お小遣いを通して養う子どものマネーリテラシー(お小遣いの相場や平均額、渡し方を解説)

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お小遣いを通して養う子どものマネーリテラシー(お小遣いの相場や平均額、渡し方を解説)

執筆者:熊野貴文(幼児教室ひまわり塾長)

最終更新日 2023年07月28日

人生を送る上で切っては切り離せないお金。
だからこそ、子どもたちにも早いうちからマネーリテラシーを身につけさせたいものです。

子どもにお小遣いをいくら渡せばいいのかや、渡し方などに悩む親御さんも多いことでしょう。
そのような問題の答えを探しながら、親子でお金の教育をはじめてみてはいかがでしょう。

こちらのページでは、子どものお小遣いについて、相場や平均額、渡し方について紹介します。

お小遣いを通して身につける「マネーリテラシー」
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お金はとても大切なモノです。
お金があることで、生活に必要なものが手に入りますし、欲しい物が買えるかもしれません。
しかし学校の勉強や家庭のなかで、お金の話をする機会は少なそうです。

大切なお金について親子で考えたり話したりする機会として「お小遣い」は絶好のチャンスになりえます。
ただ決められたがくを決めたタイミングで渡すだけではなく、マネーリテラシー(お金の知識や判断力)を親子で高めていきましょう。

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子どもにお小遣いを渡しはじめるタイミングは?
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子どもへのお小遣いに関して最初に気になることと言えば、「何歳ごろから渡す」かではないでしょうか。
ベネッセ教育総合研究所が公開している資料によると、小学1年〜3年生では3割近くしかお小遣いを渡していないことに対し、小学4〜6年生となると5割以上が渡すようになっています。

このような結果から、小学4〜6年生頃からお小遣いを渡しはじめているご家庭が多いことが見えてきました。ライフスタイルや生活環境によって、お小遣いを渡しはじめる時期にはばらつきもあるかと思いますが参考にしてみてください。

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お小遣いはいくら渡せばいい?相場や平均について
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お小遣いに関するデータを元に、子どもへのお小遣いの相場や渡す頻度などについて紹介していきます。

お小遣いの相場を知る

金融広報中央委員会が公開している「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」のデータによると、小学生の子どもへのお小遣いの相場や平均は以下のようになっています。

■月に1回渡す場合

低学年 最頻値:500円 / 平均値:1,004円 / 中央値:500円
中学年 最頻値:500円 / 平均値:864円 / 中央値:500円
高学年 最頻値:500円 / 平均値:1,085円 / 中央値:1,000円

■ときどき渡す場合

低学年 最頻値:100円 / 平均値:1,004円 / 中央値:163円
中学年 最頻値:100円 / 平均値:923円 / 中央値:300円
高学年 最頻値:1,000円 / 平均値:1,246円 / 中央値:500円

学年に応じて金額の差はあれども、月に1回渡す・ときどき渡す、どちらでも金額に大差はでませんでした。
一般的な月額制度にする場合は、低学年〜中学年までは500円程度、高学年で1,000円程度を目安にするといいでしょう。

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お小遣いを渡す頻度

お小遣いを渡す頻度も、金融広報中央委員会が公開している「子どものくらしとお金に関する調査(第3回)2015年度」のデータから見てみましょう。

低学年:月に1回 13.4% /  ときどき 57.3%
中学年:月に1回 32.1% /  ときどき 47.8%
高学年:月に1回 45.0% /  ときどき 38.3%

学年が低いほど子どもが何かを必要としたときにだけ渡す「ときどき」が目立ち、学年が上がるに連れ月に1回制へとシフトしていくようです。

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お小遣いの使い道

お小遣いの使い道に関して最も多い回答は「おかしやジュース」でした。
これは低学年~高学年まで共通しています。しかし2位以降は学年が上がるにつれ、高額なものへと変化していくようです。

中学年・高学年の2位はともに「ゲームソフトやおもちゃ類」、高学年では定期的に購入する「まんが(3位)」や「本や雑誌(4位)」も含まれるようになっていることから、月に使いたい金額が上がっていくため、自ずと渡す金額もアップしていくのでしょう。

お小遣いの渡し方3つのメリット・デメリット
小遣い4

お小遣いの渡し方には、ここまでに登場した月1回などの「定額制(月1回や半月・週1回など)」と、必要なときに都度渡す「都度払い制」に加え、お手伝いなどをすることで得られる「報酬制」があげられます。

