結果ではありませんでした。分析した関わり方の中では、子どもの自主性を支える関わりが学業成績と正の関連を示しています。研究対象や文化的背景はさまざまであり、日本の家庭にそのまま当てはめることはできませんが、親が「どれだけ関わるか」だけではなく、「どのように関わるか」を見る必要があることは参考になります。
だからといって、一度でも強く言えば勉強嫌いになるという意味ではありません。親も人間ですから、忙しい日や余裕のない日に、つい強い言い方になってしまうことはあるでしょう。
見るべきなのは、叱ることだけが子どもを動かす唯一の方法になっていないかです。毎日、親が怒るまで動かない状態になっているのであれば、「もっと上手に叱るにはどうするか」ではなく、なぜ自分から始められないのかを一度見直した方がよいでしょう。
目の前で机に向かったかだけではなく、その関わりを続けた先に、子どもがどのように勉強と付き合うようになるのかまで見ることが大切です。
勉強しない子供を叱る前に確認したい4つのこと
では実際に、子どもが勉強しないとき、親は何を確認すればよいのでしょうか。私は、少なくとも次の4つは分けて考えた方がよいと思っています。
1.「できない」のか、「やらない」のか
最初に確認したいのは、子どもが本当に「やらない」のかということです。
保護者の方は「宿題をやりません」とおっしゃっていても、詳しく聞くと、「計算問題はできるけれど、文章題になると止まります」「漢字は終わるけれど、作文になると嫌がります」ということがあります。この場合、勉強そのものを拒否しているのではなく、苦手なところで止まっている可能性があります。
親からすると、鉛筆が止まってぼんやりしているので「集中していない」と見えるかもしれません。しかし子どもの中では、「何をすればよいか分からない」「間違えたくない」「難しそうで手をつけられない」ということもあります。
反対に、内容は十分理解できていて、始めれば短時間で終わるのに、遊びからなかなか切り替えられないのであれば、理解ではなく、始める時間や行動の切り替え方を考えた方がよいでしょう。
2.疲れや課題量に無理はないか
学校から帰り、そのまま塾へ行き、帰宅して夕食を食べてから、さらに学校と塾の宿題をする。子どもによっては、大人でも疲れるような予定になっていることがあります。
その状態で机に向かわないと、「やる気がない」「集中力がない」と考えがちですが、単純に疲れている場合もあります。もちろん、疲れていれば何もしなくてよいという意味ではありません。ただ、子どもの体力や睡眠時間、学校や塾の負担を見ずに、勉強時間だけを増やそうとしても、うまくいかないことがあります。
「以前はできていたのに、最近急に嫌がるようになった」「塾のある日だけ進まない」といった変化があるなら、本人のやる気だけではなく、一日の生活全体を見てみてください。
3.約束やルールは、叱る前に決まっていたか
親の中では「宿題を先にするのが当然」でも、子どもにその当然が共有されているとは限りません。
ゲームをしている子どもに突然、「いい加減にして、先に宿題をしなさい」と怒るより、「帰宅したらいつ宿題をするのか」「ゲームは何時までなのか」「今日やるのはどこまでなのか」を先に決めておく方が、親子ともに分かりやすくなります。
事前に基準があれば、守れていないときにも「約束と違っているよ」と具体的に伝えられます。その場の親の気分によって叱るのではなく、家庭のルールに戻すことができるからです。
4.親は「勉強してほしい」のか、「今すぐ言うことを聞いてほしい」のか
これは、保護者の方とお話しするときに、とても大切だと感じている視点です。
親が子どもに勉強してほしいと思う背景には、将来困らないでほしい、学ぶ力をつけてほしい、自分で努力できる子になってほしい、といった思いがあるでしょう。ところが、何度言っても子どもが動かないと、いつの間にか目的が「この子のために勉強してほしい」から、「どうして私の言うことを聞かないの」に変わってしまうことがあります。
もちろん、毎日声をかけても動かない子どもを見ていれば、親がイライラすることもあります。ただ、そのときに一度、「私は今、この子に勉強する習慣を身につけてほしいのか。それとも、私の指示にすぐ従ってほしくて怒っているのか」と考えてみてください。
親の目的は、その場で子どもを従わせることではありません。最終的には、親が横にいなくても、自分でやるべきことを考えて動けるようになることです。この目的に戻ると、次に何を伝えればよいのかも考えやすくなります。
勉強しない子供には、実際にどう声をかければよい?
