中学受験で不合格になる理由とは?当日に失敗しないための3つの対策
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年06月23日
年々加熱していく中学受験。
首都圏などでは恐ろしいほどの倍率になる中学校が続々と登場するほど、中学受験を希望する家庭は増えています。
しかし、どれだけ頑張っても不合格になってしまうことは当然起こり得るのです。
中学受験に不合格になってしまう理由には、どのようなことが考えられるのでしょう。
こちらのページでは、中学受験で不合格になってしまう理由や対策についてさまざまな角度から詳しく解説します。
中学受験はどれだけ頑張っても不合格になることもある
中学受験を考えはじめた日から、子どもにとっても保護者にとっても、長い長い戦いの日々がはじまります。
中学受験当日までにどれほど努力と苦労を重ねてきたのか、想像を絶するかもしれません。
しかしそれでも受かる子もいれば受からない子もいます。
同じように頑張っているはずなのに、なぜ不合格になってしまうのでしょう。
中学受験に落ちる確率はどれぐらい?
ある中学受験をテーマにした漫画のなかに、中学受験の合格率について語られるワンシーンがあります。
首都圏一都三県の受験者数をおよそ5万2千人とした場合、東京の最難関男女御三家に受かる確率は約2.58%。憧れの難関校まで視野に入れると約10%弱になるというのです。
ここまでランクの高い志望校でないとしても、希望する私立・国立中学校の倍率次第では、どれほど努力をしていても不合格になってしまう可能性が高くなるケースもあります。
数字や倍率だけを見て判断することは難しいかもしれませんが、みんながみんな希望の中学校に入れるとは限らないことを知っておく必要があるでしょう。
中学受験を全落ちする子もいる
並み居る中学受験塾同様に、当教室の講師たちも各家庭の希望に応じた志望校のアドバイスを親身に行っています。
相談を受けた場合、子どもたちが最低でも1つは合格を手にできるよう、私をはじめ当教室の講師たちが全力で受験プランを考えます。
しかし、度重なる面談や過去のデータ、偏差値や受験目前の成長具合などから万全なプランを作成しても、全落ちしてしまう子も少なからず存在するのです。
勉強不足や偏差値が足りないなど以外にも、中学受験当日に起こる不測の事態やトラブルなどが影響するケースもありますので、中学受験に絶対はないのだと思い知らされるばかりです。
【参考情報】中学校選択の構造に関する考察
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中学受験が不合格になる理由とは
中学受験に受かる子と受からない子。
両者にはどのような違いがあるのでしょう。
ここでは中学受験に不合格になってしまうよくある3つの理由についてお話しします。
中学受験当日に本来の力が発揮できなかった
中学受験に不合格になってしまう理由として、当日に本来の実力を発揮できなかったことがあげられます。
実力を発揮できない理由として考えられることで最も大きな要因となるのは「緊張」ではないでしょうか。
メンタル的にまだまだ未熟な子どもたちは、緊張のあまりさまざまな壁にぶち当たります。
極度の緊張により、よく眠れないまま受験本番を迎えることになったり、いつもなら気にならない周囲の音が気になって集中できなくなったり。会場や他の受験生の雰囲気に気圧され、頭が真っ白になるなんてことも起こります。
十分な実力をもち、確実に合格圏内の中学校であっても、さまざまな理由により中学受験本番に実力や成果を発揮できなければ、不合格となってしまうこともあるのです。
子どもの学力では無理なレベルの志望校だった
中学受験に受かる子と受からない子、それぞれに特徴はあります。
しかしそれ以前に、志望校選びに問題があることも、中学受験に不合格になってしまう理由としてあげられます。
チャレンジ校・本命校ばかりに意識が行ってしまい、子どもの学力に見合っていない安全校選びをしてしまうことも珍しくはないようです。
また、保護者の希望や理想が優先されすぎるあまりに、難易度の高い学校ばかりを受験することとなれば、不合格となってしまう可能性は一気に高まります。
他には、子どもの意思を尊重しすぎたり、子どもが選ぶ志望校を吟味することなく受け入れたりしてしまうことでも、同じようなことが起こる可能性もあるでしょう。
中学受験対策で行っていた勉強法が子どもに適していなかった
中学受験にもセオリーはありますが、やはり個々によって適切な学習法や必勝法は異なります。
このような点も中学受験が不合格になってしまう理由にもつながるようです。
ネットや口コミなど、少し調べれば中学受験に合格するための必勝法や勉強法がゴロゴロしています。
