右脳を鍛える方法|子供の想像力を育てる家庭での関わり方
最終更新日 2026年07月13日
記事執筆者:熊野貴文
幼児教室ひまわり塾長・医師。灘中学・灘高校を経て大阪大学医学部に現役合格し、大学在学中は塾講師・学習アドバイザーとして約1,100人を指導。自ら難関受験を経験した子供側の視点と、保護者への教育相談、東大・医学部へ導いた親や各分野の専門家の知見をもとに、今のわが子に何を優先し、どう実践するかを具体的に発信している。
「子どもの右脳を鍛えたい」
「右脳教育は本当に効果があるのだろうか」
「家庭では、どのような遊びや関わりをすればよいのだろうか」
このように考える保護者の方は少なくありません。
右脳という言葉を聞くと、イメージ力、記憶力、感性、ひらめき、音楽、直感などを思い浮かべる方も多いと思います。幼児期に右脳を鍛えることで、子どもの能力が伸びるのではないかと期待される方もいるでしょう。
実際、右脳教育として紹介されるものには、フラッシュカード、音楽、英語の聞き流し、絵本、イメージ遊び、図形遊び、記憶遊びなど、家庭でも取り入れやすいものがあります。
ただし、ここで大切なのは、「右脳を鍛えれば能力が伸びる」と単純に考えないことです。
子どもの力は、右脳だけを刺激すれば育つものではありません。見たもの、聞いたもの、感じたことを、言葉にしたり、まねしたり、遊びに使ったり、親子で話したりする中で、少しずつ育っていきます。
つまり、右脳を鍛える方法は、子どもに刺激をたくさん入れることだけではありません。
見たもの、聞いたもの、感じたことを、親子の会話や遊び、表現、体験につなげていくことが大切です。
この記事では、右脳を鍛える方法について、子供・幼児の右脳を鍛えるには何が大切なのかを整理します。家庭でできる右脳の鍛え方、親子で取り入れやすい方法、取り入れるときに見落としやすい注意点について解説します。
【この記事で分かること】
- 右脳を鍛えるとはどういうことか
- 子供や幼児の右脳を鍛えるときに大切な考え方
- 家庭でできる右脳を鍛える遊びや関わり方
- 絵本・音楽・ごっこ遊び・工作・自然遊びの取り入れ方
- フラッシュカードや聞き流しを使うときの注意点
- 右脳だけを鍛えればよいと考えすぎない方がよい理由
- 右脳教育を始める時期で焦りすぎないための見方
- 子どもが楽しめているかを見る家庭での判断ポイント
右脳を鍛えるとはどういうことか
脳には右脳と左脳があり、一般的には、右脳はイメージ、感覚、直感、空間認識、音楽などと結びつけて説明されることがあります。一方で、左脳は言語、論理、計算、順序立てて考える力などと結びつけて語られることがあります。
そのため、右脳教育と聞くと、
「イメージ力を伸ばす教育」
「感性を育てる教育」
「直感的な力を高める教育」
「記憶力やひらめきを伸ばす教育」
という印象を持つ方もいると思います。
もちろん、子どもにとって、イメージする力や感じる力はとても大切です。絵本の世界を想像する、音楽のリズムを感じる、積み木で形を作る、見たものを頭の中で思い浮かべる。こうした経験は、子どもの感性や想像力を育てるうえで大切な土台になります。
ただし、子どもの学びは、右脳だけ、左脳だけで分かれているわけではありません。
たとえば、絵本を読む場面を考えてみましょう。
子どもは、絵を見て場面を想像します。登場人物の表情を見て、気持ちを感じ取ります。同時に、親の読み聞かせを聞き、言葉の意味を理解し、物語の流れを追っています。
ここでは、イメージする力も、言葉を理解する力も、順序立てて考える力も使われています。
音楽も同じです。歌を聞くとき、子どもは音やリズムを感じます。しかし、それだけではありません。親の口の動きをまねしたり、歌詞を覚えたり、手拍子をしたり、体を動かしたりする中で、音、言葉、記憶、身体感覚がつながっていきます。
つまり、右脳を鍛えるとは、右脳だけを特別に伸ばすことではありません。
子どもが見たもの、聞いたもの、感じたことを豊かに受け取り、それを言葉や遊び、表現、体験につなげていくことだと考えると分かりやすいです。
「右脳を鍛える方法」を探すときには、特別な教材やトレーニングだけを見るのではなく、日常の中で子どもがどのように感じ、考え、表現しているかを見ることが大切です。
