子供に必要な栄養素と栄養バランス|幼児の偏食・おやつ・サプリの考え方

教育戦略コラム(東大や医学部を見据え、わが子を伸ばす選び方・関わり方)

子供に必要な栄養素とは?栄養バランスを無理なく整える食事の考え方

最終更新日 2026年10月29日

子供に必要な栄養素 ヘッダー


記事執筆者:熊野貴文
幼児教室ひまわり塾長・医師。灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部に現役合格し、大学在学中は塾講師・学習アドバイザーとして約1,100人を指導。自ら難関受験を経験した子供側の視点と、保護者への教育相談、東大・医学部へ導いた親や各分野の専門家の知見をもとに、今のわが子に何を優先し、どう実践するかを具体的に発信している。


幼児教室ひまわりの熊野です。

私は中学受験を経験して灘中学・灘高校へ進み、その後、大阪大学医学部へ現役で進学しました。学生時代から塾講師や学習アドバイザーとして教育に携わり、2014年に幼児教室ひまわりを創業してからも、子どもの学びや生活について多くの保護者の方とお話ししてきました。

子どもの食事について、

「野菜をあまり食べないのですが、このままで大丈夫でしょうか」
「嫌がるものを無理に食べさせたくはありません。でも、好きなものだけでよいのでしょうか」
「毎日何品も作るのは大変です。簡単に栄養が整うメニューはありませんか」
「偏食が強いのですが、この状況で幼児の栄養バランスをどう整えればよいのでしょうか」

と気になる方もいると思います。

幼児教室ひまわりでも、食事については、「なかなか飲み込めない」「食べるのにとても時間がかかる」といったご相談をいただくことがあります。

また以前には、副塾長の上田先生が保護者の方から、

「子どもの食事の献立を、どのように考えていましたか」
「簡単に栄養を整えるには、どうすればよいですか」

と聞かれたこともありました。

上田先生自身も、子どもの頃から栄養を意識した食生活が比較的身近にあり、自分が親になってからは、改めて書籍などを読み、子どもの年齢に応じた栄養について学んだそうです。

そして、学んだことを毎日の食事で無理なく続けるために、食品を確認する表を作ったり、買い物や献立に自分なりの型を作ったりしていました。

こうした工夫を続けるうちに、細かく確認しなくても、食事全体の偏りを少しずつ感覚的に見られるようになっていったそうです。

この経験には、家庭で子どもの栄養を考えるうえで、大切なヒントがあると思います。
最初から完璧な献立を感覚だけで作ろうとしなくてもよいのです。

まず基本を知る。
次に、自分の家庭で続けやすい仕組みにする。
そして、続けながら食事を見る感覚を身につけていく。

一方で、もう一つ大切にしたいことがあります。

それは、
「無理に食べさせないこと」と「子どもの好みに任せてよいこと」は同じではない
ということです。

この記事では、子供に必要な栄養素の基本から、栄養バランスの考え方、好き嫌いがあるときの見方まで、家庭で無理なく続けるための考え方を整理していきます。

【この記事で分かること】

  • 子どもに必要な五大栄養素の役割と、どんな食品から取れるのか
  • 毎食すべての栄養をそろえる必要があるのか、栄養バランスの見方
  • 上田先生が子育て中に実践した、献立や買い物を考えやすくする工夫
  • 偏食がある・野菜を食べない子への関わり方と、栄養の補い方
  • 忙しい家庭で無理なく栄養バランスを整える4つの考え方
  • 幼児のおやつで栄養を補う考え方と、食品の選び方
  • 子どもにサプリは必要なのか、使う前に確認したいこと
  • 食べるのが遅い・飲み込みにくいときに、相談を考える目安
子どもの栄養で最初に知っておきたいこと
栄養1

