中学受験の睡眠時間は何時間?睡眠不足を防ぐ生活リズムと勉強の見直し方

教育戦略コラム(東大や医学部を見据え、わが子を伸ばす選び方・関わり方)

中学受験の睡眠時間は何時間?宿題が終わらない夜の判断と対策

最終更新日 2026年09月08日

中学受験 睡眠 ヘッダー画像


記事執筆者:熊野貴文
幼児教室ひまわり塾長・医師。灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部に現役合格し、大学在学中は塾講師・学習アドバイザーとして約1,100人を指導。自ら難関受験を経験した子供側の視点と、保護者への教育相談、東大・医学部へ導いた親や各分野の専門家の知見をもとに、今のわが子に何を優先し、どう実践するかを具体的に発信している。


幼児教室ひまわりの熊野です。

「中学受験を考えると、子どもは何時間くらい寝かせればよいのでしょうか」
「塾から帰って宿題をしていると、どうしても寝る時間が遅くなります」
「まだ宿題が残っているのに、途中で切り上げて寝かせてもよいのでしょうか」

このようなご相談をいただくことがあります。

中学受験が本格化すると、学校から帰って塾へ行き、帰宅してから夕食をとり、そのあとに宿題や復習をするという生活になりやすくなります。

気づけば夜10時を過ぎている。
子どもは何度もあくびをしている。
親御さんも「そろそろ寝かせた方がいい」と思っている。

それでも、テーブルの上にはまだ終わっていない宿題が残っています。

すると、

「あと2ページだけだから、終わらせた方がいいのではないか」
「今日やらなかったら、明日はもっと大変になるのではないか」
「周りの受験生は、もっと勉強しているのではないか」

と不安になり、結局もう30分、もう少しだけ、と勉強を続けさせてしまうことがあります。

ここで最初にお伝えしたいのは、こうした保護者の方が、睡眠の大切さを知らないわけではないということです。

むしろ、睡眠が大切なことは十分に分かっている方がほとんどだと思います。

それでも中学受験では、「目の前に宿題が残っている」という現実が、親の判断を揺らします。

しかも夜になれば、判断する親御さん自身も疲れています。

仕事を終え、食事を用意し、塾の送迎をして、学校や塾の予定を確認し、子どもの勉強を見る。そうした一日を過ごしたあとで、「宿題を続けさせるか、もう寝かせるか」を毎晩冷静に判断するのは簡単ではありません。

昼間なら「今日はここまでにしよう」と思えることでも、夜10時半になると、「あと少しだけやってしまおう」と判断してしまう。

中学受験では、このような小さな判断が少しずつ積み重なり、いつの間にか睡眠時間を削る生活になってしまうことがあります。

私自身、灘中学・灘高校から大阪大学医学部へ進みましたが、中学受験の頃には夜遅くまで勉強していた時期があります。夜1時半頃まで勉強することもありました。

その経験から、以前は「受験期には6時間程度の睡眠でもよい」「夜型にもメリットがある」という考え方をお伝えしていたことがあります。

しかし、自分がその生活で灘中学に合格できたことと、その方法がすべての子どもに適していることは別です。

現在の睡眠に関する公的な指針を踏まえると、中学受験だからといって、子どもの睡眠を6時間まで削ることを一般的な方法として勧めることは適切ではありません。

この記事では、私自身の受験経験も踏まえながら、

・中学受験生にはどのくらいの睡眠時間が必要なのか
・睡眠不足は勉強にどのような影響があるのか
・宿題が終わっていない夜にどう判断すればよいのか
・朝型と夜型のどちらがよいのか
・睡眠を守りながら勉強時間を確保するにはどうすればよいのか

について考えていきます。

大切なのは、「睡眠か勉強か」という二者択一で考えないことです。

中学受験の勉強を長く続けるために、睡眠をどう組み込むか。

この視点から考えていきましょう。

中学受験生の睡眠時間は何時間必要?

