子供の勉強の教え方|分かりやすく教えるより大切なこと
最終更新日 2026年06月22日
記事執筆者:熊野貴文
こんにちは。幼児教室ひまわりの熊野です。保護者の方から、「子供に勉強を教えると、ついイライラしてしまいます」「何度説明しても、なかなか分かってくれません」「親が教えると、最後は親子げんかになってしまいます」「子供が勉強を理解しないように見えて困っています」というご相談をいただくことがあります。
お子さまに勉強を教えていると、「どうしてこんな簡単なことが分からないのだろう」「さっき説明したばかりなのに、なぜ忘れているのだろう」「もっと分かりやすく説明しないといけないのかな」「子供が勉強を分からないままになってしまうのでは」と感じることがあるかもしれません。
結論から申し上げます。もちろん、親が分かりやすく伝えようとすることは大切です。しかし、子供への勉強の教え方で本当に大切なのは、親が完璧に説明することではありません。勉強を理解するのは、親ではなく子ども本人です。
親がどれだけ丁寧に説明しても、子どもの中で「そういうことか」「前にやったこととつながった」「自分で考えたら分かった」「次はこうすれば解けそう」という気づきが起きなければ、本当の理解にはつながりにくいものです。
つまり、親の役割は、正解や解き方を一方的に教え込むことではありません。子どもが自分で気づき、自分の言葉で説明でき、似た問題でも使えるようになるまでの過程を支えることです。
【この記事で分かること】
- 子供への勉強の教え方で本当に大切な考え方
- なぜ何度教えても理解しない・覚えないことがあるのか
- 親が勉強を教えるときに見落としやすいこと
- 子供に勉強を教えるコツと家庭で使える5ステップ
- 算数や国語を分かりやすく教える具体例
- 子供が勉強を嫌がるときの関わり方
- 親がイライラしないための声かけのコツ
そのためには、いきなり解き方を説明するのではなく、
確認する → 具体化する → ヒントを出す → 説明してもらう → 短く反復する
という流れで関わることが大切です。
この記事では、子供への勉強の教え方として、分かりやすく教えるための基本的な考え方、家庭でそのまま使える5ステップ、親が見落としやすい関わり方、イライラしない声かけのコツまで、順番に解説します。
子供への勉強の教え方で大切なのは「説明」より「理解の過程」を作ること
子供に勉強を教えるとき、保護者の方はつい「どう説明すれば分かってくれるだろう」と考えがちです。もちろん、分かりやすく伝えることは大切です。しかし、勉強の理解は、親が説明した瞬間にそのまま子どもの中へ入るものではありません。
子どもが本当に理解するときには、子どもの頭の中で「これは前にやったことと同じだ」「この数字はここを表しているんだ」「こう考えれば解けるんだ」という気づきが起きています。つまり、理解とは、親が一方的に与えるものではなく、子ども自身が考え、つなげ、納得していくものです。
実際に私が過去に家庭教師として教えていたときも、説明を聞いているだけの時は解けなかったのに、自分で図を描いて考えた途端に理解できるようになった事例はたくさんありました。
そのため、親の役割は、正解や解き方をすべて説明することではありません。子どもが自分で気づけるように、どこで止まっているのかを確認し、具体例や図に戻し、答えではなくヒントを出し、最後に子ども自身の言葉で説明できるように支えることです。
たとえば、子どもが問題の前で止まっているときに、すぐに「これはこう解くんだよ」と教えてしまうと、その場では進むかもしれません。しかし、子どもが自分で考える時間を持たないまま答えだけを受け取ると、少し問題の形が変わったときに解けなくなることがあります。
反対に、「どこまで分かった?」「この数字は何を表しているかな?」「図にするとどうなるかな?」と問いかけると、子どもは自分の頭で考え始めます。この考える過程が、理解を深めるうえでとても大切です。
子供への勉強の教え方で大切なのは、親が完璧な説明をすることではありません。子どもが自分で気づき、自分の言葉で説明でき、似た問題でも使えるようになるまでの流れを作ることです。
そのために、この記事では次に、家庭でそのまま使える教え方として、
確認する → 具体化する → ヒントを出す → 説明してもらう → 短く反復する
という5つのステップを紹介します。
子供に勉強を教えるときの基本5ステップ