子どもが嫌がっている食品を、何としてでも食べさせようとする必要はありません。

食事のたびに、

「ちゃんと食べなさい」
「野菜を残したらだめ」

と言い続け、親子ともに食卓が苦しい時間になってしまうのであれば、それがよい状態とは言えないでしょう。

「無理強いはしたくない」
「食べることそのものを嫌いになってほしくない」

と考える方もいると思います。

その考え自体は自然です。

ただし、ここで一つ分けて考えておきたいことがあります。

「無理に食べさせない」と「食べられるものだけにする」は違う

たとえば、子どもがある野菜を嫌がったとします。

そのとき、
「今日は食べたくないんだね」
と無理に食べさせないことと、

「嫌いなら、もう食卓には出さなくてもいい」
と考えることは同じではありません。

後者が続けば、子どもが日常的に触れる食品そのものが少なくなっていくことがあります。

子どもが実際に何を食べるかを、親が完全に決めることはできません。

一方で、

何を買うのか。
何を家庭に置くのか。
何を食卓に出すのか。
どのような食品に触れる機会を作るのか。

こうした食べる環境を整えることは、家庭でできます。

今回の記事でお伝えしたいのは、

子どもに食べることを強制するのではなく、親が食環境を整える

という考え方です。

子供に必要な栄養素 本文図1


これは、好き嫌いをすべてなくさなければならないという話ではありません。

ある食品を食べられなくても、別の食品から同じような栄養を取れる場合があります。

また、

「今日は野菜を食べなかった」
「朝はパンしか食べなかった」

という一食だけを見て、必要以上に心配する必要もありません。

大切なのは、特定の食品や一回の食事だけではなく、普段の食生活全体を見ることです。

子供に必要な栄養素とは?まずは五大栄養素を知ろう
栄養2

子供に必要な栄養素を考えるとき、まず基本になるのが「五大栄養素」です。

五大栄養素は、

・炭水化物
・たんぱく質
・脂質
・ビタミン
・ミネラル

の5つです。

現在、国が示している「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、子どもの年齢などに応じて、エネルギーやたんぱく質、脂質、炭水化物、各種ビタミン・ミネラルについて基準が示されています。

ただし、家庭で毎日の献立を考える際に、すべての栄養素を細かく計算する必要はありません。

まずは、それぞれがどのような役割を持ち、どのような食品から取れるのかを大まかに知っておくと、日常の食事を見直しやすくなります。

炭水化物|体を動かすためのエネルギー源になる

炭水化物は、ご飯、パン、麺類、いも類などに多く含まれます。

子どもは、遊び、学び、体を動かしながら成長していきます。そのため、活動や成長に必要なエネルギーを取ることが大切です。

大人向けの情報では、「炭水化物を控える」といった食事法を目にすることもあります。

しかし、大人のダイエットや食事法を、そのまま成長期の子どもに当てはめるものではありません。

たんぱく質|成長する体をつくる材料になる

たんぱく質は、肉、魚、卵、大豆・大豆製品などに含まれています。

筋肉や臓器など、成長する体をつくる材料になる大切な栄養素です。

ここで大切なのは、

「肉を食べなければいけない」
「魚だけが体によい」

と、一つの食品にこだわりすぎないことです。

たんぱく質を取れる食品にはさまざまな選択肢があります。

一つ苦手なものがあっても、ほかの食品も含めて食事全体を見ることができます。

脂質|「できるだけ少なく」ではなく、必要な栄養素の一つ

脂質というと、
「取りすぎない方がよい」
という印象があるかもしれません。

もちろん、取り方や食品の選び方は大切です。

ただ、脂質も五大栄養素の一つであり、エネルギー源になるほか、体の働きを支えるためにも必要です。

そのため、

脂質=悪いもの

と単純に考えるのではなく、子どもの成長に必要な栄養素の一つとして捉えます。

ビタミン|体のさまざまな働きを支える

ビタミンにはさまざまな種類があり、野菜や果物をはじめ、肉、魚、卵など多くの食品に含まれています。

種類によって働きも異なるため、

「このビタミンだけ取ればよい」

というものではありません。

特定の栄養素だけを追いかけるより、いろいろな食品を組み合わせることが基本になります。

ミネラル|カルシウムや鉄など、成長期に大切なものを含む

ミネラルには、カルシウム、鉄、カリウムなどがあります。

たとえば、カルシウムは牛乳・乳製品などに含まれますが、それ以外の食品からも取ることができます。

鉄も、肉や魚、大豆製品などさまざまな食品に含まれています。

そのため、

「牛乳を飲まないから、カルシウムが取れない」
「この食品を食べないから、栄養不足になる」

と、一つの食品だけで判断しないことが大切です。

五大栄養素を知る目的は、毎日の食事を細かく採点するためではありません。

「最近、同じような食品ばかりになっていないかな」

と、食事全体を見るための基本的な視点を持つことです。

子供の栄養バランスはどう見ればよい?

