子供が勉強に集中できない原因は?ダラダラ勉強を変える親の関わり方

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子供が勉強に集中できない原因は?ダラダラ勉強を変える親の関わり方

最終更新日 2026年08月25日

集中できない ヘッダー画像


記事執筆者:熊野貴文
幼児教室ひまわり塾長・医師。灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部に現役合格し、大学在学中は塾講師・学習アドバイザーとして約1,100人を指導。自ら難関受験を経験した子供側の視点と、保護者への教育相談、東大・医学部へ導いた親や各分野の専門家の知見をもとに、今のわが子に何を優先し、どう実践するかを具体的に発信している。


幼児教室ひまわりの熊野です。

「宿題を始めても、すぐに鉛筆が止まる」

「机には座っているのに、いつまでたっても終わらない」

「何度『集中して』と言っても、また別のことを始めてしまう」

「ゲームなら長く続けられるのに、勉強になるとすぐ集中が切れる」

「毎日の宿題が、親子ともに疲れる時間になっている」

このようなお悩みは、幼児教室ひまわりでもよく伺います。

子どもがダラダラ勉強している姿を毎日見ていると、

「うちの子は集中力がないのではないか」

「このままで学年が上がったときに大丈夫なのだろうか」

「もっと長く机に座れるようにした方がよいのではないか」

と心配になるのも自然なことだと思います。

幼児教室ひまわり塾長として、これまで約1100人のお子さまの指導に関わってきましたが、私はこのようなご相談を受けたとき、すぐに「集中力がない」とは考えません。

同じように机の前で手が止まっていても、その理由は一人ひとり違うからです。

遊びから勉強への切り替えに時間がかかっている子もいます。

問題が難しくて、何をすればよいのか分からず止まっている子もいます。

周囲のものが気になって、意識がそれていることもあります。

課題量が多すぎて、途中で疲れている場合もあります。

つまり、

ダラダラ勉強している=集中力がない

とは限りません。

子どもの集中力を高めたいときに、最初に考えていただきたいのは、「どうすれば長く机に座らせられるか」ではありません。

この子は、どこで集中が切れているのだろう。どのような条件なら集中できるのだろう。

そこを見ることが第一歩です。

この記事では、子供が勉強に集中できない原因を整理したうえで、ダラダラ勉強を減らし、家庭で集中しやすい状態を作るための具体的な方法をお伝えします。

【この記事で分かること】

  • 子供が勉強に集中できない主な原因
  • ダラダラ勉強している子を「集中力がない」と決めつけない方がよい理由
  • 勉強を始めるまでに時間がかかるときの考え方
  • 問題の難しさ、課題量、環境、疲れが集中に影響する理由
  • 子どもが集中できる条件を家庭で見つける方法
  • 勉強に集中しやすくなる家庭での5つの工夫
  • 「集中して」と言う前に見直したい親の関わり方
  • 集中が切れても、また学習に戻れる力を育てる考え方
子供が勉強に集中できないとき、最初に見てほしいこと

子どもが勉強に集中できないと、

「この子は昔から集中力がない」

「落ち着きがない性格なのかもしれない」

と考えてしまうことがあります。

しかし、ここで集中できないことを子どもの性格や能力だけの問題にしてしまうと、本当の原因を見落としてしまうことがあります。

当教室副塾長の上田先生も、3人の子どもを育てる中で、「集中力がない」と固定的に見るのではなく、集中する力も子どもの成長の中で少しずつ育っていくものと考えてきました。