右脳を鍛える家庭での関わりは、日常の親子の会話や遊びの中にもあります。右脳を鍛える際に発揮される想像力や感性、イメージ力、表現力は、見たものを言葉にする、聞いた音をまねる、感じたことを絵や工作で表すといった経験の中で育っていきます。
家庭でできる右脳を鍛える方法
右脳を鍛えると聞くと、特別な教材や専門的な取り組みを想像する方もいるかもしれません。
しかし、子どもの想像力や感性は、日常の遊びや親子の関わりの中でも育っていきます。大切なのは、子どもが見たり聞いたりしたものを、そのまま終わらせず、会話や遊び、表現につなげていくことです。
ここでは、右脳を鍛える家庭でできる方法として、絵本、音楽、歌、ごっこ遊び、工作、図鑑、自然遊びを紹介します。
子供・幼児の右脳を鍛える遊びとして取り入れるときは、遊びそのものよりも、感じたことを親子で会話や表現につなげることが大切です。
絵本を見ながら親子で話す
右脳を鍛える絵本の取り入れ方として大切なのは、ただ読むことだけではなく、絵を見ながら親子で会話することです。
絵本は、子どものイメージする力や感じ取る力を育てるうえで、とても取り入れやすい方法です。
絵本には、絵、色、表情、場面、言葉、物語があります。子どもは、絵を見ながら場面を想像し、親の声を聞きながら言葉を覚え、登場人物の気持ちを感じ取っていきます。
ただし、絵本はただ読めばよいというものではありません。
もちろん、親が読み聞かせをするだけでも、子どもにとっては大切な時間です。ただ、さらに力を育てたい場合は、絵を見ながら少し会話を加えてみるとよいでしょう。
たとえば、
「この子は、どんな気持ちかな?」
「このあと、どうなると思う?」
「このページで一番面白いところはどこ?」
「この動物、前に図鑑で見たことがあるね」
このように声をかけると、子どもは絵を見て感じたことを、言葉にする経験ができます。
ここで大切なのは、正解を求めすぎないことです。
「この場面では、主人公は悲しい気持ちです」と親が説明するよりも、子どもが「泣いているから悲しいのかな」「ひとりだから寂しいのかな」と考えることに意味があります。
絵本を通して、見たものを感じ取り、それを言葉にする。
このつながりが、子どもの想像力や表現力を育てていきます。
歌や音楽を親子で楽しむ
右脳を鍛える音楽や歌の取り入れ方としては、聞かせるだけでなく、親子で一緒に歌ったり、まねしたりすることが大切です。
歌や音楽も、家庭で取り入れやすい方法です。
音楽には、リズム、音の高低、テンポ、感情、言葉が含まれています。子どもは歌を聞きながら、音の違いを感じたり、リズムに合わせて体を動かしたり、歌詞をまねしたりします。
右脳教育では、音楽や英語の歌の聞き流しが紹介されることがあります。たしかに、音楽を流すことは、子どもが音やリズムに親しむきっかけになります。
ただし、聞かせるだけで終わらせないことが大切です。
親子で一緒に歌う。
手拍子をする。
体を揺らす。
同じフレーズをまねしてみる。
歌詞に出てくるものを絵本や生活の中で見つける。
このように、聞いた音を、まねる、動く、話す、遊ぶという経験につなげていくと、音楽はより豊かな学びになります。
たとえば、英語の歌を流す場合も、「聞き流していれば英語が自然に身につく」と考えすぎる必要はありません。大切なのは、子どもが英語の音やリズムに楽しく触れられることです。
親が一緒に口ずさむ。
子どもが好きなフレーズをまねする。
知っているメロディの英語版を楽しむ。
歌に合わせて体を動かす。
このように、親子で楽しい時間として取り入れることで、子どもは音や言葉に前向きな印象を持ちやすくなります。
ごっこ遊びでイメージを広げる
右脳を鍛えるごっこ遊びでは、子どもが頭の中で場面を作り、役になりきり、言葉を使いながら遊ぶことが大切です。
ごっこ遊びは、子どもの想像力を育てる代表的な遊びです。
お店屋さんごっこ、お医者さんごっこ、電車ごっこ、料理ごっこ、人形遊びなど、子どもは頭の中で場面を作り、役になりきり、言葉を使いながら遊びます。
たとえば、お店屋さんごっこでは、子どもは店員さんになったつもりで、
「いらっしゃいませ」
「何にしますか」
「これは100円です」
「ありがとうございました」
と話します。
ここでは、ただ遊んでいるだけではありません。