五大栄養素について知ると、

「では、毎食すべての栄養をそろえなければいけないの?」

と思う方もいるでしょう。

しかし、家庭で毎回、炭水化物、たんぱく質、脂質、ビタミン、ミネラルを計算して献立を作るのは現実的ではありません。

農林水産省の「食事バランスガイド」では、食事を「主食」「副菜」「主菜」「牛乳・乳製品」「果物」の5つの料理区分で捉え、「何を」「どれだけ」食べるかを考えやすくしています。

ただし、実際に必要な量は、年齢や体格、活動量などによって異なります。

そのため、ここでは「この量を食べればよい」とそのまま当てはめるのではなく、毎日の食事をどのような組み合わせで見ればよいかという考え方として参考にするとよいでしょう。

家庭でも、栄養素そのものを一つずつ追うより、
「今日は、どのような食品を食べたかな」
と食品や料理に置き換えて見る方が、日々の食事には取り入れやすいと思います。

一食だけで「栄養が足りない」と判断しない

朝食がパンとヨーグルトだけだった。
夕食で野菜をほとんど食べなかった。

そんな日もあると思います。

その一回だけを見て、

「今日の食事は失敗だった」
「栄養が足りていない」

と考える必要はありません。

次の食事で違う食品を取り入れることもできますし、翌日に少し意識することもできます。

一方で、

一食で判断しなくてよいことと、長く続く偏りをまったく気にしなくてよいことは別です。

毎日同じようなものばかり食べている。
以前より食べられる食品が少なくなっている。
特定の種類の食品をほとんど取らない状態が続いている。

そのような場合には、普段の食生活全体を一度見直してみてもよいでしょう。

大切なのは、毎食を完璧にすることではなく、偏りに気づいたときに戻せることです。

子供に必要な栄養素 本文図2


ここで、実際に幼児教室ひまわりの副塾長・上田先生が、子育て中に行っていた方法をご紹介します。

副塾長・上田先生が子育て中にしていた「献立を考えやすくする工夫」
栄養3

上田先生は以前、保護者の方から、

「子どもの食事の献立をどのように考えていましたか」

と聞かれた際、自身が子育て中に行っていた方法をお話ししたことがあります。

ここから紹介するのは、「すべての家庭がこうすればよい」という栄養管理の方法ではありません。

あくまで、上田先生自身が毎日の献立を考えやすくするために行っていた家庭での工夫です。

栄養を意識する食生活が身近だった

上田先生の母親は管理栄養士でした。

そのため上田先生は、子どもの頃から、同じものばかりに偏らず、肉や魚、野菜などいろいろな食品を食べることが比較的身近な家庭環境で育ったそうです。

食事の中で栄養バランスを考えることも、特別なことというより、日々の生活の中に自然にあったのだと思います。

ただし、そのような家庭環境で育ったからといって、上田先生自身が栄養の専門家というわけではありません。

自分が親になってからは、改めて書籍などを読み、子どもの年齢によってどのような栄養が必要なのかを確認しました。

そして、そこで学んだことを、毎日の生活で使いやすい形に変えていきました。

冷蔵庫に「自分が確認したい食品」の表を貼っていた

上田先生は当時、冷蔵庫に簡単な表を貼っていました。

そこには、

・肉
・魚
・卵
・豆類