もちろん、子どもが勉強に集中できない理由が、すべて集中する力そのものにあるわけではありません。

環境が合っていないこともあります。

課題が難しすぎることもあります。

疲れていることもあります。

だからこそ、「集中力がない」と決めつけるのではなく、

「どのくらいなら集中して取り組めているか」

「どの教科なら進みやすいか」

「どの時間帯なら集中しやすいか」

「どんな場面で手が止まりやすいか」

を見てみてください。

親としては、もっと長く勉強してほしいと思うこともあるでしょう。

しかし、今できている集中を見ずに、できていない時間だけを問題にすると、子どもの現在地が分からなくなります。

まずは、

「この子は、今どのような条件なら集中できているのだろう」

と考える。

そこから勉強の環境や進め方を整えていくことが大切です。

集中できない 図1
ダラダラ勉強していても、集中できない原因は子どもによって違う

ここからは、子供が勉強に集中できないときに、家庭でまず確認したい主な原因を見ていきます。

1.勉強を始めるまでの切り替えに時間がかかっている

「宿題をやりなさい」と声をかけてから、実際に始めるまでにかなり時間がかかる。

このような場合、勉強中の集中力というよりも、遊びや休憩から勉強へ切り替えるところにつまずいている可能性があります。

ゲームや動画を楽しんでいるところから、

「今すぐ宿題をしなさい」

と言われても、子どもにとっては気持ちを急に切り替えなければなりません。

何度声をかけても動かないと、

「どうしてすぐ始められないの?」

とイライラしてしまうこともあると思います。

そのようなときは、「宿題をする」という大きな指示だけではなく、始めるタイミングや最初に取り組むことを具体的にします。

たとえば、

「おやつが終わったら算数を始めよう」

「18時になったら机に座ろう」

「まず、このページからやろう」

というようにします。

「集中できない」のではなく、「始めるところで止まっている」と分かれば、必要な対応も変わります。

2.周囲に気が散るものがある
周囲の刺激で集中できない

勉強中の環境も、一度確認してみてください。

テレビがついている。

目の前に玩具が置いてある。

ゲーム機が見える場所にある。

家族が横で動画を見ている。

大人でも、目の前に気になるものがあれば意識がそれることがあります。子どもであれば、周囲の刺激に注意が向きやすいこともあります。

また、小学生、特に低学年のお子さまの場合には、視界に入るものだけでなく、机や椅子が身体に合っているかも見ておきたいところです。

上田先生は、3人の子育てをする中で、低学年の時期には、子ども自身に「集中しなさい」と求める前に、集中しやすい環境を整えることを大切にしてきました。

たとえば、椅子に座ったときに足が床につかず、ぶらぶらしていないか。

足元が安定しない場合には、踏み台を置くこともできます。

机に対して椅子の高さが合っているか。

自然に書きやすい姿勢を取れるか。

視界に玩具やゲームなど、気になるものが入っていないか。

こうしたことは、一つひとつを見ると小さな工夫です。

しかし、子どもに何度も「集中して」と言う前に、

大人が変えられる環境を整えてみることは、とても大切です。

3.問題が分からなくて手が止まっている

