子供が勉強嫌いになる原因|勉強を嫌がる時に親が見落とすこと
最終更新日 2026年07月03日
記事執筆者:熊野貴文
「子供が勉強を嫌がるようになってしまいました」
「宿題を始めるまでに、毎日時間がかかります」
「勉強しなさいと言うと、すぐに不機嫌になります」
「このままうちの子供が勉強嫌いになってしまわないか心配です」
幼児教室ひまわりでも、保護者の方からこのようなご相談をいただくことがあります。
子供が勉強しない姿を見ると、保護者の方は不安になると思います。急に子供が勉強嫌いになったように見えて、不安になる方もいるでしょう。小学生が勉強を嫌がる、小学生が勉強しない状態が続いていて大丈夫なのか。今のうちに習慣をつけないと、後で困るのではないか。どう声をかければ、机に向かうようになるのか。そう悩むのは、とても自然なことです。
ただし、ここで最初に考えたいことがあります。
子供が勉強嫌いに見えるとき、まず見るべきなのは「どうすれば勉強するか」だけではありません。勉強が、分からない不安、失敗した記憶、怒られる怖さ、比べられる苦しさと結びついていないかを見ることです。
子どもは、勉強そのものを嫌がっているように見えて、実は勉強中に感じる嫌な気持ちを避けていることがあります。
たとえば、問題が分からない。間違えると怒られる。兄弟や友達と比べられる。頑張っても認めてもらえない。親に見られていると緊張する。そうした経験が重なると、子どもにとって勉強は「分かった」「できた」と感じる時間ではなく、「嫌な気持ちになる時間」になってしまいます。
その状態で、「勉強しなさい」「ちゃんとやりなさい」と声をかけても、子供はなかなか前向きになれません。むしろ、勉強を避けようとする気持ちが強くなることがあります。
勉強嫌いを克服するには、勉強をさせる方法を増やす前に、まず勉強に対する嫌な感情をほどいていくことが大切です。
この記事では、子供が勉強嫌いになる原因、親が見落としやすい判断ミス、勉強嫌いを克服するための声かけと関わり方についてお伝えします。
【この記事で分かること】
- 子供が勉強嫌いになる本当の原因
- 子供が勉強や宿題を嫌がるときに起きていること
- 勉強そのものではなく、嫌な気持ちを避けている場合がある理由
- 子供が勉強嫌いになる主な5つの原因
- 勉強嫌いな子に親が見落としやすい関わり方
- 「勉強しなさい」が逆効果になることがある理由
- 勉強嫌いを克服・改善するための声かけ
- 短時間で成功体験を作る家庭での関わり方
- 子供が安心して間違えられる勉強環境の作り方
子どもは本当に「勉強そのもの」が嫌いなのか
子どもが勉強を嫌がると、親はつい「この子は勉強が嫌いなんだ」と考えます。
もちろん、勉強より遊びたい、ゲームをしたい、動画を見たいという気持ちは多くの子どもにあります。勉強より楽しいものが目の前にあれば、そちらに気持ちが向くのは自然なことです。
ただ、子どもが強く勉強を嫌がるとき、それを単に「勉強そのものが嫌い」と決めつけてしまうと、本当の原因が見えにくくなります。
多くの子どもは、遊びや日常の中では、知ることや、できるようになることに喜びを感じています。「これは何?」「どうして?」「もう一回やりたい」と言いながら、遊びの中でたくさんのことを学んでいます。新しいことを知ることは、本来、子どもにとっておもしろい体験にもなります。
それなのに、学校の勉強や家庭学習になると急に嫌がる。宿題の時間になると不機嫌になる。子供が宿題を嫌がる、子供が宿題をやらないように見える。問題集を開くと逃げようとする。こうした場合、子どもは勉強そのものというより、勉強や宿題にまつわる嫌な経験を避けている可能性があります。
勉強が嫌いというより、嫌な気持ちを避けていることがある
子どもが勉強を嫌がる背景には、いくつもの感情があります。
問題が分からない不安。間違えたときの恥ずかしさ。親に怒られる怖さ。兄弟や友達と比べられる苦しさ。できない自分を見せたくない気持ち。自分のタイミングではなく、やらされている感覚。
