子供を医者にするには?医者になる子の共通点と親の関わり方
最終更新日 2026年06月10日
記事執筆者:熊野貴文
こんにちは、幼児教室ひまわり塾長の熊野です。私は灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部へ進学し、その後医師になりました。
また、これまで多くの親御さんの教育相談に関わる中で、「子どもを医者にするにはどうすれば良いのでしょうか?」「子どもを医者にしたいのですが、何か特別なことをしなければいけませんか?」「何歳くらいから勉強を始めれば間に合いますか?」「幼児教育は必要ですか?」「中学受験は必須なのでしょうか?」といったご相談を数多く受けてきました。
実際、医者という職業は社会的にも特別な存在です。医学部受験は難関ですし、一部の学校の医学部に関しては、「東大より難しい」と言われています。
そのため、「医者になるには、何か特別な教育が必要なのではないか」「小さい頃から先取り教育をしなければ間に合わないのではないか」「普通の子育てでは難しいのではないか」と感じる親御さんも少なくありません。
しかし、最初に結論をお伝えすると、医学部に合格する子に共通しているのは、「特別な教育」ではありません。もちろん、幼児教育や中学受験が役立つことはあります。
実際、私自身も幼少期から公文式に通っていましたし、灘中学や大阪大学医学部には、幼少期から勉強に取り組んできた人がたくさんいました。
ただ、それはあくまで手段の一つです。私が実際に医学部へ進学し、多くの医学部生や医師を見てきた中で感じるのは、本当に重要なのは、「長期間学び続ける力」を身につけていることだということです。
【この記事で分かること】
- 子供を医者にするには本当に何が必要なのか
- 医者になる子の共通点と特徴
- 医者になる子の幼少期に見られる習慣
- 医者になる子の親に共通する考え方
- 医者になるには何歳から勉強を始めれば良いのか
- 幼児教育や公文式は本当に必要なのか
- 中学受験や進学校が有利と言われる理由
- 医学部に合格する子が持っている「自学力」とは何か
- 親御さんがやってしまいがちな落とし穴
- 医者になるために本当に育てたい力とは何か
一方で、親御さんが無意識に思ってしまうのが、「医者になるには、特別な教育や特別な才能が必要だ」ということです。
すると、「どの教材が良いのか?」「どの塾へ行くべきか?」「何歳から始めるべきか?」ばかりに意識が向きやすくなります。その結果、子どもが学ぶことを好きになる前に、やらされる勉強ばかりが増え、長期的には自分で学ぶ力が弱くなってしまうこともあります。
ですから、教材や塾などを考える前に、
・学ぶことを習慣にすること
・考える力を育てること
・継続して努力できること
の方が、長い目で見ると遥かに重要です。
今回の記事では、医者になるまでの道のり、医学部に合格する子に共通する特徴、幼少期からどのような力を育てるべきか、中学受験や進学校はなぜ有利なのかについて、実際に医師になった経験や、これまで多くのご家庭を見てきた経験を踏まえながら整理していきます。
医者になるまでの道のり
まずは、医者になるためにどのような道のりをたどるのかを整理しておきましょう。
親御さんの中には、「医者になるには何が一番大変なのですか?」「医学部に入れば本当に医者になれるのですか?」「いつ頃から本格的に勉強を始めれば良いのでしょうか?」といった疑問を持たれる方もいらっしゃいます。
結論から言うと、医者になるための最大の関門は、医学部に合格することです。
実際、医者になるためには、下記のような流れで進学する必要があります。
【医者になるまでの道のり】
医学部へ進学
↓
6年間学ぶ
↓
医師国家試験に合格する
↓
医師になる
もちろん、医学部へ入学した後も勉強は大変です。しかし、医師国家試験の合格率は比較的高く、多くの学生が医師になります。
(参考:厚生労働省の令和8年のデータによると、医師国家試験の合格率は91.6%です)
そのため、「医者になれるかどうか」を大きく左右するのは、「医学部へ合格できるかどうか」と言ってよいでしょう。
ただ、ここで親御さんが気になりやすいのは、「医学部に合格する子は、やはり特別な教育を受けているのではないか」ということです。
実際、教育相談でも、「幼児教室はどこへ行けば良いですか?」「公文式は何歳から始めるべきですか?」「医学部へ行く子はみんな小さい頃から特別な教育を受けているのでしょうか?」といったご質問をいただくことがあります。
親御さんとしては、「何か特別なことをしなければ間に合わないのではないか」という不安があるのでしょう。