幼児教室ひまわりでも、子どもが問題を前にしてぼんやりしていると、保護者の方から、

「全然集中していないんです」

と相談されることがあります。

しかし、話を聞いたり、どこで手が止まっているのかを見たりすると、集中していないのではなく、

「問題の意味が分からない」

「どの式を使えばよいのか分からない」

「最初に何をすればよいのか分からない」

という場合があります。

親から見ると、鉛筆が止まっているという現象は同じです。

そのため、何度も手が止まっていると、

「ちゃんと問題を読んでいる?」

「もっと集中して考えて」

と言いたくなることもあるでしょう。

ただ、この場合に必要なのは、集中力を高めることではありません。

どこで理解が止まっているのかを見つけることです。

「どこまでは分かった?」

「どこから難しくなった?」

「問題では何を聞かれているのかな?」

と聞いてみると、子どもの現在地が見えてきます。

集中していないように見えた子が、少しヒントを出しただけで再び問題に取り組み始めることもあります。

つまり、

集中力の問題なのか、理解の問題なのかを分けて考える。

これは、家庭学習を見るうえで非常に大切なポイントです。

集中できない 図2
4.勉強時間や課題量が多すぎる

子どもの集中力を高めたいと考えると、

「もっと長く勉強できるようにした方がよいのでは」

「1時間くらいは座れるようになった方がよいのでは」

と、勉強時間を長くする方向へ考えやすくなります。

しかし、長く机に座っていることと、長く集中していることは同じではありません。

机に向かっている時間が長くても、その大半で手が止まっているのであれば、子どもにも親にも負担が大きくなります。

特に小学生の子どもが勉強に集中できないときには、

「どれだけ長く座れたか」

だけではなく、

「どのくらいの時間なら実際に考えて取り組めているか」

を見ることが大切です。

また、課題量そのものが多すぎると、

「まだこんなに残っている」

という気持ちから集中が切れることもあります。

この場合には、集中力を鍛えることより、課題の量や区切り方を見直した方がよいことがあります。

具体的な区切り方については、後ほど詳しくお伝えします。

5.疲れや生活リズムの影響を受けている

昨日は集中できていたのに、今日はなかなか進まない。

このような日もあります。

学校でたくさん活動した日。

習い事から帰ってきた日。

睡眠時間が足りなかった日。

子どもの状態は毎日同じではありません。

そこで、

「昨日はできたのだから今日もできるはず」

「今日はやる気がない」

と判断してしまうと、その日の状態を見落としてしまいます。

日によって集中できる時間が大きく違う場合には、

「今日は疲れていないかな」

「この時間帯は勉強しにくいのかな」

という視点も持ってみてください。

厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」でも、睡眠に関する推奨事項や参考情報が整理されています。また、e-ヘルスネット「こどもの睡眠」でも、子どもの睡眠は生活リズムや日中の活動に関わるものとして説明されています。

そのため、子どもが勉強に集中できない日があるときには、すぐに「やる気がない」と考えるのではなく、前日の睡眠、学校や習い事での疲れ、帰宅後の予定の詰まり方も見ておきたいところです。