子供に勉強を教えるときは、いきなり解き方を説明するよりも、まず「子どもがどこで止まっているのか」を見ることが大切です。
親から見ると、「ここをこうすれば解ける」と分かっている問題でも、子どもは別のところでつまずいていることがあります。問題文の意味が分かっていないのか、言葉の意味で止まっているのか、前に学んだ内容が抜けているのか、式の立て方が分からないのか。そこを確認しないまま説明を始めると、親は一生懸命教えているのに、子どもには届きにくくなります。
家庭で勉強を教えるときは、次の5ステップで進めると理解しやすくなります。
ステップ1:まず「どこまで分かった?」と確認する
子どもが問題の前で止まっていると、親はすぐに「これはこうするんだよ」と教えたくなります。しかし、最初にするべきことは説明ではなく確認です。
たとえば、「どこまで分かった?」「何を聞かれている問題かな?」「この言葉の意味は分かる?」「最初に何をすればよさそう?」と聞いてみます。すると、子どもが本当に分からないところが少しずつ見えてきます。
全部が分からないように見えても、実は「問題文は読めているけれど、式にできない」「計算はできるけれど、何を聞かれているか分からない」「前に習った言葉の意味で止まっている」ということがあります。つまずいている場所が分かれば、必要なサポートも変わります。
ステップ2:具体例や図に戻す
子どもにとって、言葉だけの説明は抽象的です。大人は「これは前と同じ考え方だよ」と言われれば分かっても、子どもは頭の中でイメージできていないことがあります。
そのようなときは、具体物や図、身近な例に戻します。
算数なら、おはじきやブロックを使う。文章題なら、丸や線で図にする。国語なら、登場人物が何をされたのか、どんな場面なのかを一緒に整理する。理科なら、身近な生活の出来事に置き換えて考えることが大切です。
たとえば算数の文章題であれば、「絵にしてみよう」「丸で書いてみよう」「この数字は何を表しているかな」と声をかけます。国語で登場人物の気持ちを考える問題なら、「この子は何をされたのかな」「本文のどこからそう思った?」と、文章に戻って確認します。
分からないときほど、説明を増やすのではなく、見える形に戻すことが大切です。
ステップ3:答えではなくヒントを1つだけ出す
子どもが困っていると、親はつい答えや解き方を先に教えたくなります。その場では早く進むかもしれませんが、子どもが自分で考える時間を持たないまま答えだけを受け取ると、少し形が変わった問題でまた止まってしまいます。
大切なのは、答えを教えることではなく、気づけるヒントを出すことです。
たとえば、「前に似た問題をやったことがあるね」「まずここを見てみよう」「この数字は何を表しているかな」「図にすると、どこが変わったかな」といった声かけです。
ヒントは一度にたくさん出す必要はありません。まず1つだけ出して、子どもがどう反応するかを見ます。それでも難しければ、もう1つヒントを出します。全部教えるのではなく、子どもが自分で一歩進めるだけの手がかりを渡すことが大切です。
ステップ4:子どもに自分の言葉で説明してもらう
子どもが「分かった」と言っても、それだけで本当に理解できているとは限りません。その場では分かった気がしていても、一人で解こうとするとできなかったり、少し時間が経つと忘れてしまったりすることがあります。
そのため、「分かった?」と聞くだけで終わらせず、子どもに自分の言葉で説明してもらいましょう。
「今、どう考えたか教えてくれる?」「なぜその式にしたの?」「最初に何を見た?」「次に同じ問題が出たら、どう考える?」と聞いてみます。
うまく説明できない場合は、まだ理解の途中です。そのときは責める必要はありません。もう一度、具体例や図に戻れば大丈夫です。自分の言葉で説明できるようになると、理解はかなり安定してきます。
ステップ5:似た問題を1〜3問だけ反復する
子どもは、一度分かったことでも忘れます。これはやる気がないからではなく、まだ理解が定着していないからです。
理解した直後には、似た問題を1〜3問だけ解いてみると効果的です。大量に解かせる必要はありません。「今の考え方で、もう1問だけやってみよう」「数字を少し変えてみるね」「明日、もう一度思い出せるか確認しよう」と、短く確認します。
たとえば、8−3を具体物で理解したあとに、7−3、9−3のように似た問題を少しだけ解く。国語で登場人物の気持ちを考えたあとに、別の場面でも「どこからそう思った?」と確認する。このように短く反復すると、子どもは「分かったことを使う」経験ができます。
