灘中学って、どんな学校なのか?

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卒業生が語る・・・灘中学はこんな学校です

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2022年10月02日

中学受験を目指しているご家庭では、「灘中学ってどういう学校なのか?」と興味を持たれている親御さんも多いと思います。
そこでこちらのページでは、実際に中学高校と6年間灘中学に通った私の体験をもとに、灘中学の特徴について解説します。

私が教育法の指導をされている方の大半が子供を医者にしたい方です。
ですから、みなさま中学受験に、とても興味をお持ちです。

特に多くの方が興味をお持ちなのは、

「熊野が卒業した灘中学ってどういうところ?」

という部分です。

そこで、このページでは私の母校の灘中学についてご紹介しようと思います。
あまり他では公開されていない、

・日本で最高レベルの中学校ではどんな教育が施されているのか。
・灘中学に通う生徒たちは、普段何を考えて過ごしているのか。

このような部分について、お伝えしていこうと思います。
実際に灘中学を卒業した私だからこそ語れるその本質的な部分をお話していきます。

それでは、さっそく始めていきましょう。


灘中学 VS 開成中学校
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まず灘中学校の学力のレベルですが、おそらく日本一だと思います。

よく東大合格者数について、「開成中学校が日本で最多」と言われています。
たしかにこれは真実ですが、この数値だけに注目して、「開成中学が日本でトップ」と言われているのに私はちょっと納得できません。

なぜなら、東大合格者数が日本一だからといって、それが日本でトップとは言えないからです。
その実際のデータで見てみましょう。

これは現役合格だけの数値ですが、開成中学の一学年の東大合格者数は100名くらいです。
これに対して、灘中学の東大合格者は70名~80名くらいです。

たしかにこのようなデータを見ると、開成中学が東大合格者日本一です。

でも、生徒数が全然違います。

一学年の生徒数は、

灘高校:約200人
開成高校:約400人

と、倍くらいの違いがあります。

つまり、東大の合格率を見ると灘中学(灘高校)の方が高いです。
また、灘中学の卒業生のうち、東大に進学しない生徒は、

・50名くらいが京都大学に進学
・30名くらいが医学部に進学

というような進学状況です。

つまり、東大に行かない場合でも、超難関の京都大学や医学部に進学しているわけです。
学年の70%くらいが、現役で東大か京大、医学部に入るという状況なんですね。

ですから、こういう状況を考えると学力では灘が日本一だと思います。

これは私自身のことを自慢しているわけでなく、
「灘中学の生徒のレベルって、どういうものなのか?」という状況を知っていただく、ヒントにしてもらえば嬉しいです。

また、この記事をお読みになられている方が関西圏内の方で、お子さんを灘中学に入れたいとお考えの方は・・・「自分の子供がどんなレベルを目指すのか」という目安にしていただければと思います。


灘中学の授業の進度について
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これだけの進学実績を出すので、授業の進度はとても速いです。
灘中学の教育方針は、「中高一貫性教育」ですから、中学、高校6年間の教育となります。

まず中学1年生で、中学校の範囲をすべて終わってしまいます。
ですから、灘中学の2年生からは、高校の勉強に入っていきます。
そして、中学生のうちに高校2年生までの勉強を終わります。

ちなみに中学3年生の中間テストなどに、東大の入試問題が出題されることも結構よくあることです。

先生があたりまえのように、テストに出してくるんですね。(笑)
でも、それを面白がって解く生徒がいるので、結構非常識な世界だと思います。


高校に入ると、受験に合格するための演習問題を解くようになります。
入試問題を中心に演習をして、学力を高めていくんですね。
ですから、高校1年生以降が受験勉強ということになります。

こんな学習状況ですから、多くの生徒は塾に通いません。
塾に通わなくても、学校自体がその役割を果たしているからです。

そして、灘中学の生徒たちは、高校2年生になると模擬試験を受け自分の実力を試すようになります。
(ちなみに、高校2年生の時に高校3年生の模擬試験を受けます。)

上位の10名くらいの生徒は、この時点で東大A判定になります。
つまり、高校2年生の時点で、東大に合格できる学力なんですね。


こんな灘中学なのですが、スパルタの厳しい学校なのでしょうか?

実は全然違うんです。


灘中学の自由な校風
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灘中学の校風は、とにかく自由です。

普段の登校は私服でOKですし、カバンなどの指定もありません。
ですから、JRの住吉駅か、阪急の岡本駅あたりで私服の中学生か高校生を見かけたら、それが灘に通っている生徒の可能性が高いです。

また学校の行きかえりにコンビニで、何かを買っても全然叱られません。
歩きながら食べているなど、あまり行儀が悪いのは叱られると思いますが、マナーを守っている限りは特に指導されることもありません。

そして学校の食堂にはアイスとかジュースが売られているんですね。
休み時間になると、生徒たちが自由に買ってもいいんです。

さすがに授業中の飲食は禁止ですが・・・。


生徒の学習態度も、全員が勤勉だとは言えないと思います。
なかには先生の見えないところで、授業中にお弁当を食べている生徒や、漫画を読んでいる生徒もいます。
授業を聞いていない子もいますし、テスト直前にならないと、勉強をしない子も多いです。

でも、こんな自由放任の校風でも、生徒たちはきっちり勉強します。
大学受験が近づいてくると、学年全体がみるみるうちに入試モードに入るんですね。

おそらく小さな頃から勉強し、「おれは賢い子なんだ」という高いプライドがあるので、きっちりと詰めるのだと思います。

また、東大や京大に入ること自体が灘中学では普通のことなんですね。
だから、周囲の状況に流されてみんな勉強に打ち込むのです。


こういう状況から考えると、

ということが、よく分かりますね。


灘中学、灘高校の生徒のビジョン
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こんな灘中学の生徒たちですが、将来の夢やビジョンについてどう考えているのでしょうか?

その実際のところをお話しましょう。

この記事をお読みの方は、

「灘中学や灘高校に通うくらいなら、20年くらい先のことまで考えているのではないか」

と思われるかもしれませんが、実は全然そんなことはありません。

これは私の経験なのですが、灘中学や灘高校の生徒の大半は将来の職業や生き方について、あまり考えていません。

なかには自分の内面と向き合い、「おれはこういう人間でありたい」というポリシーを持っている生徒も少なくはありませんが、ほとんどの生徒が、あまり考えずに東大や京大へと進んでいきます。

・おれの学力なら東大理Ⅱかな
・親が医者だから医学部に行くか
・東大に行ってやりたい事を探そう

こんな感じでしか考えていません。

実際、日本のトップレベルの生徒でも、将来のビジョンについてはこういう状況なのです。

私はこんな状況自体を日本の教育の弱さだと思っています。
灘中学の生徒だけでなく、こんな弱い子が多いのが現実です。

働くということについて、誰も真剣に教えてくれない。
勉強をするのは社会に出て働くためなのに、「仕事とは何か」について、学ぶ機会が極端に少ないんですね。

どんなに勉強ができたとしても、自分の生き方に真剣に向き合わないと人生に積極的になれないですし、困難にも立ち向かえないのです。

そういう意味では、子供の教育に関して、まだまだ考えることが山積みだと言えますね。

【参考情報】高校生の意識

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こちらのページでは灘中学について、あまり知られていない部分をご紹介させていただきました。
これが全てではありませんが、お子さんの将来の教育のために参考にしてみてください。

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