勉強に向かう力は、机に座った瞬間だけで決まるものではありません。学べる身体と気持ちの状態を整えることも、家庭学習を支える大切な土台です。

場合によっては、少し休んでから始めた方がよいこともあります。

集中できないことを、すぐに本人の努力不足に結びつけない。

その日の身体や気持ちの状態を見ることも必要です。

6.勉強に苦手意識や嫌な感情がある

勉強に対して、

「また間違えたら嫌だ」

「どうせ自分にはできない」

「分からないと怒られる」

という気持ちがあると、問題に向かうこと自体が負担になります。

この場合も、外から見ると、

「集中していない」

「やる気がない」

ように見えることがあります。

しかし、本当は勉強を避けたい気持ちが強くなっているのかもしれません。

特に、分からない問題が出るたびに注意されたり、間違えることを強く責められたりすると、子どもは問題そのものより、

「また間違えるかもしれない」

「また怒られるかもしれない」

ということを気にするようになります。

この状態で、

「集中しなさい」

と言われても、目の前の問題にはなかなか意識を向けられません。

そのような場合には、長く座らせることよりも、

安心して「分からない」と言えること、間違えてもやり直せることの方が先です。

子供の集中力について親が見落としやすいこと

ここまで見てきたように、子どもが勉強に集中できない理由は一つではありません。

ところが、毎日ダラダラしている姿を見ていると、どうしても、

「もっと集中させるにはどうしたらよいか」

というところから考えてしまいます。

ここでは、子どもの集中力について、保護者の方が見落としやすいことを整理します。

1.ダラダラしている=集中力がないと思ってしまう

今回、最もお伝えしたいのがここです。

机に座っているのに進まない。

宿題に時間がかかる。

何度も手が止まる。

このような姿を見ると、

「集中力がない」

という一言でまとめたくなります。

しかし、

始めるところで止まっているのか。

難しいところで止まっているのか。
疲れて止まっているのか。

によって対応は違います。

幼児教室ひまわりでも、「集中できない」というご相談を受けたときに、まず見るのは集中力の有無ではありません。

どの場面で集中が崩れているのか。

ここから確認します。

2.長く机に座らせれば集中力がつくと思ってしまう

長く勉強できる子を見ると、

「うちの子も、もっと長く座らせた方がよいのでは」

と思うかもしれません。

しかし、長時間机に座ることそのものを目標にしてしまうと、勉強が「長く我慢する時間」になることがあります。

大切なのは、

机にいた時間ではなく、その中でどれだけ実際に考えられていたか

です。

まず今できている集中を生かし、そこから勉強の進め方を整えていきます。

3.「集中しなさい」と言えば集中できると思ってしまう

親からすると、

「集中して」

という言葉には、

「よそ見をせず、手を動かして、目の前の問題に取り組もう」

という意味が含まれています。

しかし、子どもからすると、「集中する」が具体的に何をすればよいのか分かりにくいことがあります。

その場合には、

「まずこの3問までやろう」
「ここまで終わったら一度休もう」

と、具体的な行動に変えて伝える方が分かりやすくなります。

「集中しなさい」と何度も注意するより、

集中しやすい行動を示す

ことが大切です。

4.ゲームに集中できるなら勉強にも集中できるはずだと思ってしまう

「ゲームなら長くできるのに、勉強はどうしてすぐに集中が切れるの?」

このように感じる保護者の方も多いと思います。

しかし、ゲームと勉強では条件が違います。

ゲームは、自分からやりたいと思って始めることが多く、次に何をすればよいかが分かりやすく、行動に対する反応もすぐに返ってきます。

一方、勉強では、

問題が難しい。

答えが合っているか分からない。

間違えるのが不安。

何から手をつければよいのか分からない。

ということがあります。

そのため、

「ゲームに集中できるのだから、勉強では本気を出していない」

と単純に判断しない方がよいでしょう。

むしろ、

「ゲームでは、なぜ集中できているのだろう」

「勉強では、どこで集中が切れているのだろう」

と違いを見る方が、解決へのヒントになります。

5.集中できないのは本人の努力不足だと思ってしまう

子どもが何度もよそ見をしていると、

「もっと頑張って」

「やる気を出して」

と言いたくなることもあります。

しかし、その前に、

・環境は合っているか
・課題は難しすぎないか
・課題量は多すぎないか
・疲れていないか
・勉強の進め方は合っているか

を一度確認してみてください。

本人が努力して変えなければならないことだけではなく、

親が環境や学習方法を少し変えることで改善できることもあります。

「集中力がない子を何とかする」

と考えるのではなく、

「この子が集中しやすい条件を一緒に探す」

と考える。
私は、この視点がとても大切だと思っています。

子供が勉強に集中しやすくなる家庭での5つの工夫

ここまで見てきたように、子どもが勉強に集中できない理由は一つではありません。

そのため、「集中力を高めるには、この方法をすればよい」と一つのやり方を当てはめるのではなく、お子さまがどのような条件なら集中しやすいのかを見ながら工夫していくことが大切です。