まず、多くの保護者の方が最も知りたい「中学受験生は何時間寝ればよいのか」という点から確認していきます。

小学生は9〜12時間が一つの目安
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厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「こども版」では、小学生は9~12時間、中学生・高校生は8~10時間を参考に、睡眠時間を確保することが推奨されています。

これは、中学受験生だけに設けられた基準ではなく、子どもの健康を支えるための睡眠時間の目安です。受験期も、まずは小学生としての目安を出発点に、生活を考えることが大切です。

中学受験をするのは主に小学校高学年です。

そのため、「受験生だから6時間程度でもよい」と考えるのではなく、まずは小学生として必要とされる睡眠時間を基準に考えることが大切です。

たとえば朝6時半に起きる生活であれば、9時間の睡眠を確保するには午後9時半頃には眠りについている必要があります。

実際には、塾の終了時刻や通塾時間などを考えると、「そんな時間に寝るのは難しい」と感じるご家庭もあるでしょう。

ここで大切なのは、「9時間を下回ったらすぐ問題が起こる」という意味ではありません。

厚生労働省も9〜12時間を「参考」として示していますし、必要な睡眠時間には個人差があります。

ただし、中学受験をしているから、子どもに必要な睡眠そのものが少なくなるわけではありません。

塾や宿題が増えた結果として睡眠時間が短くなっているのであれば、それを「受験生だから仕方がない」と最初から決めつけないことが重要です。

「6時間寝れば大丈夫」と一つの数字で決めない
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以前の私は、自分自身の受験経験から「6時間程度の睡眠がちょうどよい」と考えていました。

自分が実際にそのくらいの睡眠時間で勉強を続け、受験を乗り越えたからです。

しかし、今振り返ると、ここには注意すべき点があります。

自分にできたことと、その方法を他の子どもにも勧めてよいことは同じではありません。

受験では、この区別がとても大切です。

灘中学に合格した子が夜遅くまで勉強していたからといって、夜遅くまで勉強すれば灘中学に合格しやすくなるわけではありません。

同じように、6時間睡眠でも元気に見える子がいたとしても、それだけで睡眠が十分だとは判断できません。

厚生労働省のe-ヘルスネットでは、子どもの場合、眠気を自覚できず、睡眠不足が注意力や集中力の低下、イライラ、落ち着きのなさなど、行動面に現れることがあると説明されています。

必要な睡眠時間には個人差があります。ただし、それは「元気に見えれば、勉強のために短くしてよい」という意味ではありません。6時間は、小学生に示されている9~12時間という目安を大きく下回ります。

「受験生なら何時間まで削れるか」ではなく、年齢に応じた目安を参考に睡眠を確保し、そのうえで朝の目覚めや日中の様子を確認していくことが大切です。

睡眠時間だけでなく、日中の子どもの様子を見る

数字だけでは判断しにくい場合には、普段のお子さまの様子も見てください。

たとえば、

・朝、何度起こしてもなかなか起きられない
・朝からぼんやりしている
・学校や塾で強い眠気がある
・帰宅するとすぐに寝てしまう
・勉強を始めても集中が続かない
・休日になると平日よりかなり長く寝ている

といった様子が続いていないでしょうか。

厚生労働省は、子どもの睡眠不足について、学業成績の低下などとの関連を示しており、小学生以降は必要な睡眠時間から逆算して寝る時間を決めることを勧めています。

中学受験をしていると、どうしても「今日何問解いたか」「偏差値はいくつだったか」「宿題を全部終えたか」といった、目に見える結果に意識が向きます。

しかし、睡眠について考えるときには、

その子が朝からきちんと動けているか。

日中に集中できているか。

毎日の勉強を無理なく続けられているか。

という状態を見ることも大切です。

ただし、朝起きられないことや日中の強い眠気を、すべて「勉強で寝不足になっているから」と決めつけないことも大切です。

厚生労働省のe-ヘルスネット「こどもの睡眠」では、子どもにも、生活習慣の改善だけでは対処できない睡眠障害があると説明されています。

睡眠時間を確保しても強い眠気が続く、いびきが目立つ、眠っている間に呼吸が止まるように見える、寝つけない状態が続くなど、気になる様子がある場合は、かかりつけの小児科などに相談してください。