子どもは、実際に見たことのあるお店の様子を思い出し、場面を想像し、役割を理解し、言葉を使っています。
つまり、ごっこ遊びは、イメージ、記憶、言葉、社会性がつながる遊びです。
親が関わるときは、遊びを正しく進めようとしなくて大丈夫です。むしろ、子どもの想像に乗ってあげることが大切です。
「今日は何のお店ですか?」
「おすすめは何ですか?」
「これはどうやって使うの?」
「次は誰が来るのかな?」
このように声をかけると、子どもはさらに想像を広げていきます。
絵を描く・工作する
右脳を鍛える工作では、完成度よりも、子どもが何を感じ、どのように形にしようとしているかを見ることが大切です。
絵を描くことや工作も、子どものイメージする力や表現する力を育てるうえで大切な活動です。
子どもは、見たもの、感じたこと、頭の中で想像したものを、線や色、形にして表現します。これは、感覚を表現に変える経験です。
ここで親が気をつけたいのは、上手に描くことを目的にしすぎないことです。
「もっときれいに描きなさい」
「本物はそんな色じゃないよ」
「ここはこうした方がいいよ」
と言いすぎると、子どもは自由に表現することをためらってしまいます。
大切なのは、できあがった作品の完成度ではなく、子どもが何を感じ、何を表現しようとしたかを見ることです。
たとえば、
「これは何を描いたの?」
「この色を選んだんだね」
「ここが大きく描かれているね」
「このあと、どうなるところなの?」
と聞いてみます。
すると、子どもは自分の絵について話し始めます。
このとき、絵を描く活動が、言葉や物語につながっていきます。
工作も同じです。紙、箱、粘土、積み木、ブロックなどを使って何かを作るとき、子どもは完成形をイメージし、手を動かしながら試行錯誤します。
思った通りにいかないこともあります。倒れる、破れる、くっつかない、形が変わる。
そのたびに、子どもは「どうすればよいか」を考えます。
このように、絵や工作は、感性だけでなく、考える力や工夫する力にもつながっていきます。
図鑑や自然遊びでイメージを体験につなげる
右脳を鍛える図鑑の使い方は、見るだけで終わらせず、実際の体験につなげることです。
図鑑や自然遊びも、右脳を鍛える方法として取り入れやすいものです。特に、右脳を鍛える自然遊びでは、見て、触って、聞いて、感じたことを親子で言葉にすることが大切です。
図鑑を見ると、子どもは動物、昆虫、植物、乗り物、宇宙、体の仕組みなど、さまざまな世界に触れることができます。写真や絵を見ることで、まだ実際には見たことがないものも頭の中にイメージできます。
ただし、図鑑も見るだけで終わらせるのではなく、できれば実際の体験につなげるとよいです。
たとえば、昆虫の図鑑を見たあとに公園へ行き、実際にアリやチョウを探してみる。
花の図鑑を見たあとに、道端の花を観察してみる。
雲の写真を見たあとに、空を見上げて「今日の雲はどれに似ているかな」と話してみる。
このように、図鑑で見たものと実際の体験がつながると、子どもの中で知識が生きたものになっていきます。
自然遊びでは、子どもは五感を使います。
葉っぱの形を見る。
石の重さを感じる。
風の音を聞く。
土のにおいを感じる。
水の冷たさに気づく。
こうした体験は、机の上の学習だけでは得られないものです。
右脳を鍛えるというと、カードや教材を思い浮かべる方もいるかもしれません。
しかし、子どもの感性やイメージ力は、実際に見て、触って、感じる体験の中でも育っていきます。
そして、その体験を親子で言葉にすることが大切です。
「冷たいね」
「ざらざらしているね」
「こっちの葉っぱは丸いね」
「前に図鑑で見た虫に似ているね」
このような会話によって、子どもの感覚は言葉と結びつきます。
右脳を鍛える方法は、特別なことだけではありません。
日常の中で、子どもが見たもの、聞いたもの、感じたことを、親子で一緒に楽しみ、言葉にし、遊びに広げていくことが大切です。
フラッシュカードや聞き流しを使うときの注意点
右脳を鍛える方法として、フラッシュカードや聞き流しを思い浮かべる方も多いと思います。
フラッシュカードは、絵や文字、数字などが書かれたカードをテンポよく見せる取り組みです。短い時間で多くの情報に触れられるため、右脳教育の代表的な方法として紹介されることがあります。
