中学受験がしんどいときは?続ける・やめる前に親子で見直すこと
最終更新日 2026年10月07日
記事執筆者:熊野貴文
幼児教室ひまわり塾長・医師。灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部に現役合格し、大学在学中は塾講師・学習アドバイザーとして約1,100人を指導。自ら難関受験を経験した子供側の視点と、保護者への教育相談、東大・医学部へ導いた親や各分野の専門家の知見をもとに、今のわが子に何を優先し、どう実践するかを具体的に発信している。
幼児教室ひまわりの熊野です。
私は中学受験を経験して灘中学・灘高校へ進み、その後、大阪大学医学部へ現役で進学しました。学生時代から塾講師や学習アドバイザーとして教育に携わり、2014年に幼児教室ひまわりを創業してからも、子どもの学力や進路について保護者の方とお話ししてきました。
中学受験について、
「最近、子どもが『もう疲れた』と言うようになりました」
「塾から帰って宿題をしていると、毎日寝るのが遅くなります」
「頑張っているのに成績が上がらず、親子ともにしんどくなっています」
「子どもに無理をさせたくないのですが、ここで負担を減らしてよいのか迷います」
「このまま続けるべきなのか、一度立ち止まった方がよいのか分かりません」
このように悩むことは、決して珍しくありません。
中学受験が本格化すると、勉強する内容は難しくなり、塾の授業や宿題も増えていきます。模試では偏差値や順位が数字として示され、志望校との差を意識する機会も増えます。
子どもだけでなく、送迎やスケジュール管理、宿題の確認、体調管理を続ける保護者の方も、少しずつ疲れていきます。
そんな状況が続くと、
「もう少し頑張らせた方がよいのか」
「しんどそうだから、負担を減らした方がよいのか」
「ここまでつらいなら、中学受験をやめた方がよいのではないか」
と、大きな判断をしたくなることがあります。
しかし、その前に一つ確認してほしいことがあります。
何が、親子をしんどくさせているのでしょうか。
「中学受験だからしんどい」と、一つにまとめて考えないことが大切です。
宿題が多すぎるのかもしれません。
睡眠が足りていないのかもしれません。
頑張っても成績が上がらないことが苦しいのかもしれません。
今の塾やクラスが合っていないのかもしれません。
あるいは、成績や宿題について話す時間そのものが、親子にとって苦しくなっているのかもしれません。
原因が違えば、見直すべきものも違います。中学受験を続けるか、やめるかという結論を急ぐ前に、まずは「今、何がしんどいのか」を具体的にしてみましょう。
ただし、強い不調があるときは、原因の整理や受験の最終的な方針決定を待たず、休息や相談を優先してください。「受験をどうするか」と「今日の負担をいったん減らすか」は、別に考えてよいことです。
この記事では、そのために親子で考えてほしいことを3つに分けてお伝えします。
【この記事で分かること】
- 中学受験で子どもと親がしんどくなる理由
- 「続ける・やめる」を決める前に考えたい3つのこと
- 宿題・成績・睡眠・塾・親子関係から負担の原因を整理する方法
- 勉強量や塾、志望校、親の関わり方を見直すときの選択肢
- 「ここまで頑張ったのに」と方針変更を迷うときの判断基準
- 子どもに「受験をやめたい」と言われたときの受け止め方と聞き方
- しんどさを見守る場面と、学校や専門家への相談を考えたいサイン
- 親自身も疲れたときに、塾へ何をどう相談すればよいか
中学受験がしんどいのは、子どもだけではない
中学受験が本格化すると、家庭の生活も受験を中心に回りやすくなります。
ただし、子どものしんどさと親のしんどさは同じではありません。
まずは、それぞれに何が起きているのかを分けて見てみましょう。
子どもは「頑張っても結果が出ない」ことに苦しくなる
小学6年生頃になると、塾で扱う内容は難しくなり、宿題や復習に必要な時間も増えていきます。
学校から帰って塾へ行き、帰宅後に夕食をとり、そのあと宿題をする。週末には模試や特訓が入る。
そうした生活が続けば、自由に使える時間は少なくなります。
さらに子どもを苦しくさせるのが、時間をかければ必ず成績が上がるわけではないことです。