これらの様子だけで特定の病気だと判断することはできません。一方で、家庭の工夫だけで解決しようと抱え込む必要もありません。受診時には、寝る時刻・起きる時刻・夜間の様子・日中の困りごとを記録して伝えると、相談しやすくなります。

睡眠不足は中学受験の勉強にどう影響する?
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「睡眠を取った方が健康によい」というだけであれば、中学受験をしているご家庭にとっては、あまり現実的な答えにならないかもしれません。

保護者の方が本当に知りたいのは、

睡眠時間を削ってでも勉強した方が、受験には有利なのか
ということだと思います。

この点については、睡眠を「勉強をしない時間」とだけ考えないことが重要です。

睡眠を削って増えた1時間が、そのまま勉強量になるわけではない

たとえば夜10時になり、
「ここで寝れば9時間眠れる。でも、あと1時間勉強すれば問題集をもう少し進められる」
という状況があったとします。

数字だけを見ると、睡眠を1時間削れば、勉強時間が1時間増えます。

そのため、
8時間睡眠+勉強1時間追加
の方が得に見えるかもしれません。

しかし、実際の学習は、それほど単純ではありません。

厚生労働省の睡眠ガイドでは、良質な睡眠を適切な時間確保することで集中力が高まり、学習効率の向上が期待できること、さらに睡眠には学習した内容の定着を助ける役割があることが説明されています。

