中学受験の理科の成績を上げる勉強法
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2022年10月14日
「苦手な理科を克服するには?」「理科の成績を上げる勉強法は?」中学受験の理科の勉強法について、灘中学、大阪大学医学部に合格した塾長の私の体験を踏まえて解説いたします。
中学受験の理科とは
中学受験の理科は「生物」「地学」「物理」「化学」の4つの分野にわたります。
それぞれ、どのような学習内容が含まれているか確認してみましょう。
■生物
植物、動物、人体、進化
■地学
太陽、月、星、天気、川、地層と岩石、環境問題
■物理
水溶液、気体、物の燃え方、状態変化
■化学
力とばね、てこ・滑車・輪軸、ふりこ、電気、磁石、音と光、熱
このように、勉強する範囲がとても広いため、理科を苦手としているお子さまも多いかと思います。
そこでこちらのページでは、「成績が上がらない理科の勉強法」と「成績が上がる理科の勉強法」に分けて解説していきます。
【参考情報】科学的な説明ができる児童を育む理科学習指導
成績が上がらない理科の勉強法
それではまずは、「中学受験で成績が上がらない理科の勉強法」について解説いたします。
こちらの3つです。
1.用語を覚えるだけで意味を理解していない
2.正解しただけで満足してしまう
3.計算問題の数をこなせていない
1つずつ解説していきますね。
1.用語を覚えるだけで意味を理解していない
理科の4つの分野のうち、特に「生物」や「地学」では、覚えなければならない用語がたくさんあります。
ただし、用語を覚えるだけでいいと思っていては、成績は上がりません。
問題の正解となる用語の意味はもちろん、設問の文中や選択肢に出てくる用語の意味を「正確に」理解する必要があります。
ある用語が出てきたら「この用語はどんな時に使うものなのか」ということを常に意識して覚えることが大切です。
2.正解しただけで満足してしまう
問題を解いて正解すると、それで満足してしまいがちです。
大事なのはその「問題の本質を理解する」ことです。
たとえば選択肢問題はそれぞれの選択肢において、
「なぜウが正解なのか」「ア、イ、エはなぜ間違っているのか」を自分で把握していないと問題の本質を理解しているとは言えないでしょう。
3.計算問題の数をこなせていない
計算問題は、公式さえ覚えればいいと思いがちです。
ところが問題演習量が少ないと、計算力が弱く時間切れになってしまいます。
これは算数でも同じことが言えるでしょう。
「問題の意味や解き方が分かるのに時間内に解けない」といったことが無いように、計算問題の数をこなして計算力をつける必要があります。
成績が上がる理科の勉強法
それでは次に、「中学受験で成績が上がる理科の勉強法」をお伝えします。
こちらの3つです。
1.用語の暗記はイメージで覚える
2.計算問題は根本原理を理解する
3.アウトプットを重視する
こちらも1つずつ解説していきます。
1.用語の暗記はイメージで覚える
先ほどお伝えしたように、中学受験の理科ではたくさんの用語を覚えなくてはなりません。
やみくもに暗記しようとしても、なかなか覚えられるものではないです。
そのため、記憶に定着しやすいように、暗記に工夫が必要になります。
たとえば用語を「グループ化する」「順番に並べる」「対比させる」などして、それぞれの用語を関連付けて覚えるのが効果的でしょう。
この時に図を使いながら覚えると、脳により定着させることができます。
自分で図を描けるようになれば万全と言えるでしょう。
2.計算問題は根本原理を理解する
理科の計算問題は、ただ公式どおりに計算すれば良いというものではありません。
問題文や設問をよく読んで「計算に必要な条件」を読み落とさないようにすることが大切です。
「この問題は何を求めているのか」「どのような解き方をすればよいのか」といった設問の根本を理解しましょう。
やみくもに計算を始めるのではなく、最初に「問題の意味と計算の手順」を確認してから解くことが重要になってきます。
3.アウトプットを重視する
どんな勉強にも当てはまることですが、勉強は「インプット」と「アウトプット」の繰り返しです。
始めに知識をインプットし、次に問題を解くなどしてアウトプットします。
成績を上げるためには、アウトプットを重視することです。
ただしアウトプットは、ただ問題を解けば良いというものではありません。
確実に理解する(身につける)レベルにまで行くためには、「人に説明できるようになること」です。
今まで紹介してきたような以下の点について、人に説明できるようになれればきちんと理解していると言えるでしょう。
・用語の正確な意味
・用語のグループ、順番、対比
・選択問題でなぜその選択肢が正解なのか、なぜその選択肢が不正解なのか
・計算問題の意味と計算手順
【参考情報】理科の苦手、どう克服する? [中学受験 5年生]
理科の分野別チェックリスト
以上を踏まえて、中学受験の理科の勉強について、押さえておくべき分野別チェックリストとしてまとめておきます。
よろしければ、参考になさってください。
生物
- 知識量がものを言います。
- 自分で表や図を作って始めに大きな枠組みを把握しましょう。
- 全体 ⇒ 細部へ覚えていくようにすると理解が深まります。
地学
- 生物と同様に知識量が必要です。
- 特に天体については、地球上からと宇宙からの「視点」を意識することが大切です。
- 簡単でいいので、図を使って思考の整理をしておくと良いでしょう。
物理
- 計算問題が多いので、とにかく演習をこなすことが大切です。
- 基礎問題を早く確実に解けるようにしておきましょう。
- てこや滑車などの力学分野においては、図で整理するのがおススメです。
化学
- 物理と同様に計算問題の演習は積んでおきましょう。
- 実験の手順などは、実際に実験を経験してみると良いでしょう。
- 実験することが難しいときなどは、動画をみておくのがおススメです。
「知識」と「計算力」の両方を押さえる
中学受験の理科は「知識」と「計算力」の両方が求められる教科で、バランスが重要と言えます。
こちらのページで紹介してきたような正しい勉強方法ですすめていけば、短期間で成績を上げることは十分可能です。
4つの分野の押さえるべきポイントを把握し、苦手意識を取り除き、正しい勉強を取り組むように親御さんが導いてあげることをオススメします。
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