一生懸命勉強したのに、模試の偏差値が下がることがあります。
できるようになったと思っていた単元で、また間違えることもあります。
志望校との差がなかなか縮まらない時期もあります。
すると、
「こんなにやっているのに、どうしてできないんだろう」
「友達は遊んでいるのに、なんで自分だけ勉強しているんだろう」
「やっても成績が上がらないなら、もう意味がない」
と感じることがあります。
ここで注意したいのは、こうした状態をすぐに「やる気がなくなった」と考えないことです。
私自身も中学受験をしていた小学6年生の頃、周囲の友達が普段どおり遊んでいる中で勉強を続けながら、
「なんで自分だけ、こんなにつらいことをしなければいけないんだ」
と感じた時期がありました。
当時の私にとってつらかったのは、勉強が難しいことだけではありませんでした。
頑張っているのに、いつまでこの生活を続ければよいのか分からなくなることも、大きな負担だったのだと思います。
このとき、母からかけられた言葉が、その後の私の受験への向き合い方を変えることになります。この経験については、後ほど詳しくお話しします。
子どもが「しんどい」「疲れた」と言ったとき、大切なのは、その言葉をすぐ励ましで打ち消すことではありません。
まず、
何に疲れているのか。
何が一番苦しいのか。
を見ていく必要があります。
親も、中学受験を支えるうちに疲れていく
中学受験がしんどいのは、子どもだけではありません。
保護者の方にも多くの役割があります。
塾への送迎、食事やお弁当の準備、宿題やプリントの管理、模試の日程確認、学校行事との調整、体調管理。
さらに、
「今日はきちんと勉強できているだろうか」
「このままの成績で志望校に届くだろうか」
「もっと声をかけた方がよいのか」
「言いすぎると逆効果にならないだろうか」
と、受験について考え続けることになります。
幼児教室ひまわりで中学受験についてお話を伺う際にも、
「宿題がなかなか終わらず、寝る時間まで遅くなっています」
「毎日、宿題をさせるだけで親の方が疲れてしまいます」
「成績の話をすると、つい強く言ってしまいます」
「もう私自身が受験に疲れているのかもしれません」
といったご相談があります。
最初は「子どもの成績」についての相談だったとしても、詳しくお話を聞いていくと、子どもの問題だけではなく、家庭全体に余裕がなくなっていることが見えてくることがあります。
親が疲れること自体が悪いわけではありません。
それだけ真剣に子どもの中学受験に向き合っているからこそ、余裕を失うこともあるでしょう。
ただ、保護者自身が強い不安や疲れを抱えていると、
「このままではまずい」
「もっとやらせなければ」
「もう受験をやめた方がよいのでは」
と、早く答えを出したくなることがあります。
だからこそ、中学受験がしんどいときには、子どもの状態と同時に、
「自分自身にも、落ち着いて状況を考えられる余裕が残っているだろうか」
と確認してみることも大切です。
中学受験がしんどいときに親が見落としやすいこと
中学受験がしんどくなると、
「この受験を続けるべきなのか」
という大きな問題に見えてきます。
しかし、ここで保護者の方が見落としやすいことがあります。
それは、
「中学受験を続けること」と「今のやり方を続けること」を、同じものとして考えてしまうことです。
子どもが疲れている。
成績が上がらない。
親子喧嘩が増えている。
そうすると、
「それでも頑張って続けるのか」
「もう中学受験をやめるのか」
という二択になりやすくなります。
しかし、本当にその二択なのでしょうか。
中学受験を続けるとしても、宿題の量、勉強時間、塾との付き合い方、志望校、親の関わり方など、途中で調整できるものはあります。
反対に、子どもが「もう嫌だ」「やめたい」と言ったからといって、その一言だけで中学受験そのものをやめることが答えとは限りません。
大切なのは、その言葉を否定することでも、すぐ最終的な結論にすることでもありません。
「何が一番しんどいのか」を一段掘り下げることです。
「続けるか、やめるか」は、そのあとに考える問いです。
まず考えてほしいのは、
今の受験のやり方を、そのまま続けてよいのか。