こうした感情が積み重なると、子どもにとって勉強は「嫌な気持ちになるもの」になります。
この状態で親が「どうすれば勉強させられるか」だけを考えると、声かけはどうしても指示や管理になりやすくなります。
「早く宿題をしなさい」
「なんでまだやっていないの」
「これくらいできるでしょ」
「お兄ちゃんはできていたよ」
このような言葉は、親にとっては勉強に向かわせるための声かけかもしれません。しかし、子どもには「また責められる」「また比べられる」「できない自分を見られる」と伝わることがあります。
勉強嫌いを克服するために大切なのは、まず「何が嫌なのか」を見ることです。
勉強そのものが嫌なのか。分からないことが嫌なのか。間違えるのが怖いのか。親に見られると緊張するのか。比べられることがつらいのか。
ここを見ていくと、必要な関わり方が変わります。
勉強嫌いを克服するために大切なのは、まず「何が嫌なのか」を見ることです。
勉強そのものが嫌なのか。分からないことが嫌なのか。間違えるのが怖いのか。親に見られると緊張するのか。比べられることがつらいのか。
ここを見ていくと、必要な関わり方が変わります。
子どもが勉強嫌いになる主な原因
子どもが勉強嫌いになる原因は、一つではありません。勉強嫌いに見える小学生でも、元々の性格だけで決まるものではありません。
幼児教室ひまわりでも、勉強を嫌がるというご相談を受けるときには、最初から「勉強時間を増やしましょう」とはお伝えしていません。小学生の勉強嫌いの原因や、小学生が勉強しない原因を見るときも、まず、お子さまが何を嫌がっているのかを見ます。
問題が分からないのか。
間違えることが怖いのか。
親に見られると緊張するのか。
比べられて自信をなくしているのか。
そこを見ないまま勉強量だけを増やしても、勉強への抵抗感が強くなることがあるからです。
実際のご相談でも、「小学生が宿題を嫌がる」「小学生が宿題をやらない状態が続く」というお悩みをいただいたことがあります。そのお子さまは、宿題を始めるまでに毎日時間がかかり、声をかけるたびに親子げんかになっていました。
最初は、保護者の方も「やる気がないのではないか」「勉強習慣が足りないのではないか」と感じておられました。けれども話を聞いていくと、そのお子さまは勉強そのものが嫌いというより、分からない問題が出たときに親に見られていることが苦しく、間違える前から緊張して手が止まっている状態でした。
この場合、必要なのは勉強時間を増やすことではありません。まず、最初の1問だけ一緒に確認する、間違えてもすぐに責めない、短い時間で終われる課題にするなど、勉強への不安を下げる関わりが必要です。
ここでは、家庭や教室でよく見られる原因を整理していきます。
1. 分からない状態が続いている
子どもが勉強を嫌がる大きな原因の一つは、「分からない状態」が続いていることです。
ここでいう「分からない」は、勉強内容が理解できないという意味だけではありません。何が分からないのか分からない。どこから始めればよいのか分からない。勉強のやり方が分からない。間違えたあと、どう直せばよいのか分からない。こうした状態も含まれます。
子どもは、分からない状態が続くと、「自分は勉強が苦手なんだ」と感じやすくなります。最初は少しつまずいただけでも、それが何度も続くと、勉強するたびに「できない自分」を確認する時間になってしまいます。
この感覚が続くと、子どもは勉強に向かう前から嫌な気持ちになります。
「どうせ分からない」
「また間違える」
「やってもできない」
このように感じるようになると、勉強を避けることは、子どもにとって自分を守る行動にもなります。
2. 間違えることが怖くなっている
勉強嫌いの背景には、間違えることへの怖さがある場合もあります。
子どもは間違えながら学びます。間違えること自体は悪いことではありません。むしろ、どこでつまずいているかを知るために大切なものです。
しかし、間違えたときに強く叱られたり、ため息をつかれたり、「どうして分からないの」と言われたりすると、子どもにとって間違いは学びのきっかけではなく、責められるきっかけになってしまいます。