つまり、受験勉強では、

何時間机に向かったか

だけではなく、

その時間にどのくらい集中して考えられたか

を見る必要があります。

眠くて何度も同じ文章を読み直している1時間と、頭がすっきりした状態で集中して取り組む1時間は、同じ「1時間」でも中身が違います。

中学受験 睡眠 本文図2


中学受験では勉強量も必要です。

私は自分自身の受験経験からも、十分な勉強量を確保することの重要性を否定するつもりはありません。

ただし、机に向かっている時間を増やすことと、学習できた量を増やすことは分けて考えた方がよいと思います。

睡眠も受験勉強の一部として考える

中学受験では、睡眠と勉強を反対側に置いてしまいがちです。

勉強している時間は「受験のための時間」。
寝ている時間は「勉強できない時間」。

このように考えると、勉強時間が足りなくなったとき、削れる場所として睡眠が見えてきます。

しかし、十分に眠ることで翌日の集中力を保ち、学んだ内容を定着させやすくするのであれば、睡眠も学習を支える時間です。

厚生労働省も、学力の向上と健康維持のためには、勉強時間と睡眠時間のバランスを取ることが大切だとしています。

ですから、中学受験では、
「睡眠時間を削れば、その分だけ勉強時間を増やせる」
とは考えない方がよいでしょう。

むしろ、
必要な睡眠を確保したうえで、残った時間をどう使えば学習効率を上げられるか
を考えていくことが大切です。

宿題が終わらない夜に、親が見落としやすいこと

ここまで読むと、

「睡眠が大切なのは分かった。でも、実際には宿題が終わらないから困っている」

と思われる方もいるでしょう。

私は、今回の記事で最も大切なのは、ここだと思っています。

中学受験をしている保護者の方は、睡眠の大切さを知らないから、子どもを夜遅くまで勉強させているわけではありません。

分かっているのに、寝かせる決断が難しくなるのです。

目の前の「終わっていない」に判断が引っ張られる

夜10時半。
子どもは眠そうにしている。
でも算数の宿題があと3ページ残っている。
明日は塾の授業がある。

この状況で、
「今日はもう寝よう」
と決めるのは、思っている以上に難しいものです。

宿題が残っていることは、目の前に見えています。

一方、
「ここで30分多く寝ることが、明日の集中力にどのくらいつながるのか」
は、その場では目に見えません。

すると親御さんの気持ちは、どうしても目の前の未完了に引っ張られます。

「あと少しなのだから終わらせよう」
「今日残したら、明日もっと大変になる」
「ここで妥協してよいのだろうか」
「このままで志望校に間に合うのだろうか」

こうした不安が積み重なると、
「今日の宿題を終わらせること」と「中学受験全体にとってよい選択をすること」が、いつの間にか同じになってしまいます。

しかし、この二つは必ずしも同じではありません。

今日あと30分勉強することより、今日は寝て、翌日に集中して取り組んだ方がよいこともあります。

大切なのは、

「今日予定していたことを全部終えたか」ではなく、「明日以降も含めて、この子がよい状態で学習を続けられるか」

という視点です。

夜は、親御さん自身も疲れている

もう一つ見落としやすいのが、判断する側の親御さんの状態です。

中学受験では、子どもだけが頑張っているわけではありません。

塾のスケジュールを確認する。

送り迎えをする。

食事を用意する。

学校の予定と調整する。

宿題の進み具合を見る。

模試の結果を確認する。

仕事をしながら、こうしたことを続けている保護者の方も多いでしょう。

夜10時、11時になれば、当然、親御さん自身も疲れています。

そんな状態で、

「宿題が残っている」
「子どもは眠そうにしている」
「でも受験まで時間がない」

という三つを前にして、毎回冷静に優先順位を決めることは簡単ではありません。

昼間であれば、
「今日は疲れているから早く寝かせよう」
と考えられても、夜になると、

「あとこれだけだから」
という判断に変わることがあります。

子どもを寝かせる決断が難しいからといって、親御さんが睡眠を軽く考えているとは限りません。

私は、受験への不安、目の前に残った宿題、親自身の疲れが重なると、「明日もよい状態で学べるか」よりも、「今日の宿題を終わらせたい」という気持ちに判断が引っ張られることがあると考えています。

だからこそ、中学受験の睡眠について考えるときに必要なのは、「親がもっと意志を強く持って、早く寝かせましょう」という話だけではありません。

中学受験 睡眠 本文図1


疲れた夜に、その都度正しい判断をしなくてもよい仕組みを、家庭の中に作っておくこと。

これがとても大切です。

次に、宿題が終わっていない日でも睡眠を削り続けないために、ご家庭でどのような基準を作ればよいのかを具体的に見ていきます。

睡眠を削らずに中学受験を続けるための家庭のルール

宿題が終わっていない夜に、その都度「続けるか、寝かせるか」を判断するのは簡単ではありません。

だからこそ大切なのは、夜になってから毎回判断しなくてもよい仕組みを、あらかじめ家庭の中に作っておくことです。

寝る時間を夜になってから決めない

まずおすすめしたいのは、勉強を切り上げる基準を、親子ともに余裕のある時間に決めておくことです。

たとえば、

「この時間になったら、宿題が途中でも一度終わりにする」
「眠そうな様子が強ければ、予定より早く切り上げる」

といったルールを事前に決めます。

何時がよいかは、一律には決められません。

朝起きる時間や、その子に必要な睡眠時間、塾から帰宅する時刻などによって変わるからです。

大切なのは、夜10時半になってから、

「あと30分やらせようか」
「今日はもう寝かせようか」

と迷う状態を毎日作らないことです。

親御さん自身が元気な時間に、
「わが家では、睡眠をどこまで守るのか」
という基準を決めておく。

これだけでも、夜の判断はかなりしやすくなります。

中学受験 睡眠 本文図3
宿題は「全部終わらせる」だけで考えない

中学受験の宿題は、量が多くなることがあります。

そのようなときに、
「出されたものは、すべて今日中に終えなければならない」
と考えると、最後に残る調整場所が睡眠時間になってしまいます。

しかし、その日の課題には優先順位があります。

たとえば、

・明日の授業に必要なもの
・今の子どもにとって理解が必要なもの
・もう一度復習した方がよいもの
・時間に余裕があれば取り組むもの

に分けて考えることができます。

問題集を10ページ進める予定だったとしても、眠い状態で最後まで急いで終えるより、重要な5ページを集中して理解する方がよい場合もあります。

中学受験では、量をこなすことも必要です。

ただし、「全部やった」という事実だけを優先しすぎると、何のために宿題をしているのかが見えなくなることがあります。

宿題の目的は、終わらせることではなく、必要な力を身につけることです。

毎晩終わらないなら、子どもの頑張りではなく生活全体を見る

一日だけ宿題が終わらないことはあります。

しかし、毎日のように睡眠を削らなければ課題が終わらないのであれば、私は子どもに、

「もっと早くやりなさい」
「もっと集中しなさい」

と伝える前に、生活全体を見直した方がよいと考えます。

たとえば、

・塾の宿題量が今の子どもに合っているか
・帰宅後に集中できない原因はないか
・学校の宿題との両立ができているか
・習い事が多すぎないか
・移動時間が長くなっていないか
・分からない問題で長時間止まっていないか

