「4歳の壁」とは?発達の特徴や気をつけるべきポイント
執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)
最終更新日 2023年08月01日
子どもは成長するにつれて、思春期や反抗期などさまざまな反応がみられます。
その1つに「4歳の壁」と言われる時期があります。
精神的に不安定になりやすい時期が4歳頃となりますが、実際に4歳頃のお子さまをお持ちの方で、お子さまが感情の制御がうまくできずに暴れたり泣いたりしてしまうケースも多いのではないでしょうか?
そこでこちらのページでは、4歳児に訪れる「4歳の壁」について、発達の特徴や気をつけるべきポイントを解説していきます。
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4歳児における発達の特徴
まずは、4歳児における発達の特徴について解説していきます。
まず、身体的な特徴ですが、個人差はありますが、4歳児の身長は100cm程で、体重は15kg程となっています。
また4歳ごろになると、運動機能が発達し始め、バランスを取る力や手先の器用さなども向上します。
具体的には以下の身体能力が身につくようになります。
- スキップや片足跳びなどの複雑な運動
- ハサミやペンなどの手先を使う道具が使えるようになる
続いて、知能的な特徴ですが、乳児の頃と比較すると、言語に関する能力が飛躍するため、自分の気持ちを相手に伝えられるようになります。
さらに想像力も豊かになるため、ストーリーを自分で作って話すこともできるようになります。
精神面では、自意識が明確に芽生え始めるため、自分と他人を区別するようになり、自制心などの我慢もできるようになります。
このように4歳ごろになると、これまでの乳児期と違い、身体能力や知能・精神面が大きく発達するため、非常に多くのことができるようになります。
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親も困惑する「4歳の壁」とは?
上述したように、4歳ごろになると自分でできることが非常に多くなってきます。
さらに、周囲の状況にも関心を持つようになり、友達と遊ぶことに楽しさを感じるようになるなど、社会性も身につき始めます。
しかし、一方で身体的・精神的な変化が大きい4歳では、子ども自身がその変化に戸惑ってしまい、大きな不安を覚えることが増えてきます。
その不安が親をはじめとした周囲への反抗や泣いたり怒ったりという態度に現れるようになってしまいます。
この精神と肉体のバランスが取れなくなってくる状態を「4歳の壁」と表現することが多くあります。
具体的には、以下のような行動を取るようになります。
- 親の言うことをなかなか聞かない
- 乱暴な言葉を使う
- 泣きわめいたり暴れる
- できることをやろうとしない
1つずつ解説いたします。
親の言うことをなかなか聞かない
親の言うことを聞かない状態は4歳以外でもみられる特徴ですが、4歳になると自分の気持ちを言葉で言い表すようになるため、親の言うことに対して「なぜやらないといけないの」などの言葉で反抗するようになります。
また、保育園などで1人が大人の言うことを聞かないと、周囲の子どもも反応してしまい、一緒に反抗してしまうケースもあります。
乱暴な言葉を使う
4歳になると、使える言葉が非常に多くなるため、乱暴な言葉も相手に使うようになります。
また、自分が気に入らないことがあると相手を叩くなど、乱暴な行動をすることも多くなります。
言葉を喋らない時期と違い、親などの大人が間に入ってもなかなか治らない場合も多いでしょう。
さらに子どもだけでなく親などの大人に対しても暴力的になります。
泣きわめいたり暴れる
周囲との関係において、自分の思い通りにならないことがあると、泣きわめいたり、暴れたりすることがあります。
肉体と精神のバランスがうまく取れていないため、なぜ泣いているのか自分自身でもわからず混乱しているケースも少なくありません。
できることをやろうとしない
着替えや食事といった、あえてできることをやろうとしないのも、4歳ごろの特徴です。
急に甘えたり、抱っこを求めるような赤ちゃん返りを見せることもあります。
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4歳児に接する時に気をつけるべきポイント
気分がコロコロと変わる、何かと大変な4歳児では、その接し方にも気をつける必要があるでしょう。
具体的には以下のことに注意してお子さんに接していきましょう。
- 頭ごなしに怒らず、子どもの話をちゃんと聞く
- 自分自身でできたと言う経験を増やす
- イライラしているのはなぜか聞いてみる
- 子どもの乱暴な言葉に過剰に反応しない
特に重要なことは、親が感情的にならずに、冷静に子どもに接することです。
さらに、子ども自身も自制心を育めるようにすることも大事です。
子どものうちは我慢などの自制心が十分に育っていないため、子どもからの欲求に対してなんでも応じてしまうと、自制心を育むチャンスを失ってしまいます。
子どもの欲求に対しては、適度な度合いで応え、過剰に対応しすぎないようにしましょう。
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4歳児はどのように接して育てていくべき?
4歳になると接し方にも気をつける必要がありますが、4歳児をどのように育てていくかと言う育成方針も非常に重要です。
具体的には以下のポイントを意識していきましょう。
- 周りの気持ちを考えられるようにサポートする
- 主体性を大事にする
- 子どもの話を最後まで聞く
- 子どものイメージに合わせた活動をする
1つずつ解説いたします。
周りの気持ちを考えられるようにサポートする
お子さまに接する時には、周りの気持ちを考えられるようにサポートしていくようにしましょう。
まずは子どもの状況を見守りながらも、トラブルになりそうな時に親が間に入るようにします。
相手の子がどういう気持ちなのかを汲み取り、代弁できるようにすると良いです。
このように、子どもたちの間に入る場合は、第3者の視点で客観的に話を聞くことがポイントです。
一方で、楽しいことは共感できるように周りの子どもたちにも伝えていくことも良いでしょう。
主体性を大事にする
子ども一人ひとりの主体性を大事にしましょう。
子どもたちの自発的な気持ちを尊重し、周囲の子と比較しないことが重要です。
親がわが子に接するときは、「〇〇君は〜だけど、△△君は〜て考えてるんじゃないかな」と違いを認めることで、子どもも認められた気持ちになりやすく、自信にもつながるでしょう。
子どもの話を最後まで聞く
4歳時は反抗的な態度をとりやすい時期であり、何に対してもやもやしていたり、どうして乱暴な態度を取るのか、子どもなりに理由がある可能性もあります。
乱暴な態度や言動を見せた時に、頭ごなしに否定するのではなく、ゆっくり落ち着いた気持ちで最後まで聞くことが大切です。
親も子どもが話しやすい環境を作れるように、日頃からコミュニケーションを活発に行いましょう。
子どもも話を聞いてもらえることで、安心しやすくなります。
子どものイメージに合わせた活動をする
子どものイメージに合わせた活動をできるようにすることも大切です。
4歳児になると自己意識が強くなるため、遊びなどでも自分のイメージを表現することが多くなります。
例えば、創作活動を行う中で、絵本と同じようなものを作ってみたいと思う子もいるでしょう。
そうした時に、可能な限り見本となるものを示せるように、子どもがどのようなことを想像しているのか丁寧に聞き出し、必要な材料を集めるなど、子どものイメージした活動がしやすい環境を作っていくことがおすすめです。
子どもも自分のイメージ通りに物事ができると、達成感を味わえたり、喜べたりするため、精神的にも安定しやすくなります。
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第三者視点で客観的に話をする
4歳児になると、急激に体と心が成長するため、体と心のバランスを取れなくなってしまい、乱暴な行動を起こしたり、言葉を話したりしやすくなります。
子どもの話を最後までちゃんと聞くことや、第3者視点で客観的に話をすることで、子どもに対して冷静に接し、子どもがスムーズに成長できるようサポートしていきましょう。
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