特に親子で勉強していると、親はよかれと思って直しているだけでも、子どもには強いプレッシャーになることがあります。親の表情、声のトーン、赤ペンの入れ方、説明の長さ。そうしたものが積み重なると、子どもは「勉強すると怒られる」と感じやすくなります。
実際に、問題を解く前から「どうせ間違える」と言って、鉛筆を持つことを嫌がるお子さまもいます。詳しく聞くと、以前は間違えたあとに何度も説明され、そのたびに「まだ分からないの?」と言われることがつらくなっていた、ということがありました。
このような場合、子どもは問題そのものよりも、「間違えたあとに責められる時間」を避けようとしていることがあります。だからこそ、勉強嫌いを克服するには、正解を急がせる前に、安心して間違えられる空気を作ることが大切です。
3. 勉強を強制されて、やらされる感覚が強くなっている
「勉強しなさい」
「宿題をやりなさい」
「今すぐやりなさい」
「勉強しないと後で困るよ」
こうした声かけが続くと、子どもにとって勉強は自分のためのものではなく、親に管理されるものになりやすいです。
もちろん、保護者の方は子どもを困らせたくて言っているわけではありません。宿題を終わらせてほしい。将来困らないようにしてほしい。学習習慣をつけてほしい。そう思って声をかけているはずです。
しかし、子どもの側から見ると、「勉強しなさい」は命令に聞こえることがあります。自分のタイミングで始めようとしていたのに、横から言われたことでやる気がなくなることもあります。
勉強が「自分で取り組むもの」ではなく、「親にやらされるもの」になると、子どもは反発しやすくなります。
4. 周囲と比較されて自信をなくしている
兄弟や友達と比べられることも、勉強嫌いにつながることがあります。
「お兄ちゃんはもっとできていた」
「同じクラスの子はもう終わっている」
「〇〇ちゃんを見習いなさい」
こうした言葉は、子どもにとって大きな負担になります。
親は発奮させたいと思って言っているかもしれません。しかし、子どもには「自分はできない」「頑張っても認められない」と伝わることがあります。
特に、努力しているのに結果が出ていない子にとって、比較されることは強い劣等感につながります。勉強するたびに誰かと比べられるなら、勉強そのものを避けたくなるのも自然です。
勉強嫌いを克服するには、他の子と比べるのではなく、その子自身の変化を見ることが大切です。
昨日より少し早く始められた。分からないところを聞けた。間違いを直そうとした。5分だけでも机に向かえた。こうした小さな変化を見ていくことが、子どもの自信につながります。
5. 勉強しても「できた」という感覚が少ない
勉強嫌いの子どもは、勉強の中で「できた」という感覚を十分に味わえていないことがあります。
机に向かったのに分からない。問題を解いたのに間違える。頑張ったのに注意される。宿題を終わらせても、次の課題が出てくる。
このような経験が続くと、勉強は達成感のあるものではなく、終わりのない苦しい時間に感じられます。
子どもが勉強を好きになるためには、大きな成功でなくても構いません。
1問できた。昨日より少し集中できた。分からないところを聞けた。間違いを直せた。短い時間でも最後までできた。
こうした小さな成功体験が必要です。
勉強嫌いを克服するときには、まず「勉強したあとに、子どもの中にどんな感情が残るか」を意識してみてください。
子どもが勉強嫌いなときに親が見落としやすいこと
子どもが勉強嫌いに見えるとき、親はどうしても「どうすれば勉強させられるか」を考えます。
どう声をかければ机に向かうのか。どうすれば宿題を始めるのか。どう褒めればやる気が出るのか。どうすれば勉強習慣がつくのか。
もちろん、それも大切です。
ただし、その前に見たいのは、子どもにとって勉強がどんな感情と結びついているかです。
ここでは、子どもが勉強嫌いなときに親が見落としやすいことを整理します。
勉強そのものが嫌いなのだと思ってしまう