といったことです。

幼児教室ひまわりでも、子どもが思うように勉強できていないときに、すぐ「本人の努力不足」とは考えません。

実際に、

「塾の宿題が毎晩終わらず、寝る時間がどんどん遅くなっています」
「本人も頑張っているのですが、どうしても予定したところまで終わりません」

といったご相談をいただくことがあります。

そのようなときも、最初から「もっと集中して勉強しましょう」「勉強時間を増やしましょう」とはお伝えしません。

まず見るのは、なぜ宿題が終わらないのかです。

塾から帰ってくる時間が遅いのか。
夕食や入浴を終えると、そもそも勉強できる時間があまり残っていないのか。
分からない問題に長く時間を使っているのか。
宿題の量そのものが、今の子どもが使える時間に対して多すぎるのか。
あるいは、学校、塾、習い事まで含めると、一週間の予定そのものに余白がなくなっているのか。

こうして一つずつ分けて見ていくと、「本人がもっと頑張れば解決する」という問題ではないことがあります。

特に中学受験では、親御さんも「周りの子はこれくらいやっている」「塾から出された宿題だから全部やらなければ」と考えやすくなります。

しかし、毎晩睡眠を削らなければ成立しない計画なら、考えるべきなのは、

「どうすれば睡眠をさらに削って全部終えられるか」ではなく、「この学習計画は、今の子どもの生活の中で本当に続けられるものなのか」

ということです。

どこで時間がかかっているのか。
今の課題量が適切なのか。
そもそも生活の中に、無理なく勉強できる時間が残っているのか。

こうしたことを分けて考えてみてください。

睡眠を削らなければ毎日が回らないのであれば、問題は睡眠時間ではなく、学習計画そのものに無理がある可能性もあります。

「もっと頑張らせれば解決する」と考える前に、今の生活設計で本当に続けられるのかを見ることが大切です。

中学受験は朝型と夜型、どちらがよい?
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中学受験では、

「朝早く起きて勉強した方がよいのでしょうか」
「夜の方が集中できる子は、そのまま夜型でもよいのでしょうか」

という質問もよくあります。

以前の私は、自分自身が夜遅くまで勉強していた経験から、夜型にも大きなメリットがあると考えていました。

しかし、現在は、朝型か夜型かだけで受験に有利・不利を決める必要はないと考えています。

大切なのは、

・必要な睡眠時間を確保できているか
・朝に無理なく起きられているか
・学校や塾で眠くなっていないか
・日中に集中して学べているか

ということです。

夜の方が勉強しやすい子であっても、そのために睡眠時間が大きく不足しているのであれば、生活リズムを見直した方がよいでしょう。

反対に、「受験生だから朝型にしなければ」と考えて、十分に眠れていないのに無理に早起きをする必要もありません。

朝型か夜型かという言葉より、
その生活で、子どもが一日を通して力を発揮できているか
を見てください。

中学受験の直前期こそ睡眠と生活リズムを崩さない

受験が近づくと、

「あと少しだから」
「最後にこの単元だけでも」

と、睡眠時間を削って勉強したくなることがあります。

しかし、入試直前に大切なのは、勉強時間を最大まで増やすことだけではありません。

これまで身につけてきた力を、本番で出せる状態に整えることも大切です。

また、入試が朝から行われるからといって、前日だけ急に早く寝たり、数日前から急に朝型へ切り替えたりするのではなく、少し前から安定した生活リズムを作っておく方がよいでしょう。

受験直前になるほど親御さんも不安になります。

「まだ足りないところがある」と思うと、最後まで勉強させたくなるかもしれません。

そんなときこそ、

「今から何を追加するか」だけではなく、「本番で力を出すために何を守るか」

という視点を持ってください。

中学受験と睡眠についてよくある質問

Q.中学受験生は6時間睡眠でも大丈夫ですか?