・緑黄色野菜
・淡色野菜
・果物
・海藻類
・ごま
・小魚

など、自分が日々の食事で意識したいと思った食品を書いていたそうです。

その日の食事を振り返りながら、

「今日は魚を食べた」
「緑黄色野菜は取れている」
「最近は豆類が少なかった」

というように確認していました。

ただし、この表は毎日すべての項目に丸をつけるためのものではありません。

また、ここに挙げた食品を毎日すべて食べれば、必要な栄養が満たせるという意味でもありません。

あくまで、
「最近、同じような食品ばかりになっていないかな」
と、上田先生自身が献立を振り返るための表でした。

今日は少なかった。
では、次の食事や翌日に少し意識しよう。

そのくらいの使い方です。

子供に必要な栄養素 本文図3


買い物の段階で、食卓に出したい食品を準備していた

上田先生は、献立だけでなく、買い物にもある程度の型を作っていました。

豆類、海藻類、ごま、小魚など、自分が食事に取り入れたいと思ったものは定期的に購入し、家庭に置いて使うようにしていたそうです。

これは、
「子どもにこれを食べさせなければいけない」
という考えからではありません。

そもそも家庭にない食品は、食卓に出す機会そのものが少なくなります。

そこで、
食卓に出したいものを、まず親が買い物の段階で準備しておく
ようにしていました。

これは、今回の記事でお伝えしている、
子どもに食べることを強制するより、親が食環境を整える
という考え方にもつながります。

夕食も毎日ゼロから考えない

夕食についても、肉料理の日、魚料理の日など、大まかな流れを決めていたそうです。

毎晩、
「今日は何を作ろう」
とゼロから考えるより、ある程度の型があった方が続けやすかったからです。

もちろん、外食をする日もあれば、予定が変わる日もあります。

子どもの体調や食欲に合わせて、献立を変えることもあります。

そのため、
ルールを守ること自体が目的ではありませんでした。

基本となる型だけ持ち、その日の状況に合わせて臨機応変に変える。

そのくらいの使い方でした。

続けるうちに、表がなくても食事全体を見られるようになった

こうしたことを続けるうちに、毎回冷蔵庫の表を見なくても、

「最近は魚が少なかったな」
「今日は野菜が少なかったな」
「この数日で見れば、それほど偏っていないな」

と、食事全体を感覚的に捉えられるようになったそうです。

上田先生が保護者の方にお話ししたのも、

「この表を作ってください」
「曜日ごとに必ず肉と魚を決めてください」

ということではありません。

大切なのは、

最初から感覚だけで栄養バランスを整えようとしなくてもよい

ということです。

まず基本を知る。
次に、自分の家庭で続けやすい簡単な基準を作る。
その基準を使いながら食事を見る。

そうすると、少しずつ、

「最近どんなものが少ないか」
「何を少し加えるとよさそうか」

という感覚が身についてきます。

感覚ができてきたら、いつまでも表やルールに縛られる必要はありません。

知識を得る。
家庭の仕組みにする。
続けながら感覚を身につける。
最後は臨機応変に考える。

上田先生の場合は、この流れが、毎日の献立を無理なく考える助けになっていたそうです。

好き嫌い・偏食がある子はどう考える?