ここからは、家庭で取り入れやすい方法を具体的にお伝えします。

1.まず「何分なら集中できるか」を知る

子供の集中力を高めたいとき、最初から30分、1時間と長く集中させようとする必要はありません。

まず見てほしいのは、

今のお子さまは、どのくらいの時間なら集中して取り組めているのか

ということです。

10分くらいなら手が止まらない。
15分を過ぎるとよそ見が増える。

得意な教科ならもう少し長く取り組める。

このように見ていくと、その子なりの集中しやすい時間が分かってきます。

たとえば15分ほどなら集中できるのであれば、まずその15分を一つの区切りとして考えます。

短く勉強したあとに、少し姿勢を変える。

音読など別の活動を挟む。

必要であれば短い休憩を入れる。

そして、また次の課題へ戻ります。

ここで、

「15分しか集中できない」

と考える必要はありません。

「15分なら集中できる」

と考えてください。

今できている集中をうまく使うところから始めた方が、その子に合った勉強の進め方を作りやすくなります。

2.課題を短く区切り、終わりを見えるようにする

宿題をダラダラやってしまう子には、

「宿題を全部終わらせよう」

という言葉が、大きすぎる目標になっていることがあります。

子どもからすると、

「まだこんなにある」

「いつ終わるのだろう」

と感じ、始める前から気持ちが重くなることもあります。

そのような場合には、

「まず算数を3問やろう」

「このページまでやったら一度休もう」

「まず10分だけやってみよう」

と、課題を小さく区切ります。

大切なのは、

何を、どこまでやれば一区切りなのか

を子どもにも分かるようにすることです。

集中できない 図3


これは、宿題を減らして楽をさせるという意味ではありません。

最終的に同じ量を取り組むとしても、一度に全部を見せるのではなく、集中しやすい単位に分けて進めます。

大人でも、終わりが見えない仕事より、「まずここまで」と区切られている仕事の方が取りかかりやすいものです。

子どもの勉強でも同じです。

3.勉強する順番をその子に合わせる

どの教科から始めるかも、集中のしやすさに影響することがあります。

たとえば、勉強を始めた直後から難しい算数の文章題に取り組むと、最初から手が止まってしまう子がいます。

そのような場合には、

・計算など手を動かしやすい問題
・得意な教科
・音読など取りかかりやすいもの

から始めてみる方法があります。

少し頭が動き始めてから難しい課題へ進むと、入りやすくなる子もいます。

反対に、

「嫌なものを先に終わらせた方が、その後は気持ちよく勉強できる」

という子もいます。

ここでも、正しい順番が一つあるわけではありません。

どの順番なら、その子が勉強に入りやすく、集中を続けやすいのかを見てください。

毎日同じところで手が止まるのであれば、勉強内容だけでなく、取り組む順番を変えてみることも一つの方法です。

4.姿勢と視界を整える

前半でもお伝えしましたが、特に低学年では、本人に集中を求める前に勉強する環境を整えることが大切です。

たとえば、

・足が床や踏み台についているか
・机と椅子の高さが合っているか
・無理なく書ける姿勢になっているか
・机の上に必要のないものが置かれていないか
・視界に玩具やゲームなどが入っていないか