子どもが勉強を嫌がると、親は「この子は勉強が嫌いなんだ」と感じます。
しかし、子どもが嫌がっているのは、勉強そのものではないことがあります。
分からない状態が嫌なのかもしれません。間違えることが怖いのかもしれません。親に見られると緊張するのかもしれません。比べられることがつらいのかもしれません。できない自分を見せるのが苦しいのかもしれません。
ここを見ずに「勉強嫌いな子」と決めつけてしまうと、必要な関わり方が見えにくくなります。
勉強嫌いを克服する第一歩は、子どもを机に向かわせることではありません。まず、何を嫌がっているのかを見ることです。
「勉強しなさい」は言わない方がいいと思ってしまう
「勉強しなさい」という声かけが逆効果になることはあります。命令されているように感じたり、管理されているように感じたりして、子どもが反発することもあります。
ただし、「勉強しなさい」は言わない方がいいと決めつければ、それだけで勉強嫌いが克服できるわけではありません。
大切なのは、言葉をやめることだけではなく、子どもがどこで困っているのかを見ることです。
何が分からないのか。どの場面で嫌になるのか。親がそばにいると緊張するのか。間違えたときにどんな反応をするのか。どの声かけで不機嫌になるのか。
こうした様子を見ることで、必要な関わり方が分かります。
「勉強しなさい」をただ我慢するのではなく、「どこで困っている?」「何から始める?」「一緒に最初だけ確認する?」という問いかけに変えていくことが大切です。
褒めれば勉強への気持ちが戻ると思ってしまう
勉強嫌いを克服するために、子どもを褒めることは大切です。
ただし、何でも大げさに褒めればよいわけではありません。
「すごいね」
「えらいね」
「天才だね」
このような言葉も、子どもによっては励みになります。しかし、勉強に対して不安が強い子の場合、大げさに褒められることで「次もできなければいけない」とプレッシャーに感じることがあります。
また、結果だけを褒めると、子どもは「点数がよいときだけ認められる」「正解したときだけ褒められる」と感じてしまうこともあります。
大切なのは、結果や素質だけではなく、行動や過程を具体的に認めることです。
たとえば、
「今日は自分から始められたね」
「分からないところを聞けたね」
「間違えたところを直そうとしたね」
「昨日より集中できたね」
「最後まで投げ出さずに取り組めたね」
このように、子どもが実際にした行動を言葉にすると、子どもは「自分は少しずつできている」と感じやすくなります。
勉強嫌いの子に必要なのは、大きな成功だけではありません。小さな前進を見つけてもらうことです。
勉強時間を作れば、勉強嫌いが克服できると思ってしまう
勉強嫌いを克服するには、学習習慣を作ることも大切です。
ただし、勉強嫌いの子に、いきなり長い時間の勉強を求めると逆効果になることがあります。
勉強に嫌な感情が結びついている子にとって、長時間の学習は大きな負担です。机に向かう前から気持ちが重くなり、始めるまでに時間がかかり、途中で親子の言い合いになってしまうこともあります。
最初から30分、1時間を目指す必要はありません。
まずは、5分でも、1問でも、プリント半分でも構いません。大切なのは、勉強を「嫌な気持ちで終わる時間」にしないことです。
「思ったよりできた」
「今日はすぐ終わった」
「1問だけならできた」
「分からないところを聞けた」
このような経験を積むことが、勉強への抵抗感を少しずつ下げていきます。
勉強時間そのものより、勉強後に子どもの中にどんな感情が残るかを大切にしましょう。
親が教えれば分かるようになると思ってしまう
子どもが勉強嫌いになると、保護者の方は「自分が見てあげなければ」と感じることがあります。
親が一緒に勉強すること自体は、とても良いことです。子どものつまずきに気づきやすくなりますし、分からないところを一緒に確認することもできます。
ただし、親が教えるほど、子どもが安心するとは限りません。