ここまで、「勉強しない」という行動だけを見て叱るのではなく、その中身を分けることが大切だとお伝えしてきました。では実際に、家庭ではどのように声をかければよいのでしょうか。
大切なのは、「優しく言えばよい」「絶対に怒ってはいけない」と考えることではありません。その場で何をしてほしいのかを具体的に伝えながら、子どもの人格や能力まで否定しないことです。
約束したのにゲームを続けている場合
「宿題をしてからゲームをする」と親子で決めているのに、子どもがゲームを続けているとします。
このとき、「いつまでゲームをしているの!」「何回言えば分かるの!」と感情的に言うより、「宿題をしてからゲームという約束だったよね」「今はどうするんだったかな」と、決めたことに戻す方が分かりやすいです。
それでも続けるのであれば、「今日は宿題が終わるまでゲームはここで終わりにしよう」と家庭のルールを示すこともあるでしょう。
これは、「あなたは約束を守れない子だ」と人格を責めることとは違います。変えてほしいのは子ども自身ではなく、今の行動であることが伝わる言い方にします。
問題が分からなくて止まっている場合
一方、机には座っているものの、問題を前にして手が止まっている場合は対応が変わります。
「集中して」「早くして」「さっき教えたでしょう」と言っても、理解できない原因は解決しません。「どこまでは分かった?」「問題の意味は分かる?」「最初に何をすればよいと思う?」と確認した方が、どこで止まっているのかが見えてきます。
子どもが分からなくて止まっているときは、叱る場面ではありません。かといって、親がすぐに答えを教える必要もありません。どこで困っているのかを確かめ、必要なところだけ少し助ける。その方が、次に似た問題が出たときにも自分で考えやすくなります。
なかなか勉強を始めない場合
内容は理解できていて、始めればできるのに、なかなか取りかからない子もいます。
この場合、「早くしなさい」を繰り返すより、「何時から始める?」「おやつのあとと、お風呂の前ならどちらがよさそう?」と、始めるタイミングを先に決める方が合うことがあります。
ただし、「今日はやらない」というところまで子ども任せにする必要はありません。やることは決まっている。その中で、いつ始めるかには少し選択肢を持たせる。このくらいの距離感でよいと思います。
自主性を大切にするとは、何でも子どもに任せることではありません。親が必要な枠を作り、その中で自分で決める経験を少しずつ増やしていくことです。
幼児教室ひまわりでは「叱ったか」より、その前後を見ます
幼児教室ひまわりでも、「何度言っても勉強しません」「こちらが怒らないと机に向かいません」というご相談をいただくことがあります。ただ、そのようなときに、私は「もっと厳しくしてください」とも、「今日から一切叱らないでください」ともお伝えしません。
まず確認するのは、「どの場面で勉強しなくなるのか」です。始める前から嫌がるのか、途中までは進むのか、特定の教科だけ止まるのか、始めれば最後までできるのか。さらに、学校や塾から帰ってからの生活、家庭で決めているルール、お父さまとお母さまの考え方なども確認します。
実際にこうして話を整理していくと、「勉強しない」という一言では分からなかったことが見えてきます。理解で止まっているのであれば、厳しく言うより教え方を見直した方がよいでしょう。遊びからの切り替えが難しいのであれば、勉強を始める時間や家庭のルールを整える方が先です。親によって言うことが違うのであれば、家庭の基準をそろえる必要があります。
つまり、同じ「勉強しない」という相談でも、変えるべきものは家庭によって違います。私は、子どもが勉強しないときに大切なのは、「もっと厳しくするか」「もっと優しくするか」を先に決めることではなく、今の親子の間でどこにズレが起きているのかを見つけることだと考えています。
父親と母親で「叱る・叱らない」の考え方が違うとき
冒頭でご紹介した、小学1年生の双子を育てていたご家庭でも、お父さまとお母さまで考え方が違っていました。
お母さまは、「言わなければやらないのだから、ある程度厳しく言う必要がある」と考えていました。一方、お父さまは、「子どもを信じるのであれば、もっと待った方がよいのではないか」と考えていました。
どちらも子どものことを考えているからこその意見です。そのため、一方を正しい、もう一方を間違いとする必要はありません。ただ、家庭の基準が大きく違う状態は、子どもにとって分かりにくくなります。
そこで私は、「叱るか叱らないかを決める前に、ご夫婦で何を守ってほしいのかをそろえてみてください」とお伝えしました。
たとえば、「学校の宿題はその日のうちに終える」というところは家庭のルールとして共有し、「帰宅してすぐやるのか、おやつを食べてからやるのか」「算数と国語のどちらから始めるのか」は子どもに任せる方法があります。