私も実際に医者になった立場として、そのお気持ちはよく分かります。しかし、私自身が大阪大学医学部へ進学し、その後多くの医学部生や医師と接してきた経験から感じるのは、医学部に合格する子が、必ずしも特別な教育だけで育ってきたわけではないということです。
医学部の同級生の中には、小さい頃から特別な英才教育を受けていたというより、毎日決まった時間に机に向かうことが当たり前になっていた人が多くいました。
ある同級生は、「親に勉強しなさいと言われた記憶はあまりないけれど、家に本が多く、分からないことを調べるのが普通だった」と話していました。
また別の同級生は、公立中学校、公立高校の出身ですが、「おじいちゃんと将棋をしながら科学の話をするのが好きで今でも思い出に残っている」と言っていました。
もちろん、幼少期から公文式や塾に通っていた人もたくさんいました。しかし、それ以上に共通していたのは、学ぶことが習慣になっていたことでした。また、私が見てきた限りでは、医者になる子の親には、「結果よりも学ぶ姿勢を大切にする」という共通点もありました。
実際、私が大阪大学医学部で出会った同級生たちも、全員が幼少期から天才だったわけではありません。むしろ、毎日コツコツ勉強する、分からない問題を放置しない、読書習慣がある、受験直前だけでなく何年も勉強を続けているというような生徒が多かった印象があります。
一見すると地味に見えるかもしれません。しかし、医学部受験では、こうした積み重ねが最終的に非常に大きな差になります。
私自身も振り返ってみると、医学部合格までの道のりで本当に大切だったのは、特別な勉強法を知っていたことではなく、長い期間、勉強を続けられたことだったように思います。
だからこそ、医者になるために最初に考えるべきなのは、「どんな特別な教育を受けさせるか」ではなく、「どうすれば学び続ける力を育てられるか」なのです。
その視点を持つことで、この後お話しする幼少期の教育や中学受験、進学校の意味も見えやすくなってきます。
医者になる子の幼少期に共通すること
ここまでお話してきたように、医学部に合格する子たちに共通しているのは、「特別な才能」よりも「学び続ける習慣」です。では、その習慣はいつ頃から作られていくのでしょうか?
実際、私自身や医学部の同級生たちを振り返ってみると、医者になる子の共通点として、幼少期の過ごし方にはいくつか特徴がありました。
その代表的なものが、
・読書習慣
・公文式などの幼児教育
・先取り学習
・親子で学ぶ時間
などです。
ただ、ここで誤解してほしくないことがあります。それは、「公文式をやれば医者になれる」という話ではないということです。
実際、私自身も4歳の頃から公文式に通っていました。灘中学や大阪大学医学部の同級生にも、公文式を経験していた人はたくさんいました。しかし、それはあくまで結果として共通していただけであって、公文式そのものが医学部合格を保証していたわけではありません。
むしろ私が重要だと思うのは、「学ぶことが当たり前の環境があった」という点です。たとえば、私の場合は幼い頃から、「勉強しなさい」と強く言われていた記憶はあまりありません。
その代わり、本を読むことや、新しいことを知ること、公文式の教材に取り組むことが、ごく自然に生活の中にありました。
つまり、勉強は特別なことではなく、「日常の一部」だったのです。
実際、医学部へ進学した人たちを見ても、幼少期から毎日何時間も勉強していたという人ばかりではありません。
しかし、本を読む習慣がある、知的好奇心が強い、学ぶことへの抵抗感が少ないという人は非常に多かった印象があります。
ここで親御さんが無意識にやってしまいやすいのが、「何をやらせるか」ばかりに意識が向いてしまうことです。
たとえば、「公文式をやらせた方が良いのか」「英語を先取りした方が良いのか」「幼児教室へ通わせるべきか」と考えることは多いでしょう。
もちろん、それらは決して悪いことではありません。しかし、「周りの子より先へ進ませなければ」「もっと教材を増やした方が良いのではないか」と考え、次々に教材や習い事を増やしてしまうのは注意が必要です。
学ぶことを好きになる前に、「やらされる勉強」が増えてしまうことがあるからです。
実際、以前ご相談を受けたご家庭では、公文式、英語教室、通信教材、幼児教室など、幼少期からさまざまな教材に取り組んでいました。
小学校低学年までは順調で、周囲からも「すごいですね」「先取りができていますね」と言われていたそうです。
しかし、高学年になるにつれて少しずつ勉強への意欲が下がり、「言われたことはやるけれど、自分からは勉強しない」状態になってしまいました。お母さまも後になって、「学力を伸ばすことばかり考えていて、学ぶことを好きになる環境づくりが後回しになっていたかもしれません」とおっしゃっていました。
これは決して珍しいケースではありません。
幼少期の教育で本当に重要なのは、「どれだけ先へ進んだか」ではなく、「学ぶことを好きになれたか」だからです。