親子だからこそ、感情が入りやすいことがあります。親が一生懸命になるほど、説明が長くなったり、間違いをすぐに直したくなったり、子どもの反応にイライラしてしまったりすることがあります。
その結果、子どもにとって勉強の時間が「親に怒られる時間」「できないところを見つけられる時間」になってしまうことがあります。
親の役割は、すべてを教えることではありません。
大切なのは、子どもがどこで困っているのかを見つけ、安心して考えられる状態を作ることです。
説明を増やす前に、「どこから分からなくなった?」「ここまでは分かる?」「最初の1問だけ一緒に見ようか」と声をかける。子どもが間違えたときも、すぐに責めるのではなく、「ここで考え方がずれたんだね」と一緒に確認する。
親が教えることよりも、子どもが安心して分からないと言える空気を作ることが大切です。
子供の勉強嫌いを克服・改善するための親の関わり方
ここからは、子供の勉強嫌いを克服・改善するために、子どもを無理に勉強へ向かわせる方法ではなく、勉強に対する嫌な感情を少しずつほどき、「分かった」「できた」「聞いても大丈夫」と感じられる時間を増やすための親の関わり方を見ていきます。
1. まず「何が嫌なのか」を見る
子どもが勉強を嫌がるときは、まず何を嫌がっているのかを見ます。
勉強そのものが嫌なのか。問題が分からないのが嫌なのか。間違えるのが怖いのか。親に見られるのが嫌なのか。長時間座ることがつらいのか。比べられることが嫌なのか。
原因によって、必要な関わり方は変わります。
たとえば、分からないことが嫌な子には、最初の1問を一緒に確認することが助けになります。間違えるのが怖い子には、間違えても責めない空気が必要です。長時間がつらい子には、短時間で終わる勉強から始める方がよいでしょう。
子どもを責める前に、どの場面で嫌がるのかを見てあげることが大切です。
2. 「勉強しなさい」より「どこで困っている?」と聞く
「勉強しなさい」という言葉は、子どもにとって命令に聞こえやすい言葉です。
何度も言われると、子どもは勉強そのものよりも、親に管理されることを嫌がるようになることがあります。
そのため、声かけを少し変えてみましょう。
「勉強しなさい」ではなく、
「今日は何から始める?」
「どこで困っている?」
「何分ならできそう?」
「一緒に最初の1問だけ見ようか?」
「算数と国語、どちらから始める?」
このように、子どもが自分で選べる余地を残した声かけにすると、やらされる感覚が少し減りま
す。
もちろん、それだけですぐに勉強好きになるわけではありません。しかし、親から命令される時間ではなく、自分で少し選べる時間に変わることで、勉強への抵抗感は下がりやすくなります。
3. 短時間で終わる成功体験を作る
勉強嫌いの子には、まず短時間で終わる成功体験を作ることが大切です。
いきなり長時間の勉強を求める必要はありません。5分でも、1問でも、プリント半分でも構いません。
大切なのは、「今日もできなかった」で終わらせないことです。
短くても、
「始められた」
「1問できた」
「分からないところを聞けた」
「昨日より嫌がらずに取り組めた」
「間違いを直せた」
という経験を積んでいくと、勉強への抵抗感は少しずつ変わっていきます。
勉強嫌いの子に必要なのは、最初から長い学習時間ではありません。勉強したあとに、「思ったより嫌じゃなかった」「少しできた」と感じられることです。
4. 結果ではなく、行動や過程を認める
子どもの勉強への気持ちを戻すには、結果だけでなく、行動や過程を認めることが大切です。
テストの点数や正解数だけを見ていると、子どもは「結果がよいときだけ認められる」と感じやすくなります。
もちろん、よい結果が出たときに一緒に喜ぶことは大切です。ただ、それ以上に見たいのは、結果に至るまでの行動です。
自分から始められた。分からないところを聞けた。間違えた問題を直そうとした。昨日より集中できた。最後まで投げ出さなかった。
こうした行動を具体的に認めてあげましょう。
「今日は自分から始められたね」
「分からないところを聞けたのがよかったね」
「間違いを直そうとしたね」