「定額制」「都度払い制」「報酬制」メリット・デメリット

お小遣いの渡し方3つに関する、それぞれのメリット・デメリットを紹介していきましょう。

■定額制のメリット

・毎月確実にまとまった金額が手に入る
・手に入る金額が事前にわかっているので子どもが使う計画を立てやすい
・保護者側は、渡すタイミングや金額が決まっているので継続しやすい

■定額制のデメリット

・決まった金額が入るので、次のお小遣いまでにすべて使い切ろうとしてしまう

■都度払い制のメリット

・必要なときに必要な分だけお小遣いが手に入る
・子どもが何にお金をいくら使っているのかが把握しやすい
・不必要なお金を渡さなくていいので保護者の管理が楽

■都度払い制のデメリット

・お金のやりくりができない
・欲しい物のためにお小遣いを貯めるという経験ができない
・言われるままに渡していると、金額が膨大になるケースもある
・保護者側が、月額いくら渡しているかの管理がしにくい

■報酬制のメリット

・お手伝いなどの労働が対価になると学べる
・手伝えば報酬を得られる有り難みがわかる
・お小遣いをもらうために積極的に家事をするようになり家事能力が向上する

■報酬制のデメリット

・お小遣いがもらえないなら手伝いをしようとしなくなる
・家族として当たり前に協力し合うことを否定するようになる

「定額制」「都度払い制」「報酬制」、3つそれぞれにメリット・デメリットがあります。
どの渡し方がいいかは、ご家庭の方針や子どもの性格・タイプ、ライフスタイルや環境に応じて検討してみてください。

お子さんと相談し、1つずつ試してみてから最終的に渡し方を固定する方法もオススメです。

デメリットの解決法

それぞれの渡し方に登場したデメリットの解決法について考えてみましょう。

■定額制のデメリット解決法

次のお小遣いまでになんとしてもすべて使いきろうとしてしまう傾向がある場合は、投資の考え方を利用する方法があります。
月末に残ったお小遣いを保護者が預かり、倍の金額にして貯金する方法です。

月初に1,000円貰ったお小遣いが月末に300円残ったとしましょう。
その300円を保護者に渡すと、倍の600円に増やして貯金してもらえるのです。
このように、お小遣いを使い切らないことで、自分のお金や貯金が増える仕組みを作ることは投資や資産形成の学習へとつながっていきます。

計画的に使い、残そうとする意識をもつことはマネーリテラシーとして重要な要素として身についていくでしょう。

■都度払い制のデメリット解決法

親子ともに、渡した・貰った金額の記録をしましょう。
また、子どもに言われるがまま、その都度お小遣いを渡すことは避けるようにしてください。
なぜ必要なのかを子どもにプレゼンしてもらい、保護者が納得いってからお小遣いを渡すようにするといいでしょう。

■報酬制のデメリット解決法

家事をするとお小遣いが貰える理論は、働くことの意義や意味を知る上で大切な経験です。
しかし家のお手伝いがお金目当てになってしまっては元も子もありません。
基本的にはお手伝いの対価をお小遣いにしないことが一番の解決策ではないでしょうか。

お手伝い報酬制を取り入れるのであれば、その都度お小遣いを渡さないようにしましょう。
カレンダーなどにお手伝いをした日にチェックを入れ、月や週ごとにまとめて渡す、
月額制と報酬制のハイブリッド方式がオススメです。

ただし、あくまでも家のお手伝いをすることは、家族が協力しあって生きるために必要なことだと理解させるため、あまり大金を与えないようにすることも必要です。

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お小遣いを通し子どもと一緒にお金の話をしよう
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子どもへのお小遣いに関する悩みは、親だけで解決しようとせず、積極的に子どもを交えて家族みんなで話しあうことをオススメします。
そうすることで、家族みんなでお金の有り難さや大切さを知り、お金の管理の仕方や使い方のルールを理解していけます。

子ども自身も、自分でお小遣いについて考え、意見を出し合えるようになることは、将来的に必ず役に立つことにつながるでしょう。
お金の話はタブー視されがちですが、お小遣いを通じて家族で一緒に向き合い、子どものマネーリテラシーを高めていきましょう。

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