ここまで、子どもの栄養は、一つの食品や一回の食事だけで判断するのではなく、普段の食生活全体を見ることが大切だとお伝えしてきました。

では、好き嫌いが多い場合はどう考えればよいのでしょうか。

「野菜をほとんど食べない」
「魚を嫌がる」
「白いご飯と肉なら食べるけれど、ほかはなかなか食べない」

このような場合、保護者の方は、

「やはり何とか食べさせた方がいいのかな」

と迷うと思います。

一方で、

「無理に食べさせて、もっと嫌いになったらどうしよう」
「食事のたびに叱りたくない」

と感じる方もいるでしょう。

ここでも大切なのは、どちらか一方に振り切らないことです。

食べられない食品そのものにこだわりすぎない

たとえば、子どもが牛乳を飲まないとします。

そのとき、
「牛乳を飲ませなければ」
と、その食品そのものに意識が向きすぎると、親子ともに負担になることがあります。

本当に見たいのは、
「その食品を食べられるか」ではなく、「食事全体として必要な栄養を取れているか」
です。

ある食品が苦手でも、ほかの食品から同じような栄養を取れる場合があります。

野菜についても同じです。

一つの野菜を食べないからといって、その一品を何としてでも克服させる必要はありません。

違う野菜なら食べられることもありますし、調理方法や切り方によって反応が変わることもあります。

大切なのは、特定の一品を食べられるようにすることだけを目標にせず、食べられる食品の幅を少しずつ広げながら、食事全体を見ることです。

嫌がるものは、すぐに食卓からなくさなくてもよい

一方で、
「嫌がるから、もう出さなくてよい」
と決めてしまう必要もありません。

子どもは、その日の気分や食感、調理方法によって、同じ食品でも食べたり食べなかったりすることがあります。

食べない日があっても、

・少量だけ食卓に出してみる
・切り方を変える
・味付けを変える
・少し時間を置いて、別の日にまた出してみる

といった関わり方があります。

京都市の幼児期の食事情報でも、好き嫌いについて、苦手な食品は少量から出したり、調理方法を工夫したりする考え方が紹介されています。

ここで大切なのは、
「食べさせること」と「触れる機会を残すこと」は違う
ということです。

好き嫌いがあるときも、

無理に食べさせる。
それとも、完全に本人に任せる。

という二択にする必要はありません。

食べることは強制せず、家庭にいろいろな食品を置く、少量から食卓に出す、別の食品から栄養を補うなど、親が食環境を整えることはできます。

忙しい家庭で栄養バランスを整える4つの考え方
栄養4

「栄養バランスが大切なのは分かりました。でも、毎日そこまで考えていられません」

そう感じる方もいると思います。

実際、保護者の方から、
「簡単に栄養が整うメニューはありませんか」
と聞かれたこともあります。

ただ、一つ食べればすべてが整う万能メニューを探すより、毎日の食事を考えやすくする簡単な「型」を持っておく方が続けやすいでしょう。

1.家庭の定番をいくつか持っておく

毎日ゼロから献立を考えるのは大変です。

魚料理で家族が食べやすいもの。
肉料理で作りやすいもの。
忙しい日にすぐ作れるもの。

こうした定番をいくつか持っておくと、献立を考える負担を減らせます。

決まった曜日に必ず同じものを食べる必要はありません。

大切なのは、
「今日は何を作ろう」と毎回ゼロから考えなくてもよい状態を作ること
です。

2.取り入れたい食品を、買い物の段階で用意する

家庭にない食品は、食卓にもなかなか出てきません。

「気をつけないと買わなくなるもの」
「家にあれば使いやすいもの」

を自分なりに決めておくだけでも、献立は考えやすくなります。

冷蔵庫や食品庫の中身をある程度整えておくことも、栄養バランスを考える一つの方法です。

3.一食で完結させようとしない

朝食や外食で偏りがあった日は、次の食事で少し意識する。

その程度で構いません。

毎食満点を目指すより、
「偏りに気づいたら、次で少し調整する」
と考える方が続けやすくなります。

一回の食事だけで評価せず、普段の食生活全体を見ることが大切です。

4.最初は「見える化」してもよい

何を食べたのか、自分でも分かりにくい場合は、簡単な表やメモで確認する方法もあります。

目的は、毎日すべての項目を埋めることではありません。

「最近は魚が少ない」
「このところ豆類を使っていない」

など、偏りに気づくことです。

慣れてきたら、ずっと記録を続ける必要はありません。

最終的には、
「最近、何が少なかったかな」
と自然に考えられるようになれば十分です。

おやつも子どもの栄養を補う機会になる

子どもの栄養を考えるとき、3回の食事だけを見る必要はありません。

特に幼児期は、一度に食べられる量が限られています。

そのため、おやつを「お菓子を食べる時間」とだけ考えるのではなく、食事で取りきれなかったものを補う機会として考えることもできます。

京都市も、幼児のおやつについて、3回の食事で取りきれない栄養や水分を補う「補食」として説明しています。

たとえば、

・おにぎり
・いも類
・果物
・ヨーグルトなどの乳製品

などです。

もちろん、お菓子をまったく食べてはいけないという話ではありません。

家族でお菓子を楽しむ日もあるでしょう。

ただ、

「今日は食事量が少なかったから、おやつは少し食事に近いものにしよう」

という考え方を知っておくと、食事全体を整えやすくなります。

おやつまで完璧に管理する必要はありません。

食事だけで足りなかったときに使える、もう一つの選択肢として考えておけばよいでしょう。

子供の栄養が心配ならサプリを使えばよい?