また、英語の歌や音楽の聞き流しも、家庭で取り入れやすい方法です。家事をしている時間や遊んでいる時間に音楽を流せるため、負担が少ないと感じる保護者の方もいるでしょう。
ただし、ここで気をつけたいのは、見せるだけ、聞かせるだけで能力が伸びると考えすぎないことです。
フラッシュカードを見たあとに、
「この虫、前に公園で見たね」
「これは何の形に似ているかな」
「この数字は、どこで見たことがある?」
と会話につながれば、子どもの興味は広がります。
英語の歌も、ただ流すだけではなく、親子で一緒に歌ったり、まねをしたり、手拍子をしたりすることで、音や言葉が楽しい体験として残りやすくなります。
特に英語の聞き流しについては、「聞かせていれば自然に英語が話せるようになる」と期待しすぎない方がよいでしょう。
Kuhlらの乳児の外国語音声学習に関する研究では、9か月の乳児が対面で中国語に触れた場合、中国語の音の聞き分けに学習効果が見られました。一方で、同じ内容を映像や音声のみの録音で聞かせた場合には、同じような音声学習は確認されませんでした。
この研究は、乳児の外国語音声学習には、単に音を聞かせるだけでなく、対面でのやりとりや注意を引き出す社会的な関わりが影響する可能性を示しています。
つまり、聞き流しは「英語を身につける魔法の方法」ではなく、英語の音やリズムに親しむきっかけとして考えるとよいです。親子で一緒に歌う、まねをする、手拍子をするなど、やりとりのある楽しい時間につなげることが大切です。
右脳を鍛えるときに親が見落としやすいこと
右脳を鍛える方法を調べている保護者の方が見落としやすいのは、「何をすればよいか」だけに意識が向きすぎることです。
もちろん、方法を知ることは大切です。絵本、音楽、ごっこ遊び、工作、自然遊びなど、家庭でできる取り組みはいくつもあります。また、右脳を鍛えるおもちゃや玩具、知育玩具、教材、CDを探す方もいるかもしれません。
ただし、何を使うかだけでなく、その経験が子どもの会話や遊び、表現、体験につながっているかを見ることが大切です。
しかし、本当に大切なのは、その取り組みを通して、子どもの中で何が起きているかを見ることです。
見せる・聞かせるだけで伸びると思ってしまう
右脳を鍛える注意点として、刺激を増やせばよい、たくさんやればよいと考えすぎないことがあります。
右脳を鍛えるつもりでも、やりすぎになると、子どもにとって楽しい学びではなく、負担になることがあります。
そのため、親はつい、
「たくさんカードを見せよう」
「英語の音を長時間流そう」
「いろいろな教材を使って刺激を増やそう」
と考えやすくなります。
しかし、子どもの力は、見せる・聞かせるだけで育つものではありません。
大切なのは、見たものを言葉にすることです。
聞いた音をまねすることです。
感じたことを絵や動きで表現することです。
興味を持ったものを、遊びや体験に広げることです。
たとえば、動物のカードを見せたあとに、動物園に行く。
図鑑で見た虫を、公園で探す。
歌で覚えた言葉を、生活の中で使ってみる。
絵本で見た場面をごっこ遊びで再現する。
このようにつながっていくと、子どもの学びは深まりやすくなります。
右脳を鍛える方法は、刺激を入れることだけではありません。
見たもの、聞いたもの、感じたことを、子どもが自分の中で使える経験に変えていくことが大切です。
右脳だけを鍛えればよいと思ってしまう
もう一つ見落としやすいのは、「右脳だけ」を特別に鍛えようとしてしまうことです。
右脳はイメージ、左脳は言語や論理と説明されることがあります。
しかし、子どもの学びは、それほど単純に分かれているわけではありません。
絵本を見て場面を想像する。
その場面について親子で話す。
登場人物の気持ちを考える。
自分の経験と結びつける。
この一つの活動の中にも、イメージ、言葉、記憶、感情、思考が含まれています。
脳科学の分野では、脳の働きに左右差があることは知られています。たとえば、言語に左半球が関わりやすいことや、感情・非言語的な処理に右半球が関わることはあります。
一方で、Corballisの “Left Brain, Right Brain: Facts and Fantasies” でも述べられているように、「論理は左脳、創造性は右脳」というように、人の力を左右の脳だけで単純に分けて説明する考え方には注意が必要です。創造的な思考も、右脳だけで行われるものではなく、広い脳のネットワークが関わるとされています。
