医学部卒業後、一人前の医者になるまでの流れ
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月02日
幼児教室ひまわりでは、子供を医学部や灘中学に合格させた親が講師となり、子供を医者にしたり、トップレベルの学歴を目指すための早期教育のやり方(主に11歳まで)を指導しています。
また、塾長の私も灘中学、大阪大学医学部を卒業した経験を持っているので、その体験をもとに教育法をアドバイスしています。
(私たちの教室の講師陣はこちらのページでご紹介しています。)
医学部を卒業し、医師国家試験に合格したからと言って、すぐに一人前の医者として働けるわけではありません。
医師としての経験が無いわけですから、実践の場では診療を行うことはできません。
それでは、医師国家試験に合格してから、どのような流れで、一人前の医者になるのでしょうか?
大阪大学を卒業し、実際に医者になった私が「医者になるまでの流れ」をわかりやすくご説明させていただきます。
テレビなどで見てご存じの方も多いかと思いますが・・・医師国家試験に合格したら、まずは研修医という役職になります。
私が研修医だった10年前と、今ではその制度は異なるのですが、このページでは今の制度についてご紹介したいと思います。
今の時代では、スーパーローテーションという制度があり、医者になってからの2年間は様々な科を回っていきます。
具体的には、「内科」「外科」「小児科」「産婦人科」など・・・それぞれの科について実際に医師として診療に携わり、経験を積みます。
各科3ヶ月間前後の研修を行い、初歩的な手技を経験したり、先輩医師の手伝いをします。
たとえば大学病院の場合は、看護師さんに代わって採血を行ったり、点滴を入れたりなど・・・簡単な手技から始まり、徐々に医者としての道を歩んでいきます。
研修医の勤務時間は、公式には9時~17時と言われていますが、本当はもっと長いです。
たとえば私の場合は、6時半くらいから23時まで働いていました。
かなりハードなスケジュールのなかで自分の腕を磨き、一人前の医者になっていくのです。
(本当は労働基準法違反だと思うのですが、これくらいのことで文句をいう医者は、医者の世界から仲間はずれになってしまいます。)
研修医の毎日の仕事はこんな感じです
一日の中でのスケジュールは、以下のような感じです。
6時半~7時半 採血
7時半~8時半 患者さんの診察
8時半~9時 朝食
9時~10時 上級医師の指導のもと、治療計画を立てる
10時~12時 各検査などのサポート
12時~12時半 昼食、小休止
午後 内科:採血や検査の結果をもとに看護師さんに治療方針を指示する
外科:手術に入る
17時頃~ カンファレンス(それぞれの担当医が症例を出し合って会議を行う)
20時頃~ カルテのまとめを行ったり、病気に関して論文などを読む
22時頃~ 退院した患者さんの資料をまとめたり、明日の手技の準備
23時 病院から出る
このような流れで、研修医の一日は過ぎていきます。
平日だけではなく、土日も病院での勤務は続き、本当に休めるのは年に数回です。
私も研修医時代に、直属の上司から、「君の夏休みは7月26日(土)の午後だよ」と言われたのを、今でも覚えています。
(研修医の夏休みはたったの半日だけなのです。その日は直属の上司の先生が、自分の患者さんを看てくれるのです)
【参考情報】研修医の一日
研修医が終わった後も、勉強は続きます
こんな生活をして2年間を経たのち、ある程度の診療ができるようになります。
3年目からは、病院での診察を一人で受け持つようになり、4年目になると腹痛や頭痛などの一般的な疾患であれば、一人で対処することができるようになっていきます。
もちろん研修医が終わったからといって、勉強がすべて終わるわけではありません。
一人前の医者になったあとも、最新の治療を習得するために、日々勉強をしていく必要があります。
以上、このページでは医者になるまでの流れについてご紹介させて頂きました。
医学部時代もかなり大変ですが、医師国家試験に合格してからも、努力し続けなければなりません。
幼少時代から、一人前の医者になるまで・・・その勉強は20年以上続きます。
医者というのは途中で投げ出すことなく、我慢強く勉強し続ける子だけがつける職業だと言えるでしょう。
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