この5ステップを意識すると、家庭での勉強時間は、親が一方的に説明する時間ではなく、子どもが自分で考える時間に変わります。勉強を教える目的は、今この問題の答えを出すことだけではありません。次に似た問題が出たときに、子どもが自分で考えられるようにすることです。
子供に勉強を教えるときに親が見落としやすいこと
保護者の方からご相談を受けていると、実際には「説明の仕方」よりも、「どこで子どもが止まっているのかを見つけられていない」ことが多いように感じます。
子供に勉強を教えるとき、保護者の方が見落としやすいのは、親が説明することに意識が向きすぎて、子どもが理解する過程を作れていないことです。
実際、私たちの教室で学んでおられる親御さんから、「何度説明しても分かってくれない」と相談されることがあります。
ところが、お子さんに直接話を聞いてみると、解き方が分からないのではなく、「問題文の意味が分からない」「何を聞かれているのか分からない」というのが本音だったというケースも結構多いです。
そのため、説明を増やす前に、どこで止まっているのかを確認することが大切だと感じています。
親としては分かりやすく説明しているつもりでも、子どもの中ではまだ「何が分からないのか」「どこを見ればよいのか」「前に学んだこととどうつながるのか」が整理できていないことがあります。そのため、「うちの子は勉強の理解が悪いのではないか」と心配される親御さんもおられます。
そこで説明を増やす前に、子どもがどこで止まっているのかを確認し、必要に応じて具体例や図に戻し、答えではなくヒントを出すことが大切です。
特に大切なのは、「分かった?」で終わらせないことです。子どもが「分かった」と言っても、自分の言葉で説明できなかったり、似た問題で使えなかったりする場合は、まだ理解の途中です。
そのようなときは責めるのではなく、「今、どう考えたか教えてくれる?」「もう1問だけ似た問題をやってみよう」と確認してみてください。
子供に勉強を分かりやすく教えるコツは、親がたくさん話すことではありません。子どもが自分で気づき、考え直し、次に似た問題でも使えるようになる流れを作ることです。
教科別|子供に勉強を分かりやすく教える具体例
ここまで、子供に勉強を教えるときは、
確認する → 具体化する → ヒントを出す → 説明してもらう → 短く反復する
という流れが大切だとお伝えしました。
ただ、保護者の方にとっては、「実際の勉強場面で、どう使えばよいのか」が一番知りたいところだと思います。ここでは、算数、国語、漢字や暗記の場面に分けて、家庭でそのまま使いやすい教え方を紹介します。
算数を教える場合
子供への算数の教え方で大切なのは、いきなり式や解き方を教えないことです。大人は式を見るだけで意味が分かりますが、子どもは「その式が何を表しているのか」がまだ見えていないことがあります。
たとえば、子どもが 8 − 3 で止まっているとします。このとき、すぐに「8から3を引くんだから5でしょ」と教えると、子どもは答えだけを受け取ることになります。その場では分かったように見えても、数字が変わるとまた止まってしまうかもしれません。
この場合は、まず「8って何の数かな?」「3は何が減った数かな?」と確認します。もし言葉だけで分かりにくければ、おはじきやブロックを8個置き、「ここから3個取ってみよう」と実際に動かします。そのうえで、「残りはいくつかな」「今、どう考えたか説明してみよう」と声をかけます。
子どもが「8個あって、3個取ったから、5個残った」と言えれば、式の意味が見えてきています。最後に、7 − 3 や 9 − 3 のような似た問題を1〜2問だけ解くと、今分かった考え方を使う練習になります。
算数では、答えが合っているかだけでなく、「何を表している式なのか」「どう考えたのか」を確認することが大切です。
国語を教える場合
国語を教えるときも、すぐに答えを教えないことが大切です。特に読解問題では、子どもが答えられないと、親はつい「ここに書いてあるでしょ」「この子は悲しいんだよ」と説明したくなります。
しかし、子供への国語の教え方で大切なのは、答えを聞くことではなく、本文のどこを見て考えればよいかを知ることです。
たとえば、登場人物の気持ちを問う問題で子どもが止まっている場合は、「この子は何をされたのかな?」「そのとき、どんな表情だったかな?」「本文のどこからそう思った?」と聞いてみます。子どもがうまく答えられない場合は、該当する場面を一緒に読み返します。