を確認します。

親から見ると、

「そんなことで変わるのかな」

と思うような小さなことかもしれません。

しかし、子どもに何度も、

「姿勢を正して」

「よそ見しないで」

「集中して」

と言わなければならない状態なら、まず環境側で減らせる負担がないかを考えてみてください。

子ども自身の努力だけに任せず、大人が整えられるところは整える。

それも集中しやすい状態を作るための大切な工夫です。

5.集中できた行動を具体的に認める

子どもが集中して取り組めたときには、その行動を具体的に言葉にしてあげてください。

「すごいね」

「偉いね」

だけで終わらせるのではなく、

「今日は自分から始められたね」

「この10分は手を止めずに考えていたね」

「難しい問題でも、すぐにやめずに取り組めたね」

「一度休んだけれど、自分で戻って最後までできたね」

というように伝えます。

こうすると、子ども自身も、

「こうすると勉強しやすいんだ」

「前より集中できるようになった」

と、自分の変化に気づきやすくなります。

集中力は、「集中しなさい」と叱ることで急に身につくものではありません。

今できていることを本人も自覚しながら、

「自分は集中して取り組める」

という経験を少しずつ増やしていくことが大切です。

幼児教室ひまわりでは「集中できません」と相談されたとき、ここを見ています

幼児教室ひまわりでも、

「子どもが宿題に集中できません」

「毎日ダラダラしていて、宿題がなかなか終わりません」

「何度注意しても、すぐに手が止まってしまいます」

「親が横についていないと勉強が進みません」

というご相談を受けることがあります。

中には、

「最初は優しく声をかけているのですが、毎日同じことの繰り返しで、最後には『早くしなさい』と怒ってしまいます」

とお話しになる保護者の方もいます。

毎日忙しい中で宿題を見ていて、いつまでも終わらなければ、親御さん自身が疲れてしまうのも当然です。

「早く終わらせてほしい」

「もう少し集中してくれたら」

と思う気持ちはよく分かります。

ただ、私たちはこのようなご相談を受けたときに、最初から、

「もっと集中力をつけましょう」

「長く机に座れるようにしましょう」

とはお伝えしていません。

まず確認するのは、

どこで集中が崩れているのか

ということです。

たとえば、

・勉強を始めるまでに時間がかかるのか
・始めれば何分くらいは取り組めるのか
・どの教科で手が止まりやすいのか
・難しい問題になったときに止まるのか
・得意な問題なら進められるのか
・親が横にいるときと、いないときで違うのか
・学校から帰った直後と休日では違うのか
・課題量を減らすと取り組み方が変わるのか
・机や椅子など、勉強する環境は合っているのか

といったことを一つずつ見ていきます。

すると、同じ「集中できない」というご相談でも、必要なアドバイスは変わります。

たとえば、周囲のものが気になっているのであれば、まず環境を整えます。

ある程度の時間を過ぎると集中が切れるのであれば、長く座らせるより、学習を小さく区切る方法を考えます。

難しい問題になると止まるのであれば、集中力ではなく、問題の理解や課題の難易度を確認します。

勉強を始めるところで毎日つまずくのであれば、始める時間や最初に取り組む課題を決めることから考えます。

また、親御さんが心配するあまり、

「早くして」

「集中して」

「まだ終わらないの?」

と頻繁に声をかけることで、かえって子どもの意識が問題から親の言葉へ移ってしまうこともあります。

そのような場合には、声をかける回数を減らし、区切りまで見守る方法をお伝えすることもあります。

つまり、

「集中できない」という一つの現象に、全員同じ解決策を当てはめるわけではありません。

ここは、私たちが保護者の方にお話しするときにも、とても大切にしているところです。

子どもがダラダラしている姿を見ると、

「集中力がない。だから集中力を高めなければ」

という順番で考えてしまいがちです。

しかし、一度、

「なぜ、この場面では集中できないのだろう」

と考えてみてください。

すると、本人を叱る以外にも、

環境を変える。

課題を区切る。

勉強する順番を変える。

時間帯を変える。

少し休んでから始める。

といった選択肢が見えてきます。

子ども本人を変えようとする前に、まず親が変えられる条件を探してみる。

それだけで、家庭学習の様子が変わることもあります。


幼児教室ひまわりで実際に受けた複数のご相談をもとに、個人が特定されない形で整理すると、次のようなケースがあります。

実際のご相談でも、宿題に毎日1時間以上かかり、保護者の方が「集中力がなさすぎるのではないか」と悩まれていたケースがありました。

しかし、詳しく様子を伺うと、お子さまは最初からまったく集中できないわけではありませんでした。最初の10分ほどは取り組めていましたが、量が多く見えると途中で気持ちが切れ、分からない問題が出ると手が止まり、そのまま時間だけが過ぎていたのです。

この場合、必要なのは「もっと集中しなさい」と声をかけることではありません。まず宿題を一度に全部見せるのではなく、「まず3問だけ」「ここまで終わったら一度休む」と区切ること。そして、分からない問題が出たときには、責めるのではなく「どこまでは分かった?」と確認することを提案しました。

集中力がないように見えても、実際には、課題の見え方、分からない問題への不安、休憩の取り方が合っていないだけのことがあります。だからこそ、家庭では「何分なら集中できているか」「どこで手が止まるか」を分けて見ることが大切です。