ということです。
中学受験がしんどい親子に考えてほしい3つのこと
では、中学受験がしんどいと感じたとき、具体的に何を考えればよいのでしょうか。
私は、大きく3つに分けて考えるとよいと思っています。
1つ目は、何が親子をしんどくさせているのかを分けること。
2つ目は、中学受験をやめなくても、今のやり方で変えられるものがないかを考えること。
3つ目は、「ここまで頑張ったから」ではなく、今の子どもを見て、この目標や方法を続けること
がよいのかを考えること。
順番に見ていきましょう。
1.まず「何がしんどいのか」を分けて考える
「中学受験がしんどい」
という言葉だけでは、何を変えればよいのかは分かりません。
まずは、親子の負担を具体的に分けてみます。
ここで大切なのは、
目の前に見えている結果と、その原因を同じものだと思わないことです。
たとえば、模試の偏差値が下がったとします。
すると、
「勉強時間が足りないのではないか」
「もっと問題を解かせた方がよいのではないか」
と考えるかもしれません。
しかし、成績が下がったという事実だけでは、「勉強量を増やせばよい」とまでは判断できません。
難しい問題ばかりに取り組み、基礎に抜けができているのかもしれません。
宿題が多く、内容を理解するより、終わらせることが目的になっている可能性もあります。
睡眠不足によって、塾の授業や家庭学習に集中しにくくなっていることも考えられます。
ここでは、「偏差値が下がったこと」と「本人の理解が後退したこと」も、分けて考える必要があります。
駿台予備学校の公式解説でも、偏差値は、同じテストを受けた集団の中での相対的な位置を示すものと説明されています。偏差値の変化だけで、本人が何も身につけていないとは判断できません。
だからこそ、数字だけでなく答案を見て、以前は解けなかった問題が解けているか、同じ間違いを繰り返しているか、特定の単元で止まっているかを確認します。志望校との距離を考えることと、本人が身につけた力を確認することの両方が必要です。
「頑張っても意味がない」「もっと勉強量を増やすしかない」と結論づける前に、何ができるようになり、何がまだ課題なのかを分けて見ていきましょう。
睡眠についても同じです。
厚生労働省の「健康づくりのための睡眠ガイド2023」の「こども版」では、小学生は9~12時間を参考に、睡眠時間を確保することが推奨されています。
まずは、この目安を参考に睡眠時間を確保し、そのうえで、朝の目覚め、日中の眠気、疲れの残り方も確認してください。「9時間寝ていれば必ず十分」とは限りませんが、反対に、元気そうに見えるから睡眠を削ってよい、という意味でもありません。
睡眠時間と子どもの様子の両方を見ながら、起床時刻から就寝時刻を考え、必要な睡眠が取れるように塾や宿題の予定を調整することが大切です。
受験勉強の時間を確保するために睡眠を削り、その結果、授業や家庭学習に集中できなくなっているのであれば、単純に勉強時間を増やしても改善しない可能性があります。
親子喧嘩が増えた場合も同じです。
すぐに、
「反抗期だから」
「受験へのやる気がないから」
と決めることはできません。
毎日、
「宿題は終わった?」
「今日は何時間勉強した?」
「模試の直しはした?」
と確認されること自体が、子どもにとって負担になっていることもあります。
同時に、確認しなければ勉強が進まない状態が続き、親の方が疲れ切っている場合もあるでしょう。
幼児教室ひまわりで保護者の方のお話を伺う際も、私は最初から、
「もっと勉強させましょう」
「少し休ませましょう」
と結論を出すのではなく、
「いつ頃から、どの場面で親子が苦しくなったのか」
を整理することを大切にしています。
宿題なのか。
成績なのか。
睡眠なのか。
塾なのか。
親子のやり取りなのか。
原因が違えば、必要な対応も変わるからです。
中学受験がしんどいと感じたときは、
「中学受験がしんどい」の一言でまとめず、「何が一番しんどいのか」を具体的にしてみる。
ここが、現状を見直す最初の一歩です。
2.受験をやめる前に「今のやり方で変えられるもの」を探す
何が親子をしんどくさせているのかが見えてきたら、次に考えたいのは、