好き嫌いや偏食があると、
「子ども用のサプリを使った方がよいのでしょうか」
と考えることもあると思います。

特に、

「野菜を食べないからビタミンを」
「鉄が足りないと困るから鉄のサプリを」

と、不足しているように感じるものを補いたくなるかもしれません。

ただし、

食事が偏っているから、まずサプリで補えばよい

とは考えない方がよいでしょう。

消費者庁も、健康の維持・増進の基本は、栄養バランスのとれた食事、適度な運動、十分な休養であり、健康食品で栄養の偏りを安易に解決しないよう案内しています。

また、錠剤やカプセル状の製品は、摂取量によっては過剰摂取につながる可能性があるため、使い方には注意が必要です。

これは、サプリメントをすべて否定するという意味ではありません。

子どもの状態によっては、医師などから特定の栄養を補うよう勧められる場合もあります。

大切なのは、

「心配だから、とりあえず飲ませる」のではなく、本当に必要なのかを考えること

です。

子どもにサプリメントや栄養補助食品を使いたい場合、必要性や量に迷うのであれば、自己判断だけで増やさず、小児科医や薬剤師などの専門家に相談するとよいでしょう。

「食べるのが遅い」「なかなか飲み込めない」は栄養とは分けて考える

幼児教室ひまわりで実際に食事についていただくご相談では、

「なかなか飲み込めません」
「一回の食事にとても時間がかかります」

というものがあります。

こうした悩みは、

「もっと栄養のあるものを食べさせればよい」

という話とは分けて考える必要があります。

子供に必要な栄養素 本文図4


食べる速さや、噛む・飲み込むことには、食材の硬さや大きさ、咀嚼や嚥下の発達など、栄養以外の要因も関係します。

そのため、

「食べるのが遅いから、もっと急がせよう」
「飲み込めないのは好き嫌いだから」

と単純に考えない方がよいでしょう。

年齢や食べ物によって、食事に時間がかかることもあります。

一方で、

・食べ物や飲み物でたびたびむせる
・飲み込みにくそうな状態が続く
・食べられるものがかなり限られている
・食事量や成長が気になる

といった場合は、家庭だけで判断せず、まずはかかりつけの小児科や小児歯科などに相談してみてもよいと思います。

食べ物をうまく噛んだり飲み込んだりすることについて、専門的な評価が必要になる場合もあります。

例えば、愛知県医療療育総合センター中央病院の「摂食評価外来」では、食べ物が口に残って飲み込みきれない、飲み込むときにむせる、食べられる量が減って体重が減るといった困りごとを扱っています。

実際に食べる様子を確認し、必要に応じて検査や個別の指導・訓練につなげると説明されています。

子どもの食事については、すべてを「好き嫌い」や「栄養不足」で説明しようとしないことも大切です。

子供の栄養で大切なのは、完璧な食事を作ることではない

子供に必要な栄養素について知ることは大切です。

ただし、毎食すべての栄養を完璧にそろえる必要はありませんし、嫌がるものを無理に食べさせる必要もありません。

一方で、
「無理に食べさせないこと」と「食べられるものだけに任せること」は違います。

何を家庭に置くのか。
どのような食品を食卓に出すのか。
最近、何が少なかったのか。

こうしたことを親が見ながら、食べる環境を整えることはできます。

上田先生の経験でも、最初から感覚だけで献立を考えていたわけではありません。

基本を学び、家庭で続けやすい仕組みを作り、それを続ける中で少しずつ食事全体を見る感覚が身についていきました。

まず基本を知る。
家庭で続けやすい仕組みにする。
偏りに気づいたら少し調整する。
慣れてきたら臨機応変に考える。

子どもの食事は毎日続いていくものです。

一食の出来不出来にこだわるより、親子ともに無理なく続けられる食生活を作っていくことが大切です。

ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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今回のように、「好き嫌いが多くて栄養が心配」「毎日の献立を考えるのが大変」と迷う場面でも、大切なのは無理に食べさせるか、好みに任せるかの二択ではなく、普段の食生活を見ながら、家庭で続けやすい仕組みを作ることです。

毎日の食事や生活で何を優先し、どこまで親が環境を整えればよいのか、具体的な家庭の工夫から学びたい方は、ぜひ参考になさってください。

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