「昨日より集中できていたね」
このような言葉は、子どもに「勉強の中にも認めてもらえる部分がある」と感じさせます。
5. いつ勉強するかを子どもに選ばせる
勉強嫌いの子どもには、自分で決める感覚を少し持たせることも大切です。
すべてを自由に任せる必要はありません。けれども、親が一方的に「今すぐやりなさい」と決めるより、選択肢を出して子どもに選ばせる方が、やらされる感覚は減りやすくなります。
たとえば、
「宿題は夕食前とお風呂の後、どちらがよい?」
「算数と国語、どちらから始める?」
「今日は5分と10分、どちらならできそう?」
「先に音読をする?それとも計算から始める?」
このように選択肢を出すと、子どもは少しだけ自分で決めた感覚を持てます。
勉強嫌いを克服するときには、この「自分で決めた」という感覚が大切です。親にやらされているのではなく、自分で選んだ行動として勉強に向かえるようになると、抵抗感は少しずつ下がっていきます。
6. 親が教えすぎず、安心して間違えられる空気を作る
親が一緒に勉強するときに大切なのは、教えすぎないことです。
子どもが分からないと、親はつい詳しく説明したくなります。間違いを見つけると、すぐに直したくなります。けれども、親の説明が長くなるほど、子どもは聞いているだけになり、自分で考える時間を失うことがあります。
また、子供の勉強で親がイライラしていると、子どもは問題ではなく親の表情を見るようになります。そうなると、安心して考えることが難しくなります。子供の勉強への親の関わり方として大切なのは、正解を急がせることよりも、安心して考えられる空気を作ることです。
子どもが分からないときは、すぐに答えを教えるより、
「どこまでは分かる?」
「どの言葉が分かりにくい?」
「ここだけ一緒に見ようか?」
「一回間違えても大丈夫だよ」
と声をかけてみましょう。
勉強嫌いを克服するには、正解を急ぐよりも、安心して間違えられる空気を作ることが大切です。
親子で勉強するとどうしても感情的になってしまう場合は、無理に親だけで抱え込む必要はありません。学校の先生、塾、家庭教師、教材など、外部の力を借りることも選択肢です。
親がすべてを教えなければならないわけではありません。親の役割は、子どもが安心して学べる環境を整えることでもあります。
やってはいけない声かけと言い換え例
子どもが勉強嫌いなときは、声かけの内容だけでなく、子どもにどう伝わるかが大切です。
同じ意味でも、言い方を変えるだけで子どもの受け取り方は変わります。
声かけを変える目的は、子どもをうまく動かすことだけではありません。
子どもが「責められている」「比べられている」「管理されている」と感じる時間を減らし、「聞いても大丈夫」「間違えても大丈夫」と思える時間を増やすことです。
勉強嫌いを克服するときに注意したいこと
勉強嫌いを克服しようとすると、保護者の方は「早く勉強好きにしなければ」と考えるかもしれません。
しかし、勉強への嫌な感情は、すぐに変わるものではありません。
最初から「勉強が好きになった」ところを目指す必要はありません。まずは、嫌がり方が少し減る。机に向かうまでの抵抗が少し減る。分からないと言えるようになる。間違いを直しても大きく崩れなくなる。
こうした小さな変化を見ていきましょう。
また、ご褒美だけで動かそうとしすぎないことも大切です。ご褒美はきっかけになることがありますが、ご褒美がないとやらない状態になることもあります。
本当に増やしたいのは、「できた」「分かった」「聞いても大丈夫」という感覚です。
親だけで抱え込まないことも大切です。親子だと感情が入りやすく、勉強を見るたびに言い合いになってしまうこともあります。その場合は、家庭の中だけで何とかしようとせず、学校の先生や外部の学習サポートを使うことも考えてよいでしょう。
勉強嫌いを克服するために大切なのは、親がすべてを背負うことではありません。子どもが安心して学べる環境を、少しずつ整えていくことです。
よくある質問
Q:子どもが勉強しないとき、放っておいてもよいですか?
