算数の割り算はなぜ難しい?割り算を攻略するための3つの学習法

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算数の割り算はなぜ難しい?割り算を攻略するための3つの学習法

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2023年08月01日

小学校3年生の算数の時間に登場する割り算。四則演算のなかでも難易度が高いと言われている割り算は、苦手と感じる子も多いようです。
また親が教えるにしても難しいという声をよく聞きます。

こちらのページでは、算数の割り算の必要性や、なぜ割り算は難しいのか。
そして割り算の意味を理解するための家庭での取り組み方などについて詳しくご紹介します。

算数の割り算の必要性
算数割り算1

小3から算数学習に登場する割り算は、今後の算数・数学における学習で大変意味のあるものとなります。

算数・数学の学習で学ぶ小数や分数、単位の計算や量・割合などは、すべて割り算につながっていくのです。
高校に入ると数学だけでなく、物理などでも割り算を使った計算問題が多数登場します。

このとき、割り算の意味を理解できていないと、割合に関する考え方も理解できないかもしれません。

そうなってしまうと、表やグラフなどから必要な情報を読み取れないなども出てくるため、苦労を強いられる可能性も出てきます。

また日常生活でも割り算は多方面で使用されています。
12個入りのキャンディを6人でわけると何個ずつになるか、6,300円を3人で支払ったら1人あたりいくらになるのか。

このように、割り算は日常生活で何気なく使うことが多いので、しっかりと割り算の意味を理解し、習得しておきたいものです。

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算数の割り算はどうして難しいの?
算数割り算2

算数の授業で習う割り算はなぜ難しいと思われているのでしょう。
割り算を難しく思わせてしまう3つの理由について紹介します。

割り算では複雑な計算が必要になる

割り算では2年生までに算数の授業で習ってきた四則演算から、足し算の概念を利用し、引き算と掛け算を使用して答えを導き出します。

つまり割り算を習得するためには、2年生までの算数の学習につまずきのないことが絶対条件となるのです。

また、割り算では答えを出すための流れにも難しさが潜んでいます。それが計算の順番が足し算・引き算・掛け算とは逆になるところです。

足し算・引き算・掛け算は1の位から計算しますが、割り算は大きな位から計算していくことになります。

2年生までに慣れ親しんだ計算方法と異なるため、割り算の計算方法に慣れるまでは苦戦する子も多いのかもしれません。

同じ割り算でも求める意味や答えが違う

実は割り算には2通りの意味があります。
割り算の文章問題でつまずいてしまう子どもたちの多くは、このトラップにはまってしまうのでしょう。

ここでおさえておきたいポイントは、割り算における「等分除(とうぶんじょ)」と「包含除(ほうがんじょ)」についてです。

16÷4=4で答えを求められる割り算が、文章問題になった場合以下のように2通りの意味をもちます。

・16個のリンゴを4人でわけたときの1人分の個数を求めるのが「等分除」
・16個のリンゴを4個ずつわけたとき何人にわけられるかを求めるのが「包含除」

割り算の計算だけを解いていくのであれば、「等分除」「包含除」でつまずくことはあまりないかもしれません。

しかしこれが文章問題になると混乱してしまう子も出てくるため、割り算は難易度が高いと言われてしまうのでしょう。

答えにあまりが出る

割り算特有のものといえば、導き出した答えに「あまり」が出ることです。

あまりが出る問題では計算のパターンが複数あるため、答えを導き出すまでの道のりが難しくなってしまい難易度がアップするのです。

2桁・3桁といった大きな数の割り算をやるようになれば、あまりが出る計算もたくさん出てきます。
また、日常生活で割り算を使用するシーンの多くは、あまりがでることも多いでしょう。