また、「自分だったらどんな気持ちになる?」と聞くのも有効です。ただし、最終的には本文に戻ることが大切です。自分の気持ちだけで答えるのではなく、「本文のこの言葉から、そう考えた」と言えるようにしていきます。
国語では、「正解はこれ」と教えるよりも、「どこを読めば分かるのか」「なぜそう考えたのか」を確認することが、読解力につながります。
漢字や暗記を教える場合
漢字や暗記の学習では、ただ何回も書かせる、何度も読ませる、という方法になりがちです。もちろん反復は必要ですが、意味が分からないまま繰り返しても、なかなか定着しないことがあります。
たとえば漢字を覚える場合は、まず「この漢字はどんな意味かな?」「どんな言葉で使うかな?」と確認します。新しい漢字をただ書くのではなく、意味や使い方と結びつけると覚えやすくなります。
たとえば「休」という漢字であれば、「人が木のそばで休んでいるように見えるね」と話すことができます。「林」や「森」のように、形に意味がある漢字もあります。子どもが「なるほど」と感じると、ただの記号ではなく、意味のある文字として覚えやすくなります。
暗記でも同じです。理科や社会の言葉を覚えるときは、「これは何のこと?」「身近なもので言うと何に近い?」「なぜそうなるのかな?」と聞いてみます。意味を理解したうえで短く反復すると、ただ丸暗記するよりも残りやすくなります。
漢字や暗記は、一度で覚えきろうとしなくて大丈夫です。今日少し覚えたら、翌日もう一度確認する。数日後にもう一度思い出す。このように短く繰り返すことで、少しずつ定着していきます。
教科が違っても、基本の流れは同じ
算数、国語、漢字や暗記では、扱う内容は違います。けれども、親の関わり方の基本は同じです。
・まず、どこまで分かっているかを確認する。
・次に、具体例や図、本文、意味に戻す。
・答えをすぐに教えるのではなく、ヒントを出す。
・子どもに自分の言葉で説明してもらう。
・最後に、似た問題や短い確認で反復する。
この流れを意識すると、家庭での勉強時間は、親が答えを教える時間ではなく、子どもが自分で考える時間になります。
子供に勉強を分かりやすく教えるコツは、教科ごとの特別なテクニックだけではありません。子どもが「自分で分かった」と感じられるように、理解の道筋を一緒にたどることです。
子供に勉強を教えるときのNG声かけ・OK声かけ
子供に勉強を教えるときは、説明の内容だけでなく、声かけも大切です。同じ問題を扱っていても、言い方によって、子どもが「もう一度考えてみよう」と思えることもあれば、「また怒られる」「自分はできない」と感じてしまうこともあります。
特に家庭では、親子の距離が近い分、感情が入りやすくなります。イライラしたときほど、正解を急がせる言葉ではなく、子どもが考え直せる言葉に置き換えていきましょう。
「なんで分からないの?」より「どこまで分かった?」
子どもは、自分でも何が分からないのか整理できていないことがあります。
そのため、「なんで分からないの?」と聞くよりも、「どこまで分かった?」「どこから分からなくなった?」と聞く方が、つまずきの場所を見つけやすくなります。
「さっき教えたでしょ」より「もう一度思い出してみよう」
子どもは、一度分かったことでも忘れます。
忘れたことを責めるより、「前はどこから考えたかな?」「もう一度、図にしてみよう」と声をかけると、安心して学び直しやすくなります。
「早く答えて」より「まず何を見ればよさそう?」
理解が安定していない段階で速さを求めると、子どもは焦ってしまいます。
まずは「何を聞かれている問題かな?」「最初に見るところはどこかな?」と、考える入口を作ってあげましょう。
「答えはこれでしょ」より、ヒントを出す
答えをすぐに教えると、その場では進みますが、子どもが自分で考える時間は減ってしまいます。
「この数字は何を表しているかな?」「前に似た問題をやったことがあるね」と、答えではなく手がかりを渡すことが大切です。
声かけの目的は、子どもを早く正解させることではありません。子どもが安心して考え直し、自分で気づけるようにすることです。
親の言葉が変わると、家庭での勉強時間は、責められる時間ではなく、考え方を育てる時間に変わっていきます。
よくある質問
最後に、子供への勉強の教え方について、保護者の方からよくいただく質問にお答えします。
Q:子供に勉強を教えるとイライラしてしまいます。どうすればよいですか?