小学生に6時間睡眠を一律に勧めることはできません。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」では、小学生は9〜12時間を参考に睡眠時間を確保することが推奨されています。

私自身は中学受験時代に6時間程度の睡眠で勉強していた時期がありますが、それは一人の受験生としての経験です。

「灘中学に合格した人が6時間睡眠だったから、6時間でよい」とは考えないでください。

必要な睡眠時間には個人差がありますが、元気に見えることだけを理由に、6時間で十分と判断しないでください。小学生の9~12時間という目安を参考に睡眠を確保し、朝の目覚めや日中の様子も併せて確認することが大切です。


Q.宿題が終わっていなくても寝かせた方がよいですか?

基本は、あらかじめ決めた勉強の終了時刻になったら、宿題が途中でも切り上げることです。眠気が強い日は、予定より早く終えることも考えてください。

大切なのは、宿題が残るたびに就寝時刻を延ばすのではなく、必要な睡眠を確保できる時間の中で、課題の量や優先順位を調整することです。

終わらない日が続く場合は、残った宿題を翌日にすべて積み増す前に、塾の先生へ相談しましょう。

たとえば、「帰宅は午後○時で、就寝までに勉強できるのは○分ほどです。算数のこの単元に時間がかかっています。必ず取り組む問題と、後日に回してよい問題を教えてください」と、使える時間と困っている箇所を具体的に伝えます。

課題の優先順位を保護者だけで判断する必要はありません。睡眠を確保できる生活を前提に、本人・家庭・塾で学習計画を調整することが大切です。


Q.中学受験は朝型と夜型のどちらが有利ですか?

朝型・夜型だけで受験の有利不利を決めることはできません。

どちらの生活であっても、必要な睡眠時間が確保でき、学校や塾で集中して学べていることが大切です。

ただし、入試は朝から始まることが多いため、本番が近づいてきたら、試験時間に力を発揮できる生活リズムになっているかも確認しておきましょう。


Q.夜遅くまで勉強するなら、何時までがよいですか?

「中学受験生は何時まで」と、全員に共通する時刻を決めることはできません。

寝る時間だけを見るのではなく、翌朝何時に起きる必要があり、そこから必要な睡眠時間を確保できるかを考えてください。

毎晩「あと少し」と就寝時刻が後ろにずれていく場合には、勉強を始める時間や宿題量そのものを見直すことも必要です。

まとめ|今日の宿題より、明日も学べる状態を見る

中学受験をしていると、宿題が終わっていない夜に、

「このまま寝かせて本当に大丈夫なのだろうか」

と不安になることがあります。

睡眠が大切だと分かっていても、目の前には終わっていない課題がある。

さらに夜になれば、子どもだけでなく親御さん自身も疲れています。

その状態で毎晩判断をすると、どうしても「今日終わっていないこと」に気持ちが引っ張られやすくなります。

だからこそ、睡眠については、夜になってからその都度決めるのではなく、親子ともに余裕がある時間に基準を決めておくことが大切です。

そして、毎晩睡眠を削らなければ宿題が終わらないのであれば、子どもにもっと頑張らせる前に、課題量や生活全体を見直してみてください。

中学受験で大切なのは、今日の宿題をすべて終えることだけではありません。

明日も、その翌日も、そして入試当日も、子どもが持っている力を発揮できる状態を作る。

睡眠も含めて学習環境を整えることまでが、中学受験の準備だと私は考えています。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

幼児教室ひまわりの無料メールマガジンでは、中学受験や難関校を視野に入れるご家庭に向けて、家庭学習の進め方や、子どもが力を発揮できる生活環境を整える親の関わり方をお届けしています。

今回のように、「宿題が残っているのに寝かせてよいのか」「睡眠を守ると勉強時間が足りない」と迷う場面でも、大切なのはその夜に全部終わらせることだけではなく、明日も学べる状態を考え、勉強を切り上げる基準や課題の優先順位をあらかじめ決めておくことです。

睡眠を守りながら必要な学習を続けるために、家庭で何を優先し、どう調整すればよいか知りたい方は、ぜひ参考になさってください。

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