「中学受験を続けながらでも、変えられるものはないか」
ということです。
中学受験が苦しくなると、
「このまま頑張るしかない」
あるいは、
「こんなにつらそうなら、受験をやめた方がよい」
と考えやすくなります。
しかし、その二つの間には多くの選択肢があります。
たとえば、宿題が多く、毎日のように睡眠時間を削っているのであれば、すべての課題を同じようにこなす必要があるのか、塾の先生に相談できます。
特定の教科に時間がかかりすぎているのであれば、勉強時間を増やす前に、どこでつまずいているのかを確認することもできます。
親子喧嘩が増えているのであれば、受験そのものを見直す前に、親が宿題や成績を管理する範囲を変えられないか考えることもできるでしょう。
具体的には、
・宿題に優先順位をつける
・勉強時間を短くして睡眠を確保する
・塾のクラスや受講科目を見直す
・苦手科目への時間配分を変える
・習い事との両立を見直す
・親が細かく確認する回数を減らす
・志望校の優先順位や難度を見直す
・必要であれば、数日休んで生活を立て直す
といった調整が考えられます。
ここで大切なのは、
負担を減らすことを、すぐに「諦めること」と結びつけないことです。
私自身、中学受験をしていた小学6年生の頃、
「なんで自分だけ、こんなにつらいことをしなければいけないんだ」
と感じた時期がありました。
学校の友達が普段どおり遊んでいる中、自分は受験勉強を続けなければならない。
前半でも触れましたが、そのとき私の母は、
「別に休んでもいいんだよ」
と言ってくれました。
私の場合、この言葉を聞いたからといって、中学受験をやめたわけではありません。
むしろ、
「どうしてもつらければ、休んでもいい」
「でも、今はまだ頑張れそうだ」
と思えるようになりました。
「絶対に続けなければならない」という状態ではなくなったことで、自分で「もう少しやってみよう」と思えたのです。
もちろん、すべてのお子さまが同じ言葉で同じように感じるわけではありません。
それでも、私自身の経験から感じているのは、
子どもを頑張らせることと、子どもから選択肢をなくすことは同じではない
ということです。
「休んでもよい」
「少し減らしてもよい」
「やり方を変えてもよい」
という余白があるからこそ、自分で「続けたい」と思える子もいます。
中学受験を続けるために、途中でやり方を変えることもある。
この視点を持っておくと、「頑張らせるか、やめるか」という二択から少し離れて考えやすくなります。
3.「ここまで頑張ったから」ではなく、今の子どもを見て判断する
3つ目に考えてほしいのは、
これまでどれだけ頑張ってきたかではなく、今の子どもの状態を基準にすることです。
中学受験では、方針を変えることに抵抗を感じることがあります。
「ここまで何年も塾に通ってきた」
「本人もずっと頑張ってきた」
「塾代もかなりかかっている」
「あと半年なのだから、ここで変えるのはもったいない」
そう感じることは自然です。
しかし、これまで頑張ってきたことと、これからも同じ方法を続けることがよいかどうかは別の問題です。
中学受験を始めた頃と、小学6年生の今とでは、状況が変わっていることがあります。
成績も変わります。
得意科目や苦手科目も変わります。
体力も変わります。
本人が行きたいと思う学校が変わることもあります。
だからこそ、ときどき立ち止まり、
「今も本人は、この学校を目指したいと思っているか」
「今の勉強量を続けても、生活が無理なく成り立っているか」
「睡眠や体調への負担が大きくなりすぎていないか」
「中学受験以外の時間にも、笑ったり楽しんだりできているか」
「親子の会話が、宿題と成績の話ばかりになっていないか」
と確認してみてください。
特に考えたいのが、子どもから、「もう中学受験をやめたい」と言われたときです。
この言葉を軽く扱うべきではありません。まずは「話してくれてありがとう」「今のままではつらいんだね」と受け止め、すぐに説得を始めないことが大切です。
「やめたい」が、受験そのものをやめたいという意思なのか、塾や宿題の負担を減らしたいという訴えなのかは、本人の話を聞かなければ分かりません。ただし、親にとって都合のよい意味に解釈し直すことも避けたいところです。