家庭で勉強を教えるときは、正しい教え方をしようとするほど、親の方が苦しくなってしまうことがあります。大切なのは、完璧に教えることではなく、子どもが自分で考え直せるように支えることです。
子供に勉強を教えていてイライラしてしまうのは、珍しいことではありません。また勉強を教えるたびに、子供が勉強を嫌がるようになってしまったという相談もあります。親子の距離が近いからこそ、「どうして分からないのだろう」「さっき教えたのに」と感情が動きやすくなります。
ただし、親がイライラしていると、子どもは問題ではなく親の表情を見るようになります。「また怒られるかもしれない」と感じると、落ち着いて考えることが難しくなります。
そのようなときは、いったん説明を止めて、「どこまで分かった?」「どこで分からなくなった?」「もう一度、図にしてみようか」と、確認の声かけに戻ってみてください。
親の方が限界を感じているときは、無理に続けないことも大切です。「今日はここまでにして、明日もう一度やろう」と区切る方が、親子関係を壊さずに学習を続けやすくなります。
Q:何度教えても忘れるのは、やる気がないからですか?
何度教えても忘れるからといって、すぐにやる気がないと考える必要はありません。
子どもは、一度分かったことでも忘れます。特に小学生のうちは、その場では分かったつもりでも、少し時間が経つと使えなくなることがあります。これは、理解がまだ安定していないだけかもしれません。
大切なのは、「さっき教えたでしょ」と責めることではなく、短く確認することです。
「前はどこから考えたかな?」
「最初に見るところはどこだった?」
「似た問題をもう1問だけやってみよう」
このように、思い出す手がかりを渡してあげると、子どもは安心して学び直せます。
理解した直後に1〜3問だけ似た問題を解く、翌日にもう一度確認する、数日後に短く復習する。こうした短い反復が、理解の定着につながります。
Q:答えを教えてはいけないのですか?
答えを教えること自体が悪いわけではありません。
ただし、最初から答えを渡してしまうと、子どもが自分で考える時間を失ってしまいます。その場では早く進んでも、少し問題が変わるとまた解けなくなることがあります。
まずは、答えではなくヒントを出してみましょう。
「この数字は何を表しているかな?」
「前に似た問題をやったことがあるね」
「図にするとどうなるかな?」
「本文のどこを見れば分かりそう?」
このように、子どもが一歩進める手がかりを渡します。
それでも難しい場合は、一緒に考え方をたどってあげれば大丈夫です。大切なのは、答えだけを教えるのではなく、「どう考えればよいか」を子どもが分かるようにすることです。
Q:親が勉強を教えるのは何年生まで必要ですか?