この点を踏まえると、子どもの学びを考えるときにも、「右脳だけ」を特別に伸ばそうとするより、イメージしたことを言葉にする、感じたことを話す、聞いたことをまねする、作ったものについて説明する、といったつながりを大切にする方が自然です。
つまり、右脳を鍛える方法は、右脳だけを孤立して鍛えることではありません。見たもの、聞いたもの、感じたことを、言葉、遊び、表現、体験へつなげていくことが大切です。
右脳を鍛えるのはいつから?幼児期に始めないと手遅れだと思ってしまう
右脳を鍛えるのはいつからがよいのか、何歳から始めればよいのかと気になる保護者の方もいると思います。
特に、右脳を鍛える幼児期を逃すと手遅れなのではないかと不安になることもあるでしょう。
たしかに、幼児期の経験はとても大切です。子どもは遊びの中で、見たり、聞いたり、触ったり、試したりしながら多くのことを学んでいます。
文部科学省の「幼稚園教育要領解説」でも、幼児期の教育では、幼児の自発的な活動としての遊びを中心に、環境を通して行う教育が重視されています。また、幼児期の遊びを通した学びは、小学校以降の学習や生活の基盤にもつながるものとして整理されています。
ただし、「幼児期が大切」という言葉が、親の焦りになってしまうと注意が必要です。
「今やらないと遅れる」
「早く右脳教育を始めないといけない」
「周りの子はもう取り組んでいるのではないか」
このように焦って取り組むと、子どもにとっては楽しい遊びではなく、やらされる時間になってしまいます。
早く始めることよりも大切なのは、子どもが楽しみながら続けられる形で取り入れることです。
幼児期の学びは、無理に机に向かわせることだけではありません。
絵本を読む、歌う、描く、作る、自然に触れる、親子で会話する。
こうした日常の中にも、子どもの感性や想像力を育てる機会はたくさんあります。
【参考情報】文部科学省「幼稚園教育要領解説」
子どもが楽しんでいるかを見落としてしまう
右脳を鍛えようとするとき、最も見落としてはいけないのは、子どもが楽しめているかどうかです。
子どもがカードを見るのを嫌がる。
音楽を流すと不機嫌になる。
親が教材を出すと逃げる。
間違えることを怖がる。
表情が硬くなる。
このような様子がある場合は、取り組み方を見直した方がよいかもしれません。
幼児期の子どもにとって、遊びと学びは切り離されていません。楽しいから繰り返す。面白いからまねをする。気になるから聞いてくる。もっとやりたいから覚えていく。
この流れがあると、子どもは自然に学びやすくなります。
反対に、親が焦って取り組ませると、子どもは「学ぶこと」ではなく「親にやらされること」と感じてしまいます。
右脳教育に限らず、幼児期の取り組みで大切なのは、子どもの表情を見ることです。
楽しそうか。
もっとやりたがるか。
会話が増えているか。
遊びに広がっているか。
この視点を持つだけで、家庭での取り入れ方は大きく変わります。
幼児教室ひまわりで大切にしている考え方
幼児教室ひまわりの実際のご相談でも、「右脳教育を始めた方がよいですか」「フラッシュカードや聞き流しをしないと遅れますか」と不安を口にされる保護者の方がいらっしゃいます。
たとえば「右脳を鍛えるために、毎日フラッシュカードを見せた方がよいでしょうか」と悩まれていたご家庭がありました。お話を聞いていくと、お子さまはカードを見る時間よりも、図鑑で見た動物を人形遊びやごっこ遊びに広げる時間を楽しんでいました。
この場合、大切なのはカードの枚数を増やすことではありません。子どもが興味を持った動物について親子で話したり、図鑑で調べたり、ごっこ遊びに広げたりすることです。
右脳を鍛える方法は、刺激を増やすことだけではなく、子どもの興味がどこに向かっているかを見て、その興味を会話や遊びに広げることでもあります。
そのとき、最初から「この教材が良い」「この教育法は良くない」と決めることはありません。
まず見るのは、お子さまがその取り組みを楽しめているか、親子の時間が苦しくなっていないか、学びが日常の会話や遊びにつながっているかです。
同じ教材でも、ある子には合うことがあります。
別の子には、時期を変えた方がよいこともあります。