少し落ち着いて話せるときに、「何が一番つらい?」「今、変えてほしいことはある?」と、本人が話せる範囲で聞いてみてください。うまく説明できないからといって、つらさが軽いとは限りません。
本人に受験を続けたい気持ちが残っていれば、宿題や通塾の負担を調整する方法を一緒に考えられます。一方、受験を続けたくないという意思がある場合は、それも大切な判断材料です。すべての調整を試し終えたり、心身の状態が大きく崩れたりするまで、やめる選択肢を保留する必要はありません。
大切なのは、子どもの本音を「続ける」という結論へ誘導することではなく、本人の気持ちと心身の状態を踏まえ、休む・負担を減らす・受験をやめることも含めて考えることです。
中学受験のやめどきを考えるときも、「ここまでやったから続ける」「しんどそうだからやめる」と、それだけで判断しないことが大切です。
見るべきなのは、今の子どもです。
中学受験は、子どもの将来を考える中で選ぶ一つの手段です。
合格すること自体が目的になり、そのために心身の状態や親子関係が大きく崩れてしまっているのであれば、
「何のために中学受験を始めたのか」
まで戻って考えてみる必要があります。
「しんどい」はどこまで見守り、どこから相談した方がよい?
ここまで読むと、
「では、子どもがどの程度しんどそうなら見直した方がよいのでしょうか」
と思われるかもしれません。
中学受験をしていれば、まったくしんどい思いをせずに受験日まで進めるとは限りません。
難しい問題が解けず、悔しくなる。
模試の結果が悪く、その日は落ち込む。
遊びたい日に塾へ行くのが嫌になる。
苦手科目に向き合いたくなくなる。
こうした負荷を、すべてなくす必要はありません。
目標に向かって挑戦するときには、思いどおりにいかないこともあるからです。
では、どこから注意すればよいのでしょうか。
一つの目安になるのが、
そのしんどさが一時的なものなのか、それとも長く続き、普段の生活にも影響が出ているのか
ということです。
文部科学省の「子供の心のケアのために」(保護者用)では、テストや行事、試合などによる一過性のストレスは、注意して見守ることでよい場合がある一方、ストレスが強い場合や長く続く場合には、心のケアが必要になると説明されています。
これは中学受験専用の判定基準ではありませんが、「受験中だから当然」と片づけず、普段と違う様子に気づくための参考になります。
たとえば、
・食欲が大きく変わった
・睡眠が乱れている
・頭痛や腹痛などを繰り返す
・強い疲労感が続いている
・元気や意欲が大きく低下した
・口数や行動が以前と大きく変わった
などです。
もちろん、こうした変化があれば、すべて中学受験が原因だという意味ではありません。
学校生活や友人関係、体調など、別の要因が重なっている可能性もあります。
だからこそ、
「受験生なら、このくらい疲れて当然だろう」
とまとめないことが大切です。
模試の結果が悪く、その日は泣いていたけれど、翌日には普段どおり学校へ行き、好きなことを楽しんでいる。
その状態と、何週間も眠れない、食べられない、学校生活にも影響が出ているという状態では、同じ「しんどい」でも意味が違います。
何週間も続くまで相談を待つ必要はありません。短い期間でも、眠れない、食べられない、学校生活に支障が出るなど、変化が強い場合は早めに相談してください。
学校での様子は担任や養護教諭、スクールカウンセラーに確認し、頭痛や腹痛などの身体症状がある場合は、かかりつけの小児科などにも相談できます。学校への相談と受診は、必要に応じて並行してよいものです。
また、「死にたい」「消えたい」と話す、自分を傷つけるなど、安全に関わる言動がある場合は、受験方針の話し合いより安全確保を優先してください。差し迫った危険がある場合は一人にせず、直ちに医療機関や救急につないでください。
【参考情報】文部科学省「子供の心のケアのために」(保護者用)
【参考情報】厚生労働省「『消えてしまいたい』というサイン」
親自身がしんどいときは、家庭だけで答えを出さなくてよい
中学受験では、どうしても子どもの状態ばかりに目が向きます。
しかし、
「毎日怒ってばかりいる」
「成績を見るのが怖くなっている」
「受験のことが頭から離れない」