小学生の勉強の教え方で悩まれる保護者の方は非常に多いです。何年生まで親が教えるべきかは、子どもの学年や性格、学習状況によって変わります。
小学校低学年のうちは、親のサポートがかなり必要です。学習する時間を整えたり、問題の読み方を一緒に確認したり、できたことを認めたりする関わりが大切です。
小学校中学年になると、少しずつ自分で考える時間を増やしていきたい時期です。親がすべて説明するのではなく、
「今日はどこから始める?」
「どの問題が難しかった?」
「次はどう考えるとよさそう?」
と問いかけながら、子ども自身が学習を振り返れるようにしていきます。
高学年になると、親が細かく教え続けるよりも、学習環境を整えたり、つまずいている場所を一緒に確認したりする関わりが中心になります。
最終的な目標は、親がいなくても子どもが自分で学べるようになることです。親が勉強を教える時間は、ずっと横について答えを教える時間ではなく、子どもが自分で考える力を育てる時間だと考えるとよいでしょう。
本記事のまとめ|子供への勉強の教え方は、説明より「気づける流れ」を作ること
子供に勉強を教えるときに大切なのは、親が完璧に説明することではありません。もちろん、分かりやすく伝える工夫は必要です。しかし、勉強を理解するのは親ではなく、子ども本人です。
親がどれだけ丁寧に説明しても、子どもの中で「そういうことか」「前にやったこととつながった」「自分で考えたら分かった」という気づきが起きなければ、本当の理解にはつながりにくいものです。
そのため、家庭で勉強を教えるときは、いきなり答えや解き方を教えるのではなく、まず子どもがどこで止まっているのかを確認しましょう。
基本の流れは、次の5つです。
確認する → 具体化する → ヒントを出す → 説明してもらう → 短く反復する
まず、「どこまで分かった?」と聞いて、つまずいている場所を見つけます。次に、具体物や図、本文、身近な例に戻して、子どもがイメージしやすい形にします。そして、答えをすぐに教えるのではなく、「まずどこを見ればよさそう?」「この数字は何を表しているかな?」とヒントを出します。
子どもが解けたら、「どう考えたか教えてくれる?」と、自分の言葉で説明してもらいましょう。さらに、似た問題を1〜3問だけ解くことで、分かったことを少しずつ定着させていきます。
子どもが「分かった」と言っても、すぐに完全に理解したとは限りません。一度分かったことを忘れることもありますし、同じ問題は解けても、少し形が変わると分からなくなることもあります。
それは、やる気がないからではなく、まだ理解が安定していないだけかもしれません。そのようなときに、「さっき教えたでしょ」「どうして分からないの?」と責めてしまうと、子どもは問題ではなく親の表情を見るようになります。間違えることが怖くなり、分からないことを言い出しにくくなってしまいます。
分かりやすく教えるためには、説明の技術だけでなく、子どもが安心して考えられる空気を作ることも大切です。
「どこで分からなくなった?」
「ここまでは分かっているね」
「もう一度、図にして考えてみよう」
「間違えたところが分かれば、次は直せるよ」
このような声かけがあると、子どもは安心して考え直すことができます。
家庭で勉強を教える時間は、親が正解を教え込む時間ではありません。子どもが自分で考え、気づき、自分の言葉で説明し、次に似た問題が出たときに自分で取り組めるようになるための時間です。
親の役割は、子どもを親なしでは解けない状態にすることではありません。最終的には、子どもが自分で学べるようにすることです。
そのために、今日の勉強では「この問題を正解させること」だけを目的にするのではなく、
「どこでつまずいているかを見つける」
「考えるためのヒントを渡す」
「自分の言葉で説明できるようにする」
「少しだけ反復して定着させる」
という関わりを意識してみてください。
子供への勉強の教え方は、親がたくさん話すことではなく、子どもが自分で気づける流れを作ることです。その積み重ねが、家庭学習を親子の衝突の時間ではなく、子どもの考える力を育てる時間に変えていきます。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回お伝えしたように、子供への勉強の教え方で本当に大切なのは、親が完璧に説明することではありません。
保護者の方はつい、
・もっと分かりやすく説明しなければ
・答えを教えた方が早いのではないか
・何度も同じことを教えているのに、なぜ覚えないのだろう
と考えてしまいがちです。
しかし実際には、
・どこでつまずいているのか
・何が分かっていて、何が分かっていないのか
・どんなヒントがあれば気づけるのか
を見つけることの方が大切な場合も少なくありません。
勉強を教える時間は、子どもを正解へ導く時間ではなく、子どもが自分で考える力を育てる時間です。
当教室のメールマガジンでは、
・子どもの思考力を育てる家庭での関わり方
・東大生や医学部生のご家庭に共通する習慣
・家庭学習で親が見落としやすいこと
・勉強嫌いにしない声かけのコツ
・幼少期から身につけたい学習習慣
などについて、実際の教育相談や指導経験をもとに詳しくお伝えしています。
「子どもに勉強を教えると、ついイライラしてしまう」
「もっと良い関わり方があるなら知りたい」
「勉強だけでなく、自分で考える力を育てたい」
という方は、ぜひ参考になさってください。
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