完全に放っておけばよいわけではありません。ただし、急かす前に、子どもが何を嫌がっているのかを見ることが大切です。分からないのか、間違えるのが怖いのか、親に見られるのが嫌なのかによって、必要な関わり方は変わります。
Q:「勉強しなさい」は本当に言わない方がよいですか?
命令のように何度も繰り返すと、子どもが反発しやすくなることがあります。ただし、何も言わないという意味ではありません。「今日は何から始める?」「どこで困っている?」のように、問いかけに変えることが大切です。
Q:勉強嫌いの子は、まず何分から始めればよいですか?
最初は5分でも、1問でも構いません。大切なのは、短くても「できた」「終わった」「思ったより嫌じゃなかった」という経験で終わることです。長時間よりも、小さな成功体験を積み重ねることを意識しましょう。
Q:親が教えるとイライラしてしまう場合はどうすればよいですか?
親子だと感情が入りやすいため、イライラしてしまうことはあります。その場合は、無理に親だけで教え続ける必要はありません。学校の先生、塾、家庭教師、教材などを使い、親子関係を悪化させない形で学習を支えることも大切です。
まとめ|勉強嫌いを克服するには、まず嫌がる理由を見る
子どもが勉強嫌いに見えるとき、やる気がないと決めつける必要はありません。
勉強そのものが嫌いなのではなく、分からない不安、失敗した記憶、怒られる怖さ、比べられる苦しさ、やらされる感覚を避けていることがあります。
勉強嫌いを克服するには、勉強をさせる方法を増やす前に、勉強と嫌な感情が結びついていないかを見ることが大切です。
そのうえで、「勉強しなさい」という声かけを問いかけに変える。短時間で終わる成功体験を作る。結果ではなく行動や過程を認める。いつ勉強するかを子どもに選ばせる。親が教えすぎず、安心して間違えられる空気を作る。
こうした関わりを積み重ねることで、子どもは少しずつ勉強への抵抗感を下げていくことができます。
勉強嫌いを克服する第一歩は、子どもを机に向かわせることではありません。勉強が嫌な時間になってしまった理由を見つけ、少しずつ「分かった」「できた」「聞いても大丈夫」と感じられる時間に変えていくことです。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回の記事では、子どもが勉強を嫌がるとき、まず「どうすれば勉強するか」ではなく、勉強がどんな嫌な感情と結びついているのかを見ることが大切だとお伝えしました。
これは、勉強嫌いだけの話ではありません。家庭学習では、宿題をどう始めるか、親がどこまで教えるか、褒め方や声かけをどう変えるか、学習習慣をどう作るかなど、親が判断に迷う場面が何度もあります。
実際、お子さんが大きく伸びていくご家庭ほど、「やる気がない」と決めつけるのではなく、子どもがどこで困っているのか、どんな関わりなら安心して学べるのかを見ようとされています。
当教室のメールマガジンでは、
・家庭学習で親が見落としやすいこと
・勉強嫌いにしない声かけと関わり方
・子どもの思考力や学習習慣を育てる家庭での工夫
たとえばこのような点について、実際の教育相談や指導経験をもとに詳しくお伝えしています。
「子どもが勉強を嫌がる理由を、もう少し深く見てあげたい」
「親子で衝突せずに、家庭学習を進めたい」
「勉強だけでなく、自分で考える力や学習習慣も育てていきたい」
という方は、ぜひ参考になさってください。
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