「夫婦でも受験について言い争うようになった」
という状態であれば、保護者自身にもかなり負担がかかっている可能性があります。
そのようなときは、家庭だけで答えを出そうとせず、第三者の視点を入れてみてください。
たとえば塾の先生に相談するときも、
「最近、やる気がありません」
だけでは、原因が分かりにくいことがあります。
それよりも、
「算数の宿題に毎日2時間近くかかっています」
「課題が終わらず、就寝時刻が22時を過ぎる日が増えました」
「模試の日だけではなく、ここ1か月ほど塾へ行きたくないと言っています」
「成績の話をすると、毎回親子喧嘩になります」
というように、実際に起きていることを具体的に伝える方が状況を整理しやすくなります。
そのうえで、
「宿題には優先順位をつけられますか」
「今のクラスの難度は合っていますか」
「家庭では、どこまで管理する必要がありますか」
と聞けば、家庭だけでは見えていなかった選択肢が出てくることもあります。
幼児教室ひまわりでも、
「子どものやる気が落ちています」
「最近、成績のことで親子関係が悪くなっています」
というご相談を受けたときに、その言葉だけで判断することはしていません。
いつから変わったのか。
どの場面で苦しくなるのか。
宿題にはどのくらい時間がかかっているのか。
睡眠や生活リズムはどうなっているのか。
親子でどのようなやり取りが増えたのか。
一つずつ整理していくことで、「やる気」という一言では見えなかった問題が見えてくることがあります。
第三者に相談する意味は、単に気持ちを聞いてもらうことだけではありません。
家庭の中では一つに見えていた問題を、別の角度から分けて見ることにもあります。
親自身が苦しくなっているときも、一人で抱え込む必要はありません。
まとめ|中学受験を続けることと、今のやり方を続けることは違う
中学受験がしんどいとき、
「受験なのだから、もう少し頑張らなければ」
と思うこともあるでしょう。
反対に、
「子どもに無理をさせたくない。もうやめた方がよいのでは」
と感じることもあると思います。
しかし、最初に考えてほしいのは、その二択ではありません。
この記事でお伝えしてきたのは、次の3つです。
1.何が親子をしんどくさせているのかを分けて考える
2.中学受験をやめなくても、今のやり方で変えられるものを探す
3.「ここまで頑張ったから」ではなく、今の子どもを見て判断する
中学受験で経験するしんどさを、すべてなくすことはできません。
難しい問題に挑戦すれば、悔しい思いをすることもあります。
努力しても、すぐには結果につながらない時期もあります。
だからといって、どのようなしんどさも「受験だから仕方ない」と我慢させる必要はありません。
大切なのは、
このしんどさは何から来ているのか。
今の子どもに必要な負荷なのか、それとも見直した方がよい負荷なのか。
を考えることです。
中学受験を続けることと、今のやり方をそのまま続けることは同じではありません。
休むこともあります。
減らすこともあります。
塾との付き合い方や志望校を見直すこともあります。
そして、必要であれば、中学受験そのものを続けるかどうかを考えることもあるでしょう。
どの選択をする場合でも、
「周りがどうしているか」
「ここまでどれだけ頑張ってきたか」
だけで決めるのではなく、
今、目の前の子どもがどのような状態にあるのか。
そこから考えてほしいと思います。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
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今回のように、「中学受験がしんどい」「続けるべきか、やめるべきか」と迷う場面でも、大切なのは二択で結論を急がず、何が親子の負担になっているのか、今のやり方で変えられることはないかを、子どもの状態や気持ちに沿って考えることです。
親子の心身を守りながら、受験を続けるかどうかも含めて、わが子と家庭に合う選択を考えたい方は、ぜひ参考になさってください。
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