子供のゲームは知育になる?頭を使うゲームの選び方と親が知っておきたいこと
最終更新日 2026年10月17日
記事執筆者:熊野貴文
幼児教室ひまわり塾長・医師。灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部に現役合格し、大学在学中は塾講師・学習アドバイザーとして約1,100人を指導。自ら難関受験を経験した子供側の視点と、保護者への教育相談、東大・医学部へ導いた親や各分野の専門家の知見をもとに、今のわが子に何を優先し、どう実践するかを具体的に発信している。
幼児教室ひまわりの熊野です。
私は中学受験を経験して灘中学・灘高校へ進み、その後、大阪大学医学部へ現役で進学しました。学生時代から塾講師や学習アドバイザーとして教育に携わり、2014年に幼児教室ひまわりを創業してからも、子どもの学力や家庭での関わり方について、多くの保護者の方とお話ししてきました。
子どものゲームについても、「ゲームを欲しがっていますが、買っても大丈夫でしょうか」「ゲームをしていると、頭を使わなくなってしまわないでしょうか」「せっかくゲームをさせるなら、知育につながるものを選びたいです」「パズルゲームやMinecraftのようなゲームなら、普通のゲームより頭を使うのでしょうか」といったご相談をいただくことがあります。
ゲームは子どもが夢中になりやすいものです。時間を忘れて遊んでいる姿を見ると、「この時間を勉強や読書に使った方がよいのではないか」と心配になる方もいるでしょう。一方で、周りの友達がゲームを持っていたり、子ども自身が強く欲しがったりすると、「全部禁止するのも違うのではないか」と迷う方もいると思います。
私自身も、子どもの頃にはかなりテレビゲームをしていました。RPGやシミュレーションゲームなどに夢中になり、時間を忘れて遊んだこともあります。その後、中学受験をして灘中学へ進み、大阪大学医学部へ進学しましたが、だからといって「ゲームをたくさんすれば頭がよくなる」と考えているわけではありません。
今振り返ると、ゲームの中で考えたり、何度も試したり、そこから別のことに興味が広がった経験もありました。一方で、特に何かを学ぼうとせず、ただ楽しく遊んでいただけの時間もたくさんあります。ゲームをしていたから学力が上がったとも言えませんし、反対に、ゲームをしていたから学力が下がると単純に決めることもできません。
子供のゲームを知育につなげたいと考えたとき、大切なのは、「知育に良いゲームはどれか」というゲームの名前だけを探すことではありません。そのゲームの中で、子どもが何を考え、どのように試し、うまくいかなかったときにどう工夫しているのか。そして、そこで生まれた興味がゲームの外へ広がっているのかを見ることが大切です。
今回は、私自身のゲーム経験と、幼児教室ひまわりで実際にいただくご相談を踏まえながら、子供のゲームは本当に知育につながるのか、どのようなゲームを選べばよいのか、親は何を見ればよいのかをお話しします。
子供のゲームは本当に知育になる?