集中力は「切れないこと」より「戻れること」も大切

集中力のある子と聞くと、

「30分、1時間と、一度もよそ見せずに勉強できる子」

をイメージするかもしれません。

もちろん、学年が上がり学習量が増えてくれば、ある程度まとまった時間取り組む力も必要になります。

ただ、私は集中する力を育てるうえで、もう一つ大切なことがあると考えています。

それは、

集中が切れたあとに、もう一度勉強へ戻れることです。

集中できない 図4


大人でも、長い時間ずっと同じ集中状態を保てるわけではありません。

疲れれば少し休む。

気持ちを切り替える。

そして、もう一度目の前のことへ戻ります。

子どもも同じです。

10分集中できた。

少し休んだ。

また次の課題に取り組めた。

最初はそれでも構いません。

大切なのは、集中が一度切れたことだけを見て、

「今日も集中できなかった」

と評価しないことです。

一度休んだあと、自分から机へ戻れたのであれば、それも大切な変化です。

一度も集中が切れないことだけを目標にせず、集中が切れたときに自分に合った方法で学習へ戻れる力も育てていく。

この力は、学年が上がり、勉強しなければならない時間が長くなったときにも役立ちます。

なお、家庭で環境や課題量を整えても、強い困りごとが続く場合は、家庭だけで抱え込まないことも大切です。

たとえば、学校でも家庭でも極端に集中が続かない、忘れ物や提出物の困りごとが長く続いている、睡眠や食欲に大きな変化がある、勉強になると強い不安や涙が出る、親子ともに疲れ切っているという場合には、学校の先生、スクールカウンセラー、小児科、自治体の子育て相談などに相談してみてもよいでしょう。

こども家庭庁も、子ども本人や子育て中の保護者が利用できる相談窓口を案内しています。集中できないことを、親子だけの努力不足として抱え込まず、必要なときには周囲の力を借りることも大切です。

まとめ|「集中力がない」と決めつける前に、集中できる条件を探す

子どもがダラダラ勉強している姿を見ると、

「もっと集中力を高めなければ」

「もっと長く机に座れるようにしなければ」

と考えたくなるかもしれません。

しかし、子供が勉強に集中できない理由は一つではありません。

勉強を始めるところで止まっているのかもしれません。
周囲に気になるものがあるのかもしれません。
問題が難しくて、何をすればよいか分からないのかもしれません。
課題量が多すぎることもあります。
疲れている日もあります。
勉強そのものに苦手意識を持っていることもあります。

だからこそ、

「この子は集中力がない」

という一言で終わらせないでください。

幼児教室ひまわりでも、「集中できません」というご相談を受けたときには、

「何分くらいなら集中できているのか」
「どこで手が止まるのか」

「どのような環境なら取り組みやすいのか」

「どんな勉強の進め方なら続けやすいのか」

を一つずつ見ています。

子どもの集中力を高めたいとき、最初に必要なのは、長く机に座らせることではありません。

「この子は、どんな条件なら集中できるのだろう」

と見てあげることです。

今ある集中できる時間を大切にしながら、環境、課題の量、勉強の順番、休憩の取り方などを少しずつ整えていく。

そして、集中が切れても、また学習へ戻る経験を積み重ねていく。

その積み重ねが、子どもが少しずつ自分で集中して学べるようになるための土台になります。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

幼児教室ひまわりの無料メールマガジンでは、家庭学習で子どもの学力と思考力を育てたいご家庭に向けて、集中できない原因の見つけ方や、家庭で学びやすい環境を整える親の関わり方をお届けしています。

今回のように、「勉強中にすぐ手が止まる」「机には座っているのにダラダラしてしまう」「何度集中してと言っても変わらない」と迷う場面でも、大切なのは長く机に座らせることだけではなく、始めるところで止まっているのか、課題が難しすぎるのか、環境や疲れが影響しているのかを見ていくことです。

子どもの集中力を責めるのではなく、家庭学習の中で集中しやすい条件を整え、自分で学びに戻れる力を育てていきたい方は、ぜひ参考になさってください。

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