こうすると、親が決める部分と子どもに任せる部分が分かれます。「厳しく管理するか、完全に自由にするか」という二択ではなくなります。
お父さまとお母さまが同じ言葉を使う必要はありませんし、子どもへの接し方まで完全にそろえる必要もありません。ただ、子どもから見て「最低限何をすればよいのか」が分かる程度には、家庭の基準を共有しておくことが大切です。
勉強について叱ることが増えてきたら、子供のやる気以外も見直す
以前はそれほど怒らなくても勉強していたのに、最近は毎日のように同じことで叱っている。そのようなときは、「もっと強く言えば動くのではないか」と考える前に、同じところで繰り返し止まっている理由を見直してみてください。
親が何度も同じことで叱っているということは、今の声かけだけでは問題が解決していないということでもあります。理解でつまずいているのか、生活に余裕がないのか、始める仕組みがないのか。それまでうまくいっていたのに急に変わったのであれば、子どものやる気だけではなく、周囲の条件が変わっていないかを見ることも大切です。
叱る回数を増やす前に、勉強する時間、課題の難しさ、家庭のルールなどを一度見直す。それだけで、親子が毎日同じところでぶつかる状態から抜け出せることもあります。
「勉強しなさい」と言ってはいけないわけではない
ここまで読むと、「それでは、『勉強しなさい』と言わない方がよいのでしょうか」と思われる方もいるかもしれません。
私は、この言葉そのものを禁止する必要はないと思っています。子どもが約束を忘れているときや、遊び続けているときに、「そろそろ勉強する時間だよ」と声をかけることはあります。親が子どもの生活を支える以上、必要な声かけまで避ける必要はありません。
問題なのは、毎日何度も「勉強しなさい」と言わなければ何も始まらない状態が続くことです。
小学校低学年であれば、親が声をかけたり、一緒に予定を確認したりする場面も多いでしょう。しかし、最終的には「今日は何をするのか」「いつ始めるのか」「終わったかどうか」を少しずつ自分で確認できるようになることが大切です。
親の声かけの目的は、いつまでも親が子どもを動かし続けることではありません。親が必要なところを支えながら、少しずつ親が言わなくても動ける範囲を広げていくことです。
勉強しない子供を叱るときに避けたいこと
必要な場面で厳しく伝えることはあってよいと思います。ただし、勉強について叱るときには、人格や能力まで話を広げないことが大切です。
たとえば、「頭が悪い」「どうしてこんなこともできない」と能力を否定すること。「○○ちゃんはもう終わっている」「お兄ちゃんはもっと勉強していた」と他の子と比較すること。「いつもそう」「あなたは何をしても続かない」と過去の失敗までまとめて持ち出すこと。こうした言葉は、今日の行動をどう変えればよいのかを子どもに伝えるものではありません。
叱る必要があるなら、できるだけ今の具体的な行動に絞ります。
「7時から始める約束だったよ」
「今日は宿題がまだ終わっていないね」
「ゲームの時間はここまでだったよ」
これなら、子どもにも何を直せばよいのかが分かります。
親が伝えたいのは、「あなたはだめだ」ということではなく、「この行動は変えよう」ということです。この区別は、勉強について叱るときには特に大切にしてほしいと思います。
まとめ|叱るかどうかより「何を叱っているのか」を考える
子どもが勉強しないと、「もっと厳しくした方がよいのだろうか」「勉強しなさいと言うのは逆効果なのだろうか」「自主性を信じて待った方がよいのだろうか」と迷うことがあると思います。
しかし、大切なのは「叱る方がよい」「叱らない方がよい」と一つに決めることではありません。問題が分からなくて止まっているのか、疲れているのか、遊びから切り替えられないのか、家庭で決めた約束を守っていないのか。それによって、親がすべきことは変わります。
理解できないことや、間違えること、覚えるのが遅いことを叱っても、理解が深まるわけではありません。一方で、家庭で決めた約束や生活のルールについて、親が境界線を示すことまで避ける必要もありません。
だから、勉強しないわが子を前にしたときには、「叱ってよいか」ではなく、「私は今、何に対して叱ろうとしているのか」と考えてみてください。
親の役割は、怒って子どもを机に向かわせ続けることでも、何も言わずにすべてを任せることでもありません。今この子には何が必要なのかを見ながら、必要なところには境界線を示し、少しずつ自分で考えて動ける範囲を広げていくことです。
その視点を持つことが、目の前の宿題を終わらせることだけではなく、長い目で見て子どもが自分で学んでいく力につながると、私は考えています。
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