最初にお伝えしたいのは、ゲームを「子どもに悪いもの」と決めつける必要もなければ、反対に「知育になるから積極的にやらせた方がよい」と考える必要もないということです。
ゲームの中には、状況を見ながら次の行動を選んだり、失敗した原因を考えたり、何度も方法を変えながら目的を達成したりするものがあります。限られた材料をどう使うか考えるゲームもあれば、自分で建物や町を作るゲーム、物語の中で情報を集めながら進むゲームもあります。
このようなゲームでは、子ども自身が「次はどうしよう」「この方法ではうまくいかなかったから、別の方法を試そう」「先にこちらをしておいた方がよさそうだ」と考える場面があります。ゲームの中に、このような選択や試行錯誤が含まれていることは、知育という視点から見ても意味があります。
ただし、ここで一つ分けて考えておきたいことがあります。ゲームの中で考える経験があることと、その力がそのまま算数や国語、学校の成績に結びつくことは同じではありません。ゲームにはゲーム独自のルールがあり、その中で上達することと、別の場面でも同じように考えられることは分けて見る必要があります。この点については、後ほど詳しくお話しします。
近年は、子どものデジタルメディアについても、「何分使ったか」だけを見るのではなく、どのような内容なのか、子どもがどう使っているのか、睡眠や運動など他の生活を圧迫していないかまで含めて考えることが重視されています。米国小児科学会(AAP)も2026年の方針で、子どものデジタルメディアを単純なスクリーン時間だけで捉えるのではなく、内容、デザイン、子どもの特性や家庭環境を含めて見る必要があるとしています。
ゲーム=悪でも、ゲーム=知育でもない
保護者の方からゲームについてご相談をいただくとき、「ゲームを与えてよいのか、与えない方がよいのか」「どのゲームなら知育になるのか」と考えている方は少なくありません。
しかし、私はゲームのタイトルやジャンルだけで、知育に良い・悪いを判断するのは難しいと考えています。
たとえば、同じ建物を作るゲームでも、自分で「お城を作りたい」と目標を決め、必要な材料を集め、うまくいかなければ作り直している子もいます。一方で、動画で紹介された作り方を見ながら、同じものを再現することを楽しんでいる子もいます。
どちらも同じゲームをしていますが、経験していることは同じではありません。前者では、自分で目的を決め、計画し、試し、修正する場面が多くあります。後者にも、操作を覚えたり、形を再現したりする経験がありますが、「自分でどうするか」を決める場面は少ないかもしれません。
これは教材でも同じです。有名な問題集を持っているだけで学力が伸びるわけではなく、その教材を使って何を考えているかが大切です。
ゲームについても、「このゲームは頭がよくなるらしい」という評判だけを見るのではなく、自分で考えているか、失敗したあとに方法を変えているか、自分なりに工夫しているかを見る。その方が、ゲームを知育という視点から考えるときには判断しやすくなります。
知育のためにゲームを選ぶなら、「何を買うか」だけで判断を終わらせないでください。本当に見たいのは、買ったあとに子どもがそのゲームで何をするかです。
知育につながりやすいゲームに共通する5つの特徴
それでは、どのようなゲームであれば、子どもが考える経験につながりやすいのでしょうか。
私は、ゲームのジャンル名よりも、次の5つの特徴があるかを見ると分かりやすいと思います。
1.自分で考えて選ぶ場面がある
一つ目は、子ども自身が考えて選ぶ場面があることです。
ゲームの中には、画面に表示された指示通りに操作すれば進めるものもあれば、「どこへ行くか」「何を作るか」「どの道具を使うか」「誰に話を聞くか」などを、自分で考えながら進めるものもあります。
知育という観点から見ると、大切なのは選択肢の数ではありません。「なぜこちらを選ぶのか」「次に何をした方がよいのか」を、子どもなりに考える余地があることです。
たとえば、必要なアイテムが一つ足りないとき、「どこへ行けば手に入るのか」「先に別のことをした方がよいのか」と考える。限られた材料の中で、「どれを先に使うのか」を決める。そのような小さな判断が繰り返されるゲームは、ただ指示に従うだけのゲームとは経験が違います。
2.失敗したあとに方法を変えられる
