中学受験の志望校の、戦略的な選び方

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中学受験の志望校は戦略的に選ぼう

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2022年10月02日

中学受験の志望校の選び方に関しての迷いは多いです。
そこでこちらのページでは、中学受験で灘中学に合格した私の経験と、幼児教室ひまわり塾長として1万人以上の保護者を見てきた経験をもとに、「中学受験の志望校の選び方」について解説いたします。

中学受験に関して、「最終的にどこの中学校に願書を出願するか」という、志望校の選び方に関しての迷いは多いです。
安全に行くか、それとも合格率は低くても高いレベルにチャレンジするのか・・・中学受験の志望校は最後までなかなか決められないことが多いです。

私が中学受験をしたときには、

第一志望:灘中学校
第二志望:洛南中学校
というように出願をしました。

ちなみに、大学受験をしたときは、

第一志望(前期):阪大医学部
第二志望(後期):東北大医学部
という出願をしています。

ちなみに、私が中学受験をした時は、洛南中学校と灘中学校の入試日が2日ずれていたんです。
今でこそ洛南中学校は、「京都を代表する名門中学校」として君臨するようになりましたが、昔は灘中学の滑り止めだったんです。

さて、この志望校選びですが、どう考えればよいのでしょうか。

実はこのテーマに関して、私は以前に記事として自分のコラムに書いています。

基本的にはこの時と考え方は変わっていないのですが・・・

保護者の方を指導していく経験のなかで、新たな視点が出てきましたのでこのページで新しい記事としてご紹介させていただきますね。


私の元上司の志望校選び
志望校選び2

このあいだ、私の元上司である、阪大のH先生と会っていました。

H先生は免疫内科の専門家で、今は阪大で研究をされています。
大阪の下町の病院出身なので、下町情緒が溢れる男気強い先生です。

H先生は最近、大阪市内にマンションを購入したそうです。
そのマンション購入を決めるのも、ショールームに入ってからわずか30分で決めたらしいです。
キッチンとか壁紙なども1時間くらいで全て決めたそうです。

なかなかの男気ですね。

H先生は医者では珍しく、スポーツ刈りなんですね。
街中で歩いているところを見ると、「あの人、チンピラじゃないの?」と思うんですが、実は偉い先生なんです。(笑)

私はH先生の仕事に対する姿勢を、心から尊敬しています。
仕事のレベルがとても高いのはもちろんなのですが、私が一番尊敬しているのは、「自分に与えられた社会的役割」を常に意識している点です。

H先生はチームのなかの自分を、

・未来の日本の医療をつなぐ人間
・後輩たちが心から安心して働き、成長できる場を作る人間

という強い認識でとらえ、全力で仕事されているんですね。

私を含め、多くの人間は、自分の幸せ、自分が豊かになること、自分が評価されることなど・・・自分に関することを目的に仕事をしています。

ですから私は、H先生の仕事の姿勢を見ることで自分を見直す機会になります。


さて、そんなH先生と一緒に私の教室で話していたときです。
中学受験の話が出てきました。

H先生は小学校6年生から、中学受験の勉強を始めたそうです。

普通から考えると、遅めですね。

スタートが遅かったので、中学受験は不合格でした。

そして、中学時代に一念発起して勉強に打ち込まれます。

「自分は運動で生きていけない、芸術でも生きていけない、喧嘩もたいして強くない」

こんな消去法で、「おれには勉強しかない」と心を強く決められたそうです。

このH先生が考えたことは、多くの人に当てはまるのですが・・・冷静に気づくのは難しいんです。どこか逃げてしまうんです。

その後H先生は全力で勉強をして、東大寺高校に入学されます。
この時にH先生が考えたことが、結構面白いんですね。

志望校をどうやって選ばれたか、ということについてなのですが、当時のH先生の学力は、「東大寺高校への合格率は50%」というレベルだったそうです。

そこでH先生は、確率の理論で志望校を決めたそうです。

この考えが、結構斬新なんですね。


不合格率で志望校を選ぶ
志望校選び3

あなたに1つクイズです。

中学受験の確率の問題ですね。
この問題は、中学受験の世界では小学校4年生の算数レベルです。


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■ 確率の問題

合格率50%の志望校を3校受けたとします。
すべてが不合格になる確率はどれくらいでしょうか?
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ちょっと考えてみてください。





解答です。

まず、1つ目の志望校が不合格の確率は50%ですね。

次に、1つ目と2つ目の両方が不合格になる確率。

これは、

「1つ目の学校が不合格であり、さらに2つ目の学校が不合格」

でないといけませんから、

「1つ目が不合格」(50%)×「2つ目が不合格」(50%)=25%

まで下がるんですね。

最後に、3つの志望校すべてが不合格になる確率は、

「1つ目、2つ目が不合格であり、さらに3つ目が不合格」

でないといけませんから、

上の25%に対して、さらに50%をかける計算になります。

つまり、

25%×50% =12.5%

という計算になるんですね。

合格率50%の学校でも、「3校を受験する」ことで、全てが不合格の確率は12.5%(8分の1)まで、下げることが可能なんです。

模擬試験A判定の合格率は、「合格率80%以上」ですから、確率的にはそれとあまり変わらないんです。

冒頭でご紹介したH先生はこの理論をもとにして、「合格率50%くらいの学校を3校受験する」という戦略を取りました。

その結果東大寺高校に合格し、最終的には阪大医学部に入学され、医者になったんですね。


確率を意識してチャレンジする
志望校選び4

このように考えると、合格率6割くらいの滑り止めが2校くらいあれば、それで十分です。

「両方不合格」の確率は16%です。

この確率は、模擬試験のA判定の合格率を超えているんですね。
すべて不合格になる確率というのは、そんなに高くないんです。

ここを意識することができれば、しっかりと滑り止めを受験したうえで、かなりハイレベルの学校を第一志望にするのも良いと思います。

このページの方針のように、「B判定くらいの志望校」を第一志望にするのも良いとは思うのですが、思い切ってC判定くらいの学校を受験してみるのも良いと思います。

人生に一度限りの中学受験ですから、夢にチャレンジしてみることで大きな体験につながるからです。

中学受験の志望校選びについては、

・通学の交通の便がどうか
・校風が合っているか
・子供が何を望んでいるのか
・実際の学力と合格率

などなど、
色々な要素が絡みあっているので一概には言えませんが、「すべて不合格の確率は意外に低い」「数の理論で、不合格率が下がる」いう2つの視点を加えることで、より一層選び方の視野が広がり、正確に選択できると思います。


受験というと、「合格か不合格」のどちらかになります。つまり、白か黒かという判定です。

目の前の入試という関門があると、どうしても熱くなりがちですが、確率というデータをもとに、冷静な視点でとらえることも重要な戦略だと言えます。

そして、確率で攻める場合に大切なことは、「最悪の確率(=すべての学校が不合格)を引いた際のリスク」を考慮しておくことです。

中学受験の場合は、最終学歴ではないですから、1ランクや2ランク下の学校に入ったとしても、まだまだ大学受験で挽回することが可能です。

そういう意味ではリスクに対しても、ある程度対処していくことも可能ですね。

あくまでも、こういう志望校の選び方については価値観にもよると思います。

ですから、このページでご紹介した内容を1つの視点として客観的に見ていただき、総合的な視点であなたのお子さんに合った志望校を選んであげてくださいね。

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