教材そのものよりも、子どもがどのように受け取っているかを見ることが大切です。
当教室で講師をされており、2人のわが子を京大医学部、阪大医学部に現役合格に導いた大平先生のご家庭でも、幼少期から英語の歌をリビングで流し、お子さまと一緒に歌う時間を大切にしていました。
ただし、これは「聞き流しをすれば英語が自然に身につく」「右脳を鍛えれば能力が伸びる」という単純な話ではありません。
大切なのは、子どもが音や言葉に楽しく触れられる環境を、日常の中に自然に作っていたことです。
英語の歌も、教材として一方的に聞かせるのではなく、親子で口ずさんだり、まねをしたり、楽しみながら取り入れていました。
このように、右脳教育と呼ばれる取り組みも、子どもを急かすためのものではなく、親子で楽しみながら、見たり聞いたり感じたりする経験を増やすものとして取り入れることが大切です。
子どもの成長には、家庭環境、親子の関わり、本人の興味、学習習慣、継続的な努力など、さまざまな要素が関係します。
だからこそ、一つの教育法だけを見て、「これをすれば伸びる」と判断しないことが大切です。
右脳を鍛える方法を探すときも、方法そのものだけではなく、子どもが楽しめているか、その経験が会話や遊びに広がっているか、親子の時間が前向きなものになっているかを見ていきましょう。
まとめ|右脳を鍛える方法は、感覚と言葉と体験をつなげること
右脳を鍛える方法には、絵本、歌、音楽、ごっこ遊び、絵を描くこと、工作、図鑑、自然遊び、フラッシュカード、聞き流しなど、さまざまなものがあります。
どれも家庭で取り入れやすい方法です。
ただし、大切なのは、何をするかだけではありません。
子どもが見たものを、親子で話す。
聞いた音を、まねして楽しむ。
感じたことを、絵や工作で表現する。
図鑑で見たものを、実際の体験につなげる。
歌や絵本を、遊びや会話に広げる。
このように、見たもの、聞いたもの、感じたことを、言葉、遊び、表現、体験につなげることが、子どもの想像力や感性を育てていきます。
右脳を鍛えると聞くと、特別な教材やトレーニングを想像するかもしれません。
しかし、子どもの力は、日常の中でも育っていきます。
右脳の鍛え方を家庭で考えるときは、何かを多く見せることだけでなく、日常の中で親子がどう関わるかを見ることが大切です。
親子で絵本を読む時間。
一緒に歌う時間。
公園で虫を見つける時間。
作ったものについて話す時間。
子どもの「これ何?」に付き合う時間。
こうした一つひとつの経験が、子どもの中でつながっていきます。
右脳を鍛えようとする前に、まずはお子さまが見たもの、聞いたもの、感じたことを、親子で一緒に楽しみ、言葉にし、遊びに広げていくことを大切にしてみてください。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
今回の記事では、右脳を鍛える方法は、特別な教材やトレーニングだけではなく、子どもが見たもの、聞いたもの、感じたことを、言葉や遊び、表現、体験につなげていくことが大切だとお伝えしました。
これは、右脳教育だけの話ではありません。幼児期の学びでは、フラッシュカード、聞き流し、絵本、知育教材、英語、習い事など、何をいつ取り入れるべきか、どこまで続けるべきか、子どもが嫌がるときにどう見直すべきかなど、親が判断に迷う場面が何度もあります。
実際、お子さんが大きく伸びていくご家庭ほど、「どの教材を使うか」だけではなく、その経験が子どもの会話や遊びに広がっているか、親子の時間が前向きなものになっているか、子どもが楽しみながら学べているかを見ようとされています。
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・知育教材や習い事を選ぶときの判断基準
・子どもの興味を家庭で無理なく伸ばす関わり方
たとえばこのような点について、実際の教育相談や指導経験をもとに詳しくお伝えしています。
「右脳教育や知育教材を、わが子にどう生かせばよいか知りたい」
「刺激を増やすだけでなく、考える力や表現する力も育てたい」
「幼児期に、親子で無理なく学びの土台を作っていきたい」
という方は、ぜひ参考になさってください。
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