しかし、それらすべてがわが子に合うかどうかはわかりません。
どこかの誰かや、大勢の人が結果を出した勉強法であったとしても、わが子には合わないなんてことは往々にしてあるのです。
また、たくさん勉強をすればいいと思い込むあまり、子どもに無理をさせるほど長時間勉強をさせているケースもあります。
睡眠時間や休む時間を削ってまで学習をさせても、非効率的で結果につながらない可能性も高まります。
【参考情報】私立中高一貫校の入学時学力と大学進学実績
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徐々に成績が落ちていくケースも
私が見てきたご家庭や親御さんの中には、「最初は成績が良かったのに、徐々に成績が下がり、志望校に不合格になってしまった」というケースもあります。
なぜこのようなことが起きるかと言いますと、他の子の成績がどんどん上がっていったからという場合もあるのです。
小学校低学年〜中学年くらいというのは、まだそこまで勉強に力を入れていない子や、勉強のコツが掴めていない子がたくさんいます。
でもその子たちが、勉強のコツを掴み、より力を入れるようになると、どんどん力を伸ばしていきます。
すると、わが子の力が落ちるわけではなくても、成績が下がってしまうこともあるのです。
ですので親御さんがすべきことは、たとえ最初の頃に成績が良くても油断しないことです。
中学受験の本番は、あくまでも受験日です。
成績が良いことは素晴らしいことですので、しっかりお子さまを称えることは大事なのですが、ここで油断せず、これからも今までと同じようにやるべきことを明確にし、淡々と勉強ができる環境を作っていくようにしましょう。
一喜一憂せずに、冷静に現状を受け止め、対策を考えていくのが、親御さんの役割と言えます。
中学受験当日に失敗しないための3つの事前対策
受験当日に子どもが持っている実力をいかんなく発揮してもらうために、保護者にはなにができるのでしょう。
受験当日に失敗しないために、保護者ができる対策やサポートを紹介します。
1.常に受験当日を意識した学習を心がけさせる
常日頃から受験本番を意識しておくようにしましょう。
受験する中学校の試験問題の傾向と対策をしっかり抑え、問題を解く順番の組み立てや時間配分についてしっかりと計画を立てることが大切です。
見落としグセのある子には見直しの時間が十分取れる時間配分を。
焦ってしまいがちな子には、問題用紙が配られたらまずは全体に目を通してから解く順番を決めるよう促す。
このように、子どもそれぞれの特性や個性に適した工夫を考えておき、模試やテストなどで意識するようにしてみましょう。
2.不測の事態に備え中学受験当日の行動を具体的に教えておく
試験当日のさまざまなシミュレーションもしておくといいでしょう。
受験当日の流れや具体的なアドバイスなどを、親子で一緒に確認しておいてください。
・緊張しているのは自分だけではない
・試験がはじまる前には一度立ち上がり深呼吸をする
・トイレに行ったり廊下に出て窓の外を眺めたりする
・つらくなったら首や肩をほぐす
・筆記用具を落としたら静かに手をあげれば拾ってもらえる
このような、受験時の心構えやトラブル発生時の対策、メンタルコントロール法なども教えておき、当日はまとめたメモを子どもにもたせるとよさそうです。
3.体調管理とメンタル管理の徹底
体調面やメンタル面に少しでも不安を抱えていると、重くのしかかる受験当日のプレッシャーや緊張に耐えられず、実力を発揮できない可能性があります。
十分な睡眠や栄養のある食事、生活リズムのコントロールやメンタルケアにも力を入れましょう。そうすることで、子どもの心の安定につながり、受験当日に緊張してしまっても落ち着きを取り戻す力が備えられます。
子どもたちには難しい適切な体調管理やメンタル管理は、保護者がしっかり担うことが大切です。
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中学受験不合格は決して失敗ではない
中学受験で不合格になる理由には、さまざまな要因が考えられます。
そのなかで、必ず考えて教えておきたいことは「緊張」や「不測の事態」への対処法です。
これら2つの問題には事前の対策が功を奏します。
普段から受験当日を意識して行動・学習すること。健康面・メンタル面のケアを怠らないことなど、保護者が積極的に子どもに関わりサポートをしておくことで、不合格になってしまう理由を最小限にできるかもしれません。
頑張っている子どもたちが合格を手にできるよう、頑張ってサポートしてあげてくださいね。
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