実際、幼少期の教育で重要なのは、何か特別な知識を身につけることではありません。学ぶことへの抵抗感を減らし、「できた」「分かった」「もっと知りたい」という成功体験を積み重ねることです。
その積み重ねが、小学校、中学校、高校、そして医学部受験へとつながっていきます。
だからこそ、医者になる子の幼少期に共通しているのは、特別な教材でも、特別な教育法でもなく、「学ぶことが自然に続く環境」だったのではないかと私は感じています。私は、医者になる子の育て方で最も大切なのは、「学ぶことを好きになれる環境を作ること」だと考えています。
本記事のまとめ:医者になるために本当に必要な力
ここまで、幼少期の教育、公文式、中学受験、進学校についてお話してきました。
しかし、もし私が「医者になるために最も重要な力を一つだけ挙げてください」と聞かれたら、迷わずこう答えると思います。
それは、「長期間学び続ける力」です。
実際、医学部受験は短距離走ではありません。幼少期から始まり、小学校、中学校、高校、そして大学受験まで、10年以上にわたって勉強を続ける必要があります。また、医学部に入ってからも6年間、その後も医師として成長し続ける必要があります。
そのため、一時的に頑張れることよりも、毎日少しずつ積み重ねられることの方が重要になります。
私自身も、灘中学受験、灘高校、大阪大学医学部受験、医師国家試験と経験してきましたが、振り返ってみると、「特別な勉強法を知っていたから合格できた」とは思いません。
むしろ、
・毎日勉強する
・分からない問題を放置しない
・本を読む
・考える
ということを続けていた結果だったように思います。
実際、大阪大学医学部の同級生たちを見ても、みんなが天才だったわけではありません。しかし、勉強を続けることが当たり前になっていました。
だからこそ、難しい問題が出ても、模試の結果が悪くても、すぐに諦めません。
また、医学部に合格する子たちには、自分で学ぶ力もあります。誰かに言われたから勉強するのではなく、自分で課題を見つけ、自分で考え、自分で改善していくという「自学力」を備えています。
高校生になると、親が隣で勉強を見てあげることは難しくなります。大学受験では、最終的に自分一人で勉強を進めなければなりません。
そのため、学年が上がるほど、「何を勉強するか」以上に、「自分で学べるか」が重要になってきます。
ここで親御さんが無意識にやってしまいやすいのが、「勉強しなさい」「もっと頑張りなさい」と結果ばかりを求めてしまうことです。
もちろん、子どものことを思えばこその声かけです。しかし、親に言われた時だけ勉強する状態が続くと、自分で学ぶ力が育ちにくくなることがあります。
医学部受験のような長い戦いでは、「言われたから勉強する子」よりも、「自分で必要性を感じて勉強できる子」の方が、最終的には強くなりやすいのです。
そして、その土台になるのが、幼少期からの学習習慣です。
もちろん、医学部受験では学力が必要です。しかし、その学力も一日で身につくものではありません。長い年月をかけて積み上げていくものです。
だからこそ、医者になるために本当に必要なのは、特別な才能でも、特別な教材でも、特別な教育法でもありません。学ぶことを習慣にし、考える力を育て、自分で学び続けられるようになることです。
そして、その力は特別な子だけが持っているものではありません。幼少期からの関わり方や家庭環境によって、少しずつ育てていくことができるものなのです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回お伝えしたように、医者になるために本当に重要なのは、特別な教材や特別な教育法ではありません。学ぶことを習慣にし、考える力を育て、自分で学び続けられる力を身につけることです。
そして実は、この考え方は医学部受験だけに限った話ではありません。
子育てをしていると、
・幼児教育は必要なのか
・中学受験をするべきか
・どの塾を選べば良いのか
・習い事は続けるべきか
・どこまで親が手をかけるべきか
など、正解のない判断の連続です。
実際、教育で成果を出しているご家庭ほど、「どの教材が良いか」ではなく、「今のわが子に必要な力は何か」という視点で判断されています。
当教室のメールマガジンでは、こうした教育の判断について、実際のご家庭の事例や教育相談の内容も交えながら、「どのように考えれば、将来につながる選択ができるのか」という視点を詳しくお伝えしています。
医者になることだけを目標にするのではなく、
「将来どのような進路を選んでも困らない力を育てたい」
「今の関わり方で本当に良いのか知りたい」
という方は、ぜひ参考になさってください。
この記事を読まれた方にオススメのコラム