今後の算数学習のためにも日常的に使う計算のためにも、あまりが出る割り算はきちんと理解し、しっかりと答えられるようにしておきたいものです。

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算数の割り算習得の鍵は九九にあり
算数割り算3

算数の割り算を習得するためには、小2の算数の授業で学んだ、掛け算の「九九」の習熟度が割り算の学習に大きな影響を及ぼします。

もしわが子が算数の割り算に苦戦しているようであれば、九九がきちんと習得できているかどうかを確認してみてください。

九九が習得できていれば、数字のなかに求めるための数字がいくつ入っているかが理解しやすくなり、割り算の解き方が簡単になります。

たとえば「9÷3」という式で考えてみましょう。

九九が理解できていないと、まず「9-3」となります。答えは「6」になり、そこからさらに3を引くと答えは「3」。これでようやく9のなかに3という数字が3つ入っていることが見えてきました。

九九を正しく習得できていれば計算はさらに容易になります。

9のなかに3がいくつあるか。ここで九九の「3×3=9(さざんがきゅう)」につながれば、1度の計算式で答えが3だとはじき出せるのです。

これは4年生の算数で登場する割り算の「筆算」にも通じますので、しっかりと九九をおさえておくことを意識しておいてください。

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小3の割り算でつまずかないための3つの家庭学習法
算数割り算4

小4になると割り算の筆算が登場します。
それに伴い、割り算の問題に登場する数字も大きなものになっていきます。

しかし小3のうちは割り算の基礎・基本的な学習がメインになりますので、最初の段階でつまずかないよう、親がサポートしておくといいでしょう。

どのように割り算習得に向けた家庭学習を行えばいいか、3つの方法を紹介します。

2年生までの算数学習の復習

繰り返しお話しているように、割り算では小2までの算数の授業で学んだことが活かされます。

すでに九九についての重要性は紹介しておりますが、足し算・引き算・掛け算における、繰り上がりや繰り下がりについての復習も意識しておくと、割り算の学習に役立ちます。

実際に家庭にあるものを使って割り算の意味を理解させる

プリントや教科書で学ぶ前に、実際に家庭にあるものを使った学習にも挑戦しておきましょう。

袋に入ったお菓子の合計を数え、家族3人でわけたら何個ずつになるかを実際にやってみます。
トランプを人数分で配ったら何枚ずつになるかなどもいいですね。

とにかく身近にあるもので、割り算の概念や意味を実体験しながら学ぶことも、割り算の基礎固めには不可欠です。

身近なものを使うことで、割り算が日常生活にも根付いているものだと理解しやすくなるでしょう。

同じ数ずつわける実体験でも割り算の意味が理解できる

小3の算数割り算授業では、あまりが出る割り算までを学習しますが、まだ割り算について理解・イメージがしきれていない場合は、あまりの出ない割り算を実体験させましょう。

それが、同じ数ずつわけることの実体験です。

先ほど紹介したような、家庭にあるものを使い、同じ数ずつわけると何人分になるかなどと声がけし、実際に子どもにわけさせてください。

そうすることで、同じ数ずつわけることも割り算であると理解しやすくなるでしょう。

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割り算は難しいもの!家庭でのサポートでしっかり基礎固めを
算数割り算5

小学校3年生からスタートする割り算。

これまでの算数学習とはかなり異なるため、苦手意識をもってしまう子どもたちが多いのは事実です。

実際、幼児教室ひまわりにも「わが子が割り算でつまずいている」「どうすれば割り算ができるようになりますか?」というお悩みやご相談が届きます。

計算の複雑さやこれまでとは逆パターンになる計算方法、問題文で混乱する2通りの意味、そして答えにあまりが出ることなど、未知なことばかりでついていけなくなるのも当然です。

それだけ割り算は難しいものなのです。
だからこそ、親御さんのサポートが不可欠と言えます。

今回の記事でもお伝えしましたが、割り算に苦手意識がある場合は、やはり掛け算や九九から見直すことをおすすめします。

積極的に先取り学習をされている親御さんの中には、「一つ前に戻ること」に抵抗がある方もいらっしゃいます。

ですが、理解のできないまま先へ進むことの方が、結果的に遠回りになることもあります。

1つ前に戻り、きちんと理解してから進むことの方が、遠回りのように見えて実は近道となるのです。

親子一緒に、焦らずじっくりと確実に基礎を固め、発展させていけるように進めていきましょう。

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