二つ目は、失敗したあとに別の方法を試せることです。
ゲームの面白さの一つは、失敗しても何度もやり直せることです。最初はうまくいかなかったとしても、「さっきはここで失敗したから、次は違う方法を試そう」と考えることができます。
知育というと、「正しい答えを出せたか」に目が向きやすいのですが、考える力を育てるうえでは、最初から正解できることだけが大切なのではありません。うまくいかなかったときに、「何が原因だったのか」「次は何を変えるのか」を考えることにも意味があります。
親から見ると、同じ場面を何度も繰り返しているだけに見えるかもしれません。しかし、その中で本人が「今度は先にこちらへ行こう」「このアイテムは後まで残しておこう」と方法を変えているなら、単なる繰り返しではありません。
反対に、失敗するたびにすぐ攻略動画を見て答えを確認し、その通りに動くだけであれば、自分で試行錯誤する場面は少なくなります。
ゲームをしている時間だけではなく、失敗したあとに子どもが何をしているのかを見ることが一つのポイントになります。
3.少し先を予測し、計画する必要がある
三つ目は、目の前の操作だけではなく、少し先を考える必要があるゲームです。
たとえば、限られたお金や材料を何に使うのか、どの順番で進めるのか、何を先に準備しておけば後で楽になるのかを考えるゲームがあります。
このようなゲームでは、「今すぐ得をする行動」だけではなく、「このあとどうなるか」を考える必要があります。
私は、この「少し先を見る」という経験は、知育を考えるうえで大切だと思っています。目の前の出来事に反応するだけではなく、「今これをしたら次はどうなるか」と予測し、その予測をもとに行動を決めるからです。
もちろん、ゲームで計画を立てることと、勉強や日常生活で計画を立てることは同じではありません。ただ、少し先の状況を想像しながら今の行動を決めるゲームと、ほとんど考えず反射的に操作するゲームでは、子どもが経験していることは違います。
4.自分なりの工夫や創作ができる
四つ目は、正解が一つではなく、自分なりに作ったり工夫したりできることです。
Minecraftのような創作要素のあるゲームが分かりやすい例です。
「家を作る」という一つの目的でも、どんな形にするのか、どの材料を使うのか、どこに作るのかは子どもによって違います。思った通りにならなければ、一度壊して作り直すこともできます。
ここで大切なのは、「Minecraftをすれば創造力が伸びる」と決めつけないことです。
同じゲームでも、自分で「山の中に家を作ってみたい」「この材料だけで橋を作ってみよう」と条件を決めて工夫することもあれば、誰かが作ったものをそのまま再現することもあります。後者が悪いという意味ではありません。最初はまねから入り、そこから自分なりの工夫へ発展することもあります。
見るべきなのはゲーム名ではなく、子どもが自分で考えられる余白があり、実際にその余白を使っているかどうかです。
5.ゲームの外へ興味が広がる
五つ目は、私自身の経験から特にお伝えしたいことです。
私は子どもの頃、三国志を題材にしたゲームをよくしていました。最初は単純にゲームとして楽しんでいたのですが、たくさんの武将が登場するうちに、「この武将は本当にいた人物なのか」「どういう人生を送ったのだろう」と興味を持つようになりました。
そこから武将の生い立ちや中国の歴史を自分でも調べるようになり、ゲームの外にまで興味が広がっていきました。今でも中国の武将についてはかなり覚えています。
私にとって価値があったのは、「三国志のゲームをしたから頭がよくなった」ということではありません。ゲームの中で生まれた興味が、ゲームの外にある歴史へ広がったことです。
ここは、ゲームを知育につなげるうえで非常に重要な視点だと思っています。
歴史上の人物を扱うゲームから歴史へ興味を持つ子もいれば、建物を作ることから実際の建築へ興味を持つ子もいます。スポーツゲームから実際の競技を見たり、自分でもそのスポーツをやってみたくなったりする子もいるでしょう。
「ゲームの中で何を覚えたか」だけを見るのではなく、そこから「もっと知りたい」という気持ちがどこへ向かっているのかを見る。ゲームが新しい世界を知る入口になっているのであれば、そこには知育という意味でも価値があります。
RPG・パズル・アクション・シミュレーションは知育にどう違う?
ここまでお話ししたように、ゲームの知育効果をジャンルだけで決めることはできません。
ただし、ゲームの種類によって、「どのようなことを考える場面が生まれやすいか」には違いがあります。そのため、ジャンルはまったく意味がないのではなく、子どもの遊び方を見るための一つの目安として使えます。
RPGは「ストーリーがあるから知育」ではない
RPGでは、登場人物の話を聞きながら情報を集めたり、次にどこへ行けばよいか考えたりする場面があります。文章を読み、状況を把握しながら進めるゲームであれば、情報を理解して次の行動を決める経験になります。
ただし、すべてのRPGで深く考えるわけではありません。攻略サイトを見ながら、書かれている場所へ順番に行くだけなら、自分で状況を判断する場面は少なくなります。
大切なのは、「RPGだから知育になる」という分類ではなく、子どもが情報を読み、自分なりに状況を判断しているかを見ることです。
パズルゲームは試行錯誤が起きやすい
パズルゲームは、知育ゲームとしてイメージしやすいジャンルだと思います。
「ここに置いたら次はどうなるか」「この形を消すにはどこから動かせばよいか」など、先を考える必要があるゲームでは、予測や試行錯誤が起こりやすくなります。
一方で、長く遊ぶことで、そのゲーム特有のパターンを大量に覚え、ほとんど考えなくても操作できるようになることもあります。
ですから、「パズルゲームだから論理的思考力が伸びる」とゲーム名から判断するより、今その子が新しい場面に出会ったときに、どのように考え、方法を変えているのかを見る方がよいでしょう。
シミュレーションゲームは計画や選択が多い
シミュレーションゲームや戦略ゲームでは、限られた資源をどう使うか、何を先に進めるか、どこに力をかけるかなど、複数の選択肢から判断する場面が多くあります。
私が三国志などのゲームを面白いと感じていた理由の一つも、単に戦うだけではなく、「どの武将を使うか」「どこから進めるか」と考える余地があったからだと思います。
さらに、先ほどお話しした私自身の経験のように、ゲームに登場する人物や時代が、現実の歴史へ興味を持つ入口になることもあります。
ただし、「シミュレーションゲームをすれば歴史に強くなる」ということではありません。計画や選択を楽しんでいるのか、登場する世界へ興味が広がっているのかという、実際の遊び方を見ることが大切です。
アクションやシューティングを「知育にならない」と決めつけない
アクションゲームやシューティングゲームを見ると、「反射神経を使うだけなので知育には向かない」と考える方もいるかもしれません。
しかし、実際には周囲の状況を見ながら素早く判断したり、相手の行動を予測したり、失敗したあとに攻略法を変えたりするゲームもあります。友達と一緒に遊ぶ場合には、役割を決めたり、声をかけ合ったりする場面もあります。
だからといって、アクションゲームを知育目的で積極的にやらせるべきだという意味ではありません。
ジャンルは、どのような思考が起きやすいかを見る一つの目安です。「RPGだから良い」「シューティングだから悪い」とゲームの種類だけで結論を出さず、その子が実際に何を考えながら遊んでいるのかを見ることが大切です。
幼児教室ひまわりでは、ゲームについて何を見る?
幼児教室ひまわりでも、「子どもにゲームを与えて大丈夫でしょうか」「知育につながるゲームを選んだ方がよいでしょうか」「ゲームが好きなのですが、このまま続けさせてもよいでしょうか」といったご相談を実際にいただくことがあります。
そのようなとき、私たちはゲームのタイトルだけを聞いて、「このゲームなら大丈夫です」「これはやめた方がよいです」と判断することはありません。
まず見るのは、ゲームによって生活が崩れていないかです。睡眠時間が減っていないか、学校生活や家庭学習に大きな影響が出ていないか、ゲーム以外の遊びや活動がほとんどなくなっていないかを確認します。どれだけ頭を使うゲームでも、生活全体が崩れているのであれば、「知育になるから大丈夫」とは考えません。
次に見るのが、その子がゲームの中でどのように遊んでいるかです。自分で考えて進めているのか、失敗したあとに方法を変えているのか、自分なりの目的を決めて工夫しているのかを見ます。
たとえば同じ創作系のゲームでも、「今日はこんな家を作ろう」と自分で決め、必要な材料を集め、うまくいかなければ作り直している子もいます。一方で、動画で見たものをそのまま再現することを楽しんでいる子もいます。
もちろん、まねをすること自体が悪いわけではありません。最初は誰かの作り方をまねし、そこから「ここを変えてみよう」「次は自分で作ってみよう」と発展することもあります。大切なのは、表面的な行動だけで良し悪しを決めないことです。
そしてもう一つ、ゲームで生まれた興味がゲームの外へ広がっているかも見ます。
ゲームに登場した人物について調べる。建物に興味を持つ。実際のスポーツを見たくなる。「これは本当にあるの?」と親に聞く。こうした変化があれば、ゲームが新しい世界を知る入口になっている可能性があります。
つまり、幼児教室ひまわりでは、
1.生活が崩れていないか
2.ゲームの中でどう遊んでいるか
3.興味がゲームの外へ広がっているか
というように、いくつかの要素を分けて考えます。
「このゲームは知育になりますか」という質問だけでは、答えは決まりません。ゲームそのものを評価するのではなく、その子とゲームとの関係を見ることが、判断を誤らないためには大切です。
ゲームを知育につなげるために親ができる3つのこと
では、子どもがゲームをしているとき、親はどのように関わればよいのでしょうか。
ここで大切なのは、親がゲームを細かく管理したり、毎回「勉強になる遊び方」を教えたりすることではありません。
むしろ、子どもが楽しんでいる世界に少し興味を持ち、その子が何を考えながら遊んでいるのかを知ることから始める方がよいと思います。
1.「何が面白いの?」と聞いてみる
まずできるのは、子どもがそのゲームの何を面白いと思っているのかを聞くことです。
「今日は何をしたの?」
「どこが一番難しかった?」
「それ、どうやってクリアしたの?」
「なんでその作り方にしたの?」
このように聞いてみると、子どもがゲームの中で何を考えているのかが見えてきます。
ここで大切なのは、「ちゃんと考えてやっているの?」と確認するように聞かないことです。試験のように質問されると、子どもは話したくなくなります。
「そんなことができるんだ」「どうやったの?」と、親自身が興味を持って聞く方が、子どもは自然に話してくれます。
私自身もゲームが好きだったので分かりますが、自分が面白いと思っているものについて、誰かに興味を持ってもらえるのはうれしいものです。
子どもが話す中で、「最初はうまくいかなかったから、別の方法に変えた」「この材料はあとで必要だから残しておいた」といった話が出てくれば、その子がゲームの中でどんなことを考えているのかも見えてきます。
ゲームを知育につなげるために、親が何か特別なことを教える必要はありません。まずは、子どもが何を面白いと感じ、何を考えているのかを知ることが第一歩です。
2.困っていても、すぐに攻略法を教えない
子どもがゲームで行き詰まっていると、親が答えを調べたり、知っている攻略法を教えたりしたくなることがあります。
しかし、知育という視点から考えるなら、少し待ってみてもよい場面です。
「どうしたらいけそう?」
「さっきは、どこでうまくいかなかった?」
「別の方法はありそう?」
と聞いてみます。
もちろん、ずっと分からずにイライラしているのであれば、ヒントを出しても構いません。ただ、最初から答えを教えるのではなく、子どもが自分で試せる余地を少し残します。
これは、家庭で勉強を見るときにも似ています。
子どもが問題で止まっていると、大人はすぐに答えや解き方を教えたくなります。しかし、考える力を育てたいのであれば、「答えを知ること」だけではなく、「自分で試して気づくこと」も大切です。
ゲームは、失敗しても何度もやり直せるものが多くあります。
だからこそ、うまくいかなかったときにすぐ正解を渡すのではなく、「次はどうする?」と考える時間を少し残す。その方が、ゲームの中にある試行錯誤の良さを生かしやすくなります。
3.ゲームの外へ興味が広がったら、一緒に広げてみる
子どもがゲームの中で何かに興味を持ったら、その興味をゲームの外へ広げてみるのもよいでしょう。
歴史を扱ったゲームなら、実際の人物や時代について調べてみる。ゲームに出てきたお城が気になったら、本物のお城の写真を見てみる。建物を作ることが好きなら、「本物の高い建物はどうやって倒れないようにしているのだろう」と話してみる。スポーツゲームが好きなら、実際の試合を一緒に見てみる。
そうすると、ゲームの中だけで終わっていた興味が、現実の世界へつながっていくことがあります。
ただし、ここで気をつけたいのは、何でもすぐに勉強へ変えようとしないことです。
子どもがゲームで魚を見たからといって、「では魚の図鑑を読みなさい」と毎回教材につなげる必要はありません。
親が先回りして「学ばせよう」とすると、子ども自身から生まれた興味が、「やらされる勉強」に変わってしまうことがあります。
子どもが「これって本当にあるの?」と聞いてきたときに、「一緒に調べてみる?」と声をかける。そのくらいでも十分です。
大切なのは、ゲームを教材に変えることではありません。
ゲームから生まれた「もっと知りたい」という気持ちを、必要なときに現実の世界へつなげてあげることです。
ゲーム時間や依存の問題は「知育になるか」と分けて考える
ここまで、ゲームを知育という観点から見てきました。
ただし、「このゲームには考える要素がある」ということと、「好きなだけ遊ばせても問題ない」ということは別です。
どれだけ頭を使うゲームであっても、ゲームによって睡眠時間が短くなっている、学校生活や家庭学習に影響が出ている、約束した時間になってもなかなか切り替えられない、ゲーム以外の活動がほとんどなくなっている、といった状態であれば、知育効果とは分けて考える必要があります。
反対に、娯楽として遊んでいるゲームだからといって、それだけで悪いと判断する必要もありません。
つまり、
「そのゲームから何を経験できるか」と「ゲームと生活のバランスを保てているか」は、別の問題です。
ここを混ぜてしまうと、「知育ゲームだから長く遊んでも大丈夫」「教育的ではないゲームだからやめさせた方がよい」と、またゲームの種類だけで判断してしまいます。
ゲーム時間について考えるときは、「何時間なら絶対に安全か」という数字だけを見るのではなく、睡眠、学習、運動、家族との時間など、生活全体にどのような影響が出ているかを見ることが大切です。
また、ゲームをやめることが極端に難しくなっている、ゲームを優先することで日常生活に大きな支障が出ているといった状態が続く場合には、単なる「ゲーム好き」と決めつけず、必要に応じて専門家へ相談することも考えてください。
ゲームを知育につなげることと、ゲームとの付き合い方を整えることは、分けて考える。その方が、保護者の方も冷静に判断しやすくなります。
まとめ|子供の知育では「何のゲームか」より「どう遊ぶか」を見る
子供のゲームを知育につなげたいと考えると、「パズルゲームがよいのか」「RPGがよいのか」「Minecraftのような創作系ゲームがよいのか」と、どのゲームを選ぶべきかが気になると思います。
もちろん、ゲームの種類によって、経験しやすいことには違いがあります。
しかし、本当に見てほしいのはゲームの名前だけではありません。
自分で考えているか。失敗したあとに方法を変えているか。自分なりに工夫しているか。そして、ゲームで生まれた興味が、ときには現実の世界へ広がっているか。
私自身にも、ゲームをきっかけに歴史への興味が大きく広がった経験があります。一方で、特に何かを学ぼうとせず、ただ楽しく遊んでいただけの時間もたくさんありました。
だからこそ、ゲームをすべて悪いものとして遠ざける必要もなければ、「頭を使うゲームだから」と教育効果を期待しすぎる必要もないと考えています。
大切なのは、
「何のゲームを与えるか」で判断を終わらせず、その子がゲームの中で何を考え、ゲームとどのように付き合っているかを見ることです。
ゲームは、それだけで子どもを賢くするものではありません。
しかし、自分で考え、試し、工夫し、そこから「もっと知りたい」と興味を広げるきっかけになることはあります。
ゲームを知育という視点から考えるときには、ゲームそのものを良い・悪いで評価するのではなく、そのゲームを通して、今この子がどんな経験をしているのかを見ることを大切にしていただければと思います。
このページでは「子供の知育とテレビゲーム」という点についてお話しましたが、幼児教室ひまわりでは、お子さまの脳を鍛える具体的な方法や難関中学に合格するための勉強法などを、オンライン講座